日米欧中銀の動きに注目、レンジ脱却を期待(週報4月第4週)

先週のドル/円は、小動き。1週間を通しての値動きはわずか76ポイントにとどまり、これは一連の「コロナショック」を受けたのちの週間最小変動だった。

日米欧中銀の動きに注目、レンジ脱却を期待(週報4月第4週)

日米欧中銀の動きに注目、レンジ脱却を期待

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、小動き。1週間を通しての値動きはわずか76ポイントにとどまり、これは一連の「コロナショック」を受けたのちの週間最小変動だった。

前週末に、「世界の新型コロナ感染者230万人、死者は16万人超」と伝えられたうえ、日本については「国内感染者が1万人突破」したことが明らかに。ただ、一方でトランプ米大統領が「20日からテキサス州やバーモント州で、経済活動を一部再開すると発表」するなど、各国で明暗が分かれた格好となった。
そうしたなか寄り付いたドル/円は、107円半ばと前週末のNYクローズと大差ないレベルで取引を開始。その後も107円台を中心とした一進一退で、週間を通し積極的な動意には乏しかった。1週間を通しての値動き76ポイントは一連の「コロナショック」を受けたのちの週間最小変動、それ以前、今年の年明け以降と考えても2番目の小変動となる。結局、週末NYは107円半ばで取引を終え越週に。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「北朝鮮情勢」と「原油動向」について。
前者は、北朝鮮情報専門サイト「デイリーNK」が、「金委員長が最近、心血管系の手術を受けた」と報じたことに続き、CNNが「手術後に危険な状態に陥った」などと指摘したことで健康不安説が一気に広がった。為替市場では韓国ウォンなどの波乱要因にも。しかし決め手に欠ける状態で、その後は様々な情報が錯綜。韓国大統領府は「通常と異なる動きなし」、トランプ米大統領も「CNN報道は正しくない」と発言していたが、反面で重体説も依然として根強くくすぶる。

対して後者は、OPECプラスで「970万バレルの協調減産で最終合意」となった原油相場だが、市場の不満は強く20日に暴落。限月交代にともなう要因も絡むと、米WTIの先物価格(5月物)が1バレル=マイナス37.63ドルと、史上初めてマイナス価格で取引を終えている。その後、交代した6月物もしばらくは乱高下で激しい動きだったが、週末にかけてようやく落ち着いてきた感がうかがえた。

<< 今週の見通し >>

世界的に見て新型コロナの感染拡大は続いており、今後はとくに中南米とアフリカの動静が懸念されている。ただ、欧米諸国においては若干明るい兆しがうかがえ始めた先もあるようで、一部の国では外出制限などを緩和、経済活動を再開しはじめた。そうしたなか注視されているのは、発表される経済指標などに示される各国の経済的なダメージと、第2弾や第3弾となる経済対策だろう。また、今週は27-30日に日米欧の中央銀行が相次ぎ政策決定会合を開くことから、金融政策に対する関心も高い。たとえば、日銀でいえば日経新聞などがすでに報じている「国債の無制限購入」が果たして導入されるのか否かにまずは注目だ。

材料的に見た場合、「貿易を中心とした米中の対立」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」、「原油情勢」など、注目要因は依然として山積みとなっている。そうしたなか、もっとも注意を要するのは依然として「新型コロナウイルス」絡みの話題だ。ただ、ここ最近はかつてのような「感染拡大」云々だけでなく、「起源説」ともいえる問題を受けた新たな「米中対立」や「賠償請求問題」、あるいは「新型コロナ治療薬」をめぐるニュースなど多岐にわたっている。様々な発言や報道に注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、約2週間も106.90-108.10円という値動きをたどっているだけでなく、前述したように先週は週間を通してわずか76ポイントレンジにとどまった。方向性を喪失し、次の動意をうかがう状況を呈しているといって間違いないだろう。ともかく、まずは先週のレンジである107.29-108.05円、さらには106.90-108.10円をどちらの方向にしっかりと越えてくのか、その方向性をしっかりと注視しておきたい。

今週は、4月の消費者信頼感指数や1-3月期のGDP速報値といった重要な米経済指標が幾つも発表される予定となっている。ここ最近発表される米経済指標は全般的に冴えないものの、為替市場への反応という意味ではいまひとつ。ただ、今週発表される米GDP速報値などが予想よりも悪化すれば、さすがにドル売り要因になりかねないとの指摘も聞かれていた。
また、米国に続き欧州でも発表が始まる企業決算や、先で指摘した日米欧中銀の政策決定会合なども場合によっては波乱要因になりかねない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、106.20-108.60円。ドル高・円安については、先週高値108.05円ならびに目先の形成レンジ上限である108.10円レベルが最初の抵抗。ただ、超えても108.30円には移動平均の200日線が位置するなど、上値も重そうだ。
対するドル安・円高方向は、先週のドル安値である107.29円をめぐる攻防にまず注目。割り込むようだと、月間安値106.93円やテクニカルポイントの106円半ばなどがターゲットに。

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