米株高などが支援し、ドル高も続く可能性(4/6夕)

週明け6日の東京市場は、ドルが強含み。値幅は1円未満にとどまったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、見た目以上にドルは強かった印象だ。

米株高などが支援し、ドル高も続く可能性(4/6夕)

<< 東京市場の動き >>

週明け6日の東京市場は、ドルが強含み。値幅は1円未満にとどまったが、「寄り付き安・大引け高」の展開で、見た目以上にドルは強かった印象だ。

週末には、「中国人民銀が預金準備率を、地方銀行や農村部の中小銀行を対象に1.0%引き下げ」、「OPECプラスは、6日開催予定の緊急会合を9日に延期」といったニュースが伝えられたうえ、米ジョンズ・ホプキンス大学による最新集計結果として、「全米の新型コロナウイルス感染者は31万1000人超、死者は8400人超になった」と発表されていた。
そうした状況下、週明けのドル/円相場は前週末NYクローズと大差のない108.35-40円で取引開始。結局、その寄り付きレベルを日中安値に、109.15-20円まで緩やかな右肩上がりをたどっている。日経平均株価が大引けベースで756円高、NYダウ先物も800ドルを超える上昇をたどったことなどが好感されていたという。16時時点でもドルは109.15-20円の高値圏をキープ、欧米時間を迎えている。
なお、週末に「英首相が検査入院、陽性発覚から10日過ぎても症状続く」といった報道が観測されたことを嫌気し、週明けポンドが安寄り。対円やドルでは上方向にギャップを空けて寄り付いたが、終わってみれば逆行高。早々にギャップを埋めたうえで、高値引け。

一方、材料的に注視されていたものは、「原油安打開に向けた動き」と「日本の緊急事態宣言めぐる動き」について。
前者は、プーチン露大統領が「米国やOPEC加盟国とともに産油量を大幅に削減する用意がある」と述べるなど、減産合意に向けて一歩前進した感が見られるなか、ブルームバーグは、米NEC委員長が「政府が国内のエネルギー企業に対し石油生産に関する指示を行うことはできない」との見方を示し、米国が協調減産に加わることはないとの考えを示唆したと報じていた。また、前述したように「OPECプラスの緊急会合が9日に延期」しており、合意の難しさを指摘する声も少なくなかったようだ。
対して後者は、先週末に東京都の累計感染者数が1000人を突破するなか、安倍首相は連日で西村再生相らと官邸で会談。新型コロナウイルスについての対応を協議したものの、結果として「緊急事態宣言」は発令されず。ただ、そののち共同通信や朝日新聞などのメディアが「安倍首相、緊急事態宣言の意向固める」などと指摘するなど、7日にも発令される見込みとなった。なお、朝日新聞によると「期間は5月6日まで」になるもようだという。

<< 欧米市場の見通し >>

先で指摘したように、安倍首相がついに「非常事態宣言」を発令する見込みとなった。それを好感しての「株高進行」という解説には、個人的に若干の違和感を覚えるものの、実際問題として日米株価がともに堅調推移となったのは事実だ。そして、為替市場の動きは、やはり株価の値動き次第であるのかもしれない。このあと、さらにNYダウなどが買い戻され、それに合わせてドル/円も買い進められる可能性もある。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。また、先週末の米雇用統計の衝撃的な悪化にもかかわらず反応はいまひとつだったものの、週間を通して発表される米経済指標や「原油安打開に向けた行方」などにも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、先週推移していたレンジの上限108.71円を、本日東京で上抜けての推移となっている。ここのところはダマシが多いのも気になるが、素直に考えてリスクはドル高方向にバイアスか。ちなみに、3月高値111.71円を起点とした下げ幅のフィボナッチ半値戻しは109.30-35円で61.8%戻しは109.85-90円となる。取り敢えず、それらレベルがターゲットとなりそうだ。

本日はとくに目立った米経済指標の発表などは予定されていない。また、何度も指摘しているように6日開催予定だった「OPECプラスの緊急会合は9日に延期」されるなど、目先は新規材料難という感も否めない。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大下、ここのところは各国要人による電話会談などが連日のように実施されている。伝えられる関連報道には注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-109.90円。ドル高・円安方向は、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントの109.30-35円が目先の抵抗。上抜ければ、109.85-90円や心理抵抗の110円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もと上抜けて推移している移動平均の75日線が位置する109円前後の攻防にまずは注視。再び下回ってくると、同200日線が位置する108.30円前後などが意識されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円時間足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る