落ち着きどころ探る、ドルの乱高下は継続か(3/27夕)

27日の東京市場もドルは冴えない。一時108.20円台まで続落したものの、テクニカルには移動平均の200日線がサポートになった。

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落ち着きどころ探る、ドルの乱高下は継続か(3/27夕)

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27日の東京市場もドルは冴えない。一時108.20円台まで続落したものの、テクニカルには移動平均の200日線がサポートになった。

ドル/円は寄り付いた109.65-70円を日中高値に弱含み。当初はビッドも厚いと言われた109円前後で下げ渋るも、割り込んだあとは108.20-25円までじり安推移をたどっている。日経平均株価が終値ベースで700円以上上昇した反面、時間外で取引されているNYダウ先物は300ドル以上下落と股裂き商状となるなか、為替市場では3月期末をにらんだ本邦勢のリパトリエーションなども散見されていたという。
日中安値を示現後は108円台での揉み合いをたどるも夕方にかけてはやや買い戻され、16時時点では108.60-65円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、新型コロナをめぐる「日本の状況」と「米中を中心とした世界の状況」について。
前者については、25日に東京都が一日で41人もの感染者数増加を発表したことに続き、26日には47人の感染者と発表。連日で40人以上の感染者数増加が観測された。そうしたなか、小池都知事が安倍首相と会談し緊急要望を行ったうえ、「都民の外出自粛」の呼び掛けを実施。なお、安倍首相の「緊急事態宣言を行うまで至っていない」からはやや切迫感を欠いたコメントが聞かれたものの、市場では週明け、来週月曜日の出勤などを懸念する声も様々なところで指摘されている。
対して後者は、今週G20財務相やG7財務相、G7外相といったような重要な国際テレビ会議が連日開催されてきたが、昨日はG20首脳会議が実施され、「5兆ドル超を世界経済に投入する」とした共同声明を発表している。また、そののち米中首脳の電話会談も実施されており、習主席は「米国を支援する用意があるとの見解を示した」などと報じられていた。

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日米の株価は依然として荒っぽい変動をたどっているものの、為替市場は一足早く落ち着きを取り戻し、しばらくはレンジ取引をたどるかと淡い期待を抱いていたのだが、昨日欧米時間に底割れ。そして本日東京でドルは続落となっている。やはり、相場はまだまだ波乱含みだ。テクニカルには、移動平均の200日線なども近い108.20円台で取り敢えず下げ止まったとはいえ予断を許さず。割り込めば、次のターゲットである107.70円レベルを目指し、ドルは続落も。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題だ。世界最悪の死者数8000人超となったイタリア、そして同2位の4000人超を記録したスペインを有する欧州情勢はもちろん、感染者数ということでは中国を抜き世界最多となった米国情勢も気掛かり。巨額経済対策などが講じられてはいるものの、感染拡大に終息の兆しがみえないかぎり、まだしばらくは落ち着きどころを探り右往左往する展開が続く可能性がある。

テクニカル面からすると、先週末20日の安値109.33円がなかなか強いサポートになると予想したのだが、想像以上にアッサリと割り込み、本稿執筆時は108円台での推移となっている。そんなドルのサポートは、まず本日東京でも下げ止まった108.20-25円で、このレベルは移動平均の25日線や同200日線にも近い。また、安値101.19円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる107.70円などもサポートとして意識されそうだ。

本日は、2月のPCEデフレーターや3月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。
ちなみに、昨日レポートした「週間ベースの新規失業保険申請件数」は、過去最高だった1982年の約70万件を大きく塗り替えるという意味では想定内ながら、大方の市場予想150-160万件の2倍にも及ぶ328.3万件のネガティブサプライズ。今回の数字を受け、米経済指標に対する関心が今後ジワリと高まる可能性もあるだろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.80-110.00円。ドル高・円安方向は、東京高値の109.65-70円がまず目先の抵抗か。ただ上抜けば、110円前後や110円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる108.20-25円をめぐる攻防を注視。下回ると108円割れ、107.70円などが意識されそうだ。

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