ドル円、パウエル発言とイニシャルクレームで急反落。ドル売りムード再燃か(3/27朝)

26日(木)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、パウエル発言とイニシャルクレームで急反落。ドル売りムード再燃か(3/27朝)

ドル円、パウエル発言とイニシャルクレームで急反落。ドル売りムード再燃か

海外時間の為替概況

26日(木)の外国為替市場でドル円は下落。@米FRB(連邦準備理事会)による無制限量的緩和期待を受けたドル売りの流れ(パウエルFRB議長は「FRBはまだ行動する余地がある」「弾薬がなくなることは無い」と発言)や、A米主要株価指数の上昇を受けた資産現金化の流れの後退(ドル高圧力の後退)、B米・新規失業保険申請件数(結果328.3万件、予想100万件)の大幅悪化、C年初来高値112.21を超えられなかったことに伴う見切り売り、D小池都知事による外出自粛発言を受けた本邦における新型コロナウィルス懸念の再燃(先行き不透明感の高まり)が重石となり、米国時間には、約1週間ぶり安値となる109.21まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、109.44近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は急上昇。@米FRB(連邦準備理事会)による無制限量的緩和期待に端を発したドル売りの流れ(量的緩和拡大→米債利回り低下→ドル売り→ユーロドル上昇)や、AパウエルFRB議長による「FRBはまだ行動する余地がある」「弾薬がなくなることは無い」との発言、B米・新規失業保険申請件数(結果328.3万件、予想100万件)の大幅悪化、CECB(欧州中央銀行)によるOMT(国債買取プログラム・Outright Monetary Transactions)発動を巡る期待感、D心理的節目1.10突破に伴うロスカットの発動(ショートカバー)が支援材料となり、米国時間引けにかけては、3/17以来、約7営業日ぶり高値となる1.1057まで急伸する展開となりました。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、資産現金化需要に伴うドル高や、米大型経済対策期待を背景としたリスク選好ムードが支援材料となり、3/24は一時111.72まで反発しました。僅か1ヶ月で「10円下がって・10円戻す」といった壮大な「往って来い」が繰り広げられております。もっとも、足元では再び109円台前半まで反落するなど、上値の重さも確認されます。年初来高値112.21をバックにした戻り売り圧力は根強く、昨日は一目均衡表雲下限割れも実現しました。テクニカル的に見て「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となっております(ロング勢のロスカットに注意)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(新規失業保険申請件数の大幅悪化)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残存している状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。米株上昇に伴う資産現金化需要の後退(ドル売り要因)や、米FRBによる量的緩和政策の拡大(ドル売り要因)、米経済指標の悪化(ドル売り要因)が重石になると見られ、本日は、米株・米長期金利・原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果、本邦における外出自粛に絡む続報を睨みながらも、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(通貨オプション市場ではリスクリバーサルが円コール方向に拡大するなど、円高リスクを織り込む動きが足元で再び広がりを見せはじめました)。

本日の予想レンジ:108.50ー110.50

ドル円日足

ドル円日足

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