ドル円、材料出尽くしに伴うsell the factに要注意(3/26朝)

25日(水)の外国為替市場でドル円は続伸。

ドル円、材料出尽くしに伴うsell the factに要注意(3/26朝)

ドル円、材料出尽くしに伴うsell the factに要注意

海外時間の為替概況

25日(水)の外国為替市場でドル円は続伸。@米FRB(連邦準備理事会)による無制限量的緩和発表を受けたリスクオンの流れ(量的緩和拡大→米主要株価指数上昇→リスクオンのクロス円上昇→ドル円連れ高)や、A米与野党が2兆ドル規模の大型経済対策に合意したことに伴う投資家心理の改善(大型景気対策合意→米主要株価指数上昇→リスクオンのクロス円買い→ドル円連れ高)、B米・2月耐久財受注(結果1.2%、予想▲0.8%)の良好な結果が支援材料となり、米国時間には一時111.68まで上昇しました。しかし、前日高値111.72を前に伸び悩むと、材料出尽くし(米経済対策合意)に伴うsell the fact(利食い売り)が活発化し、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、111.19近辺まで押し戻される展開となっております(年初来高値112.21をバックに上値の重い展開)。

昨日のユーロドル相場は大きく上昇。@米FRB(連邦準備理事会)による無制限量的緩和発表を受けたドル売りの流れ(量的緩和拡大→米債利回り低下→ドル売り→ユーロドル上昇)や、A米与野党が2兆ドル規模の大型経済対策に合意したことに伴う投資家心理の改善(大型景気対策→米主要株価指数上昇→リスクオンのクロス円買い→ユーロドル連れ高)、BECB(欧州中央銀行)が必要に応じてOMT(国債買取プログラム・Outright Monetary Transactions)を発動することに広範な支持が得られたとの一部報道が支援材料となり、米国時間には、約一週間ぶり高値となる1.0890まで上値を伸ばしました(前日高値1.0889を1ポイント更新)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.0879近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、資産現金化需要に伴うドル高や、米大型経済対策期待を背景としたリスク選好ムードが支援材料となり、昨日は一時111.68まで反発しました。僅か1ヶ月で「10円下がって・10円戻す」といった壮大な「往って来い」が繰り広げられております。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線、一目均衡表雲下限及び雲上限を突破した他、強い売りシグナルを表す三役逆転も終了するなど、テクニカル的に見て「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となりつつあります。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残存している状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にみて「上昇圧力」が強まっているものの、ファンダメンタルズ的な弱さを考慮すれば、「反落リスク」が警戒されます。資産現金化需要や、米大型景気対策合意を背景に底堅い動きが続いていますが、ここから先は、一巡後の反落に備える必要性がありそうです(材料出尽くしに伴うsell the fact)。米株・米長期金利及び原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果(特に日本時間21:30に発表される新規失業保険申請件数に注目)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(2/20に記録した10ヶ月ぶり高値112.21をバックに戻り売りが強まる展開を予想。この4日間、111.50ー70ゾーンで伸び悩む動きが続いている為、要注意)。

本日の予想レンジ:109.75ー112.00

ドル円、材料出尽くしに伴うsell the factに要注意

ドル円日足

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