<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、終わってみれば「行って来い」。一時ドル安・円高が優勢となるも続かず、その後はドル買い戻しが優勢だった。
ドル/円は111.20円前後で寄り付いたのち、ドル売り優勢でスタート。日中安値である110.75円レベルまでドルは弱含みとなった。日経平均株価が前日比1400円を超える大幅高で取引を終えるなか、為替市場はそれより3月期末を前にしたゴトー日など幾つかの需給要因が取り沙汰されていた。
ドルは日中安値をつけたのち、買い戻される展開になり、111円半ばまで急反発。16時時点ではやや小緩んだ111.25-30円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「東京五輪開催をめぐる動き」と「新型コロナウイルスを受けた米国の動き」について。
前者は、昨晩実施された安倍首相とIOCのバッハ会長の電話会談で「1年間延期」がほぼ合意されるなか、両氏の会談を踏まえて実施されたIOC臨時委員会で正式に延期が決定している。また、決定を受けて先日から始まった国内聖火リレーが早速中止となるなどの措置が取られたほか、安倍首相はトランプ米大統領と電話会談を行い、オリンピック延期の説明を行っていたようだ。
対して後者は、WHO報道官が爆発的な感染拡大を懸念し、「米国が新型コロナの新たな震源地になる可能性がある」と発言したことが物議を醸す反面、トランプ氏からは経済の停滞を懸念し、「4月12日の復活祭までに経済活動を正常化させたい」とのコメントが聞かれていた。ただ、後者についてはカリフォルニア州知事から「復活祭に正常化との考えは時期尚早」といった声が聞かれるなど反発も根強い。なお、そうしたなか「米ホワイトハウスと野党民主党が景気対策で最終合意した」との報道が伝えられ、株高、ドル買い戻しの要因に。
<< 欧米市場の見通し >>
当初は「意見を集約し4週間以内に結論」などとされていたIOCの東京オリンピックの開催有無問題だが、結局はわずか1日のスピード決着。そして株式市場などは結果を好感しての大幅高となっている。ともかく、このあとの欧米時間も株高傾向はいましばらく続く公算が大きいと予想されるが、問題はそれが為替市場にどういった影響を与えるか。かつて見られた「株安=円高(ドル安)」ではなく、ここ最近は「株高=ドル安」といった構図になっていたが、果たして後者の「株高=ドル安」傾向が続くのかにまず注目だ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題で、欧米を中心とした感染拡大状況ならびに、金融政策を含めた各国のさらなる財政対応などに要注意。またここのところは、G20財務相やG7財務相といった重要な国際テレビ会議が連日開催されており、本日も同様の動きには注意を払いたい。ちなみに、明日26日はG20首脳会議が実施される見込みで、会議はG20と言いながら世銀やWHOなども参加する予定だという。
テクニカル面からすると、時間足などやや短めのチャートを見た限り、引き続き一定のサイクルを持ち上下動を繰り返している。また、下値が少しずつ切り上がると同時に上値も少しずつ切り上がっている。それからすると、本日の欧米時間のどこかでドルは112円に接近する展開をたどっても不思議はない。対するドルのサポートは、まず東京安値の110.75円レベルか。
本日は2月の耐久財受注速報など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による5年債入札などが予定されている。
ちなみに、昨日を含めここ数日発表される米経済指標は総じて良好で。ドルにとっては支援要因だ。ただ、明日発表される週間ベースの新規失業保険申請件数はかなりの悪化を示すとの予想も聞かれ、油断は禁物だろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.60-112.00円。ドル高・円安方向は、昨日示現した高値の111.71円台が最初の抵抗。上段で少し触れたが、ここ数日、ドルは連日10ポイント程度上値を広げており、それからすると111.80-85円までの上昇は想定内とも言えそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる110.75円をめぐる攻防を注視。また、割り込んでも下方向にサポートは多く、底堅そう。大崩れは予想しにくい。
ドル円15分足
オーダー/ポジション状況
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