ドル円、FRBによる量的緩和拡大のサプライズを受けて乱高下(3/24朝)

23日(月)の外国為替市場でドル円は乱高下(下落後に急反発)。

ドル円、FRBによる量的緩和拡大のサプライズを受けて乱高下(3/24朝)

ドル円、FRBによる量的緩和拡大のサプライズを受けて乱高下

海外時間の為替概況

23日(月)の外国為替市場でドル円は乱高下(下落後に急反発)。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(リスクアセット売却→資産現金化需要に伴うドル買い)や、A米FRB(連邦準備理事会)による「米国債や住宅ローン担保証券の買い入れ量を無制限とする量的緩和策」のサプライズ発表(量的緩和拡大→米主要株価指数上昇→リスクオンのクロス円上昇→ドル円連れ高の流れ)が支援材料となり、米国時間には一時111.58まで急伸しました(アジア時間に記録した日通し安値109.67から約2円の反発)。しかし、2/20に記録した年初来高値112.21をバックに戻り売りが強まると、B上記Aを受けても尚、米主要株価指数が上昇後に反落に転じたことや、C東京オリンピックの延期観測の高まり、D米上院での2度目の否決(大規模景気対策の実現性に対する不確実性→失望売り)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、111.30近辺で推移しております。

昨日のユーロドル相場は上昇後に急反落。@米FRB(連邦準備理事会)による「米国債や住宅ローン担保証券の買い入れ量を無制限とする量的緩和策」のサプライズ発表(量的緩和拡大→ドル売り→ユーロドル上昇の流れ)や、Aユーロ圏・3月消費者信頼感指数(結果▲11.6、予想▲13.0)の予想比上振れが支援材料となり、米国時間には一時1.0827まで急伸しました。しかし、B上記@を受けても尚、米主要株価指数が下落に転じた失望感や、C新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(リスクアセット売却→資産現金化需要に伴うドル買いの流れ)が再燃すると、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.0737近辺まで押し戻される展開となっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。しかし、米財政赤字拡大懸念を背景に米長期金利が上昇に転じると、資産現金化需要に伴うドル買いも重なり、昨日は一時111.58まで急反発。僅か2週間で10円超も上昇する歴史的大相場が繰り広げられております。この間、一目均衡表転換線及び基準線、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線、一目均衡表雲下限及び上限を突破した他、強い売りシグナルを表す三役逆転も終了するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決めた米国)、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残存している状態です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にみて「上昇圧力(ロスカット主導)」が強まっているものの、ファンダメンタルズ的な弱さを考慮すれば、「一巡後の反落」が常に警戒される状況です。米財政赤字拡大懸念やリスク回避の資産現金化需要を背景にドル全面高の流れが続いていますが、ここから先は、「リスク回避のドル高→クロス円下落→ドル円下落」といった時間差での「ドル売り・円買い」に注意が必要でしょう。米株・米長期金利及び原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をバックに戻り売りが強まる展開を想定。特に本日発表される欧州・英国・米国のPMI速報値が冴えない結果となれば、ドル円・クロス円に下押し圧力が加わる恐れあり)。

本日の予想レンジ:109.50ー112.50

ドル円、FRBによる量的緩和拡大のサプライズを受けて乱高下

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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