ポンドや豪ドルの変動にも一応要注意(3/20夕)

20日の東京市場は、ドル高・円安。

ポンドや豪ドルの変動にも一応要注意(3/20夕)

<< 東京市場の動き >>

20日の東京市場は、ドル高・円安。ザラ場ベースでは一時戻り高値を更新する局面も観測されたが、終わってみればドルは日中を通した安値圏だった。

ドル/円は110.65-70円で寄り付いたのち、前日からの勢いもありドル買い・円買いが優勢。一時111.35-40円まで上昇し、直近の戻り高値を更新している。東京休場の薄商いのなか、日米株価の先物取引をにらみつつも、3月末を控えたドル資金調達の動きなど需給要因が取り沙汰されていた。
しかし、高値を付けると流れが一変。早朝寄り付きレベルもアッサリ下回っただけでなく、110円を割り込み109.75-80円まで1円を超える急落に。16時時点では小戻した109.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、昨日などに比べれば多少落ち着いた感もあったが、ポンド/円や豪ドル/円はアジア時間だけで2円を超える変動を記録。まだまだ値動きは荒っぽい。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルスの感染状況」と「ウイルス問題に端を発した米中の小競り合い」について。
前者は、中国の李首相が自国における感染が落ち着いてきたと指摘したうえで、「通常の勤務や生活に戻るべき」と発言したと報じられるなか、「イタリアの死者は3405人、中国抜き世界最多に」、「英国との離脱交渉を担当するバルニエEU主席交渉官が感染」などといったように欧州では依然として新型コロナウイルスが猛威をふるう。また、米国も、渡航情報を最高のレベル4に引き上げたうえで、「すべての海外渡航中止を勧告」していた。
対して後者は、中国が「新型コロナ起源問題」などをめぐり米国とやりあうなか、トランプ米大統領が会見で、「数ヵ月前、中国で発生したときに国内で封じ込めることができた。いま、世界はその代償を払っている」と発言。さらにトランプ氏が「中国による『武漢の新規感染ゼロ』発表に懐疑的な見方を示した」との報道などが、新たな対立を生む可能性として取り沙汰されていた感も否めない。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のNYダウ現物、そして本日アジア時間のNYダウ先物をみると、少しずつではあるが相場が落ち着きを取り戻しつつあるようにも見受けられる。ただ、先でも指摘したように新型コロナウイルスはいまだ欧米で猛威をふるっており、それを受けて「海外渡航中止」や「国境封鎖」といった措置も相次ぐ。油断は禁物かもしれない。また、ドル/円の動きもさることながら、ここ数日はポンドや豪ドル絡みの通貨ペアが激しい値動きをたどることが多く、本日も要注意と言えそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は少なくない。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。欧米を中心とした感染拡大状況ならびに、「国境封鎖」や「入国制限」といった施策、あるいは金融政策を含めた各国のさらなる対応などに注意を払いたい。また、米中に代表されるように、新型コロナをキッカケに対立関係が鮮明化、そこここでギスギスしている世界情勢も気掛かりだ。

テクニカル分析のひとつ、フィボナッチの観点からすると、年初来高値112.22円を起点とした下げ幅の76.4%戻しにあたる109.60-65円も大きく上抜け、ターゲットは100%戻ししか残されていない。そうしたなか、本日アジア時間にドルは一時111.35-40円まで値を上げている。
ただ、ドルは101.19円を示現する過程の下げ足も速かったが、その後の戻りも急激だ。しばらくは上値の重い展開をたどる、といった指摘も聞かれていた。

本日は、2月の中古住宅販売件数という米経済指標が発表される予定となっている。
それを除くと決まり物としての材料はやや乏しいが、ここ最近は連日、各国要人による電話やテレビ会談が観測されており、本日も一応要注意。また、米財務長官が23日までの議会通過を考えている「大型の景気刺激策」をめぐる動きなども注視しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-110.70円。ドル高・円安方向は、110円レベルの攻防にまず注視。上抜ければ、本日アジア高値の111.35-40円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、移動平均の90日線が位置する108.90-95円が最初の下値メド。ただ、割り込んでも108円前半には同25日線や200日線が位置しており、それらレベルでは下げ止まりそうだ。(了)

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ドル円15分足

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