ドルの戻り歩調続くか、110円を意識も(3/19夕)

今月初めての109円台、109円半ばまで一時上昇する局面も観測された。

ドルの戻り歩調続くか、110円を意識も(3/19夕)

ドルの戻り歩調続くか、110円を意識も

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場は、ドルが小じっかり。今月初めての109円台、109円半ばまで一時上昇する局面も観測された。

ドル/円は寄り付いた108.00-05円を日中安値に、昼ごろまではドル高傾向。日中高値である109.55円レベルまでドル高が進行している。しかし、買い疲れ感が漂うなか、時間外取引のNYダウ先物が900ドル以上下落したことなどが嫌気されると、そのまま1円以上も下落。結局、16時時点では、108.60-65円で推移し、欧米時間を迎えていた。
なお、為替市場はドル/円以外でも全般に荒い値動きとなったが、なかでもオセアニア通貨の動きが激しい。とくに豪ドル/円は日中高値から一時3円以上下落したのち、ほぼ全額取り戻すという「行って来い」の乱高下をたどっていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「各国の経済・金融対策ならびに発言」と「韓国金融市場」について。
前者は、感染拡大が依然として著しい欧州を中心に、積極的な対応が目につく。幾つか例を挙げても、オーストリアが追加の景気対策を打ち出したほか、ECBはパンデミック対応資産購入プログラム発表。またフランスや英国も、今後策を講じる可能性を示している。なお、別に米国や日本などでも同様の対応が見られ、うち日本については産経新聞が「4月にも策定する緊急経済対策は、事業規模約26兆円だった昨年末の経済対策を大幅に上回る30兆円超の規模とするよう調整」などと報じ、一部で思惑を呼んでいた。
対して後者は、まず通貨である韓国ウォンが下げ止まらず。本日ドル/ウォンは大きく上昇し、10年ぶりとなる一時1290ウォン台を一時示現している。ちなみに、そうしたなか市場の一部からは通貨当局によるウォン買い介入の噂も指摘されていたが、大きな効果はうかがえていない。また、韓国株も一時急落し、13日に続く「サーキットブレーカー」発動も観測された。

<< 欧米市場の見通し >>

米国を中心に、株価についてはもはや「何でもあり」で驚きには値しない。NYダウでいえば1000ドル程度の乱高下が常態化しているほか、サーキットブレーカーの発動もそれほど珍しいことではなくなっている。まだまだ、そんなNYダウなどの動きに一喜一憂する展開が続きそうだ。なお、先日も一度レポートしたが、NYダウは「上昇の翌日は下落、下落の翌日は上昇」というパターンをたどることが極めて多い。それからすると、本日は上昇が見込まれることになるのだか、果たして如何に?

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は山積みだ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。とくにここ最近は、感染拡大の続く欧米諸国を中心とした「国境封鎖」や「入国制限」などの施策、あるいは金融政策、各国の財政対応が相次ぎ発表されており、本日も注目だ。また、日本にとっては「開催延期論」が声高になってきた感のある、今夏開催予定の東京オリンピックをめぐる動き、要人発言なども気に掛かる。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日東京終了時点で上値107.85-108.00円となりわずかに空けていたギャップをしっかりと埋めたのち、今度は同レベルをサポートにジャンプアップしてきた。年初来高値112.22円を起点としたフィボナッチからすると、次のターゲットは下げ幅の76.4%戻しにあたる109.60-65円か。仮に、そのレベルも越えれば110円台回復がいよいよ現実味を帯びてくる。

本日、10-12月期の経常収支や3月のフィラデルフィア連銀景況指数といった米経済指標が発表される予定となっている。影響は原則として限られるとの見方が有力だが、後者は最新3月分のデータであり「新型コロナや株安混乱を受けた悪化が顕在化していれば、ドル売りで反応する」との声も聞かれた。一応要注意だろう。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-110.00円。ドル高・円安方向は、フィボナッチの上値メドも近い、本日東京高値109.55円レベルの攻防にまずは注視。上抜ければ110円レベルをターゲットにしたドル続伸も。
対するドル安・円高方向は、足もとザラ場ベースながら上回って推移している移動平均の25日線や200日線が位置する108円前半が最初の下値メドに。割り込んでも108円や107円後半などにサポートが散見され底堅いイメージだ。

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ドル円日足

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