<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、ドルが冴えない。前日112.20円台まで上昇する局面も見られたが、東京では一時112円割れも観測されていた。
ドルの続伸は止まらず、対円では日付の変わる時間帯に高値112.22円まで上昇、その後はやや上げ渋りの様相。本日東京も112.05円レベルで寄り付いたのち、細かな上下動を入れつつ、ジワリと下値を切り下げる展開に。日経平均が終値ベースで92円安となったように、日米株価がともに弱含んだことなどが嫌気されていた。
とは言え、ドル下値では年金資金と思しき会の噂や、買い遅れ筋のビッドも厚く、安値は111.90円レベルまで。大崩れすることはないまま、結局16時時点では111.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルス」について。
ここ数日、これまでとは逆にWHOが中国に対して、若干厳しい論調。たとえば昨日も、「中国本土で新型コロナウイルスの新たな感染の伸び鈍化は心強い」としつつ、「状況が継続されるかどうかの判断は時期尚早」と指摘していた。とは言え、実際に中国本土におけるウイルス感染者数の増加ペースが落ち込んでいることは確かだ。そうしたなか、日本もさることながら韓国における感染者数の激増が話題に。それを嫌気し、為替市場では韓国ウォンが対ドルで昨年9月以来のレベルまで一時落ち込んでいた。
なお、番外編的な要因として、新型ウイルスをめぐる米紙WSJの報道が発端となり、米中のバトルに発展しつつあることが気掛かり。中国外務省がWSJ紙記者を事実上の「国外退去処分」としたことに、米国務省が「言論統制」などと反発。すると、今度は中国サイドがそれに再反論するという一歩も引かない構えをうかがわせていた。先行きが要注意。
<< 欧米市場の見通し >>
中国本土の感染者数が落ち着いてきたなか、今度は韓国の患者激増が話題となっている。そのため、昨日まで世界中のメディアで俎上にのぼっていた日本への関心は幾分なりとも和らいだ感がある。ただ、本日も「北海道で10歳未満の感染を初確認」とのニュースが伝えられるなど、まだまだ予断を許さないだろう。ドル/円については、今週だけで2.5円、今月初めから4円ほどの上昇をたどっており、短期的な調整も否定はできないが、ドル高・円安傾向そのものはまだしばらく続く可能性がある。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は目白押しだ。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。また、本日ではなく明日以降、週末の話になるが、サウジアラビアで行われるG20財務相・中銀総裁会議や、ネバダ州で実施される米民主党党員集会などにも注意を払いたい。おりしも、来週月曜日は東京が休場となるだけに、波乱の寄り付きそして荒れ模様の相場展開にも注意が必要か。
テクニカルに見た場合、ドル高は止まることなく、昨日欧米時間にはついに112円台へ。昨年高値112.40円に迫る112.22円までドル高が進行していた。先でも指摘したように、上昇スピードの速さは気になるものの、リスクは間違いなくドル高方向。
ちなみに、昨年高値112.40円レベルは強い抵抗とみられているが、仮に上抜けると次の抵抗は113.20円レベル。これは2016年12月高値を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる。そのレベルも越えると、いよいよ115円が視界内に。
本日は、2月の総合PMI速報や1月の中古住宅販売件数といった米経済指標が発表される予定となっている。昨日発表された「フィラデルフィア連銀製造業景気指数 」なども良好な内容で、米ファンダメンタルズの強さがドル買いを後押ししているだけに、本日発表指標に対する市場の期待感も引き続き高いようだ。また、米連銀総裁の講演をはじめとする欧米要人の発言機会も多く、そちらにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.30円。ドル高・円安方向は、昨日記録した高値112.22円、そして112.40円などが抵抗に。超えれば113円台、113.20円がターゲットとなりそうだ。
対するドル安・円高方向は、ごく目先でいえば111.60-70円に弱いサポートあり。ただ割り込んでも、下値は堅いイメージで、111円台前半に幾つか観測されるテクニカルサポートでは下げ止まる公算が大きい。
ドル円月足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.14
来週の為替相場見通し:『ドル円は153円台半ばへ急伸。来週は日米金融政策イベントに注目』(12/14朝)
ドル円は12/3に記録した約2カ月ぶり安値148.64(10/11以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週末にかけて、一時153.69(11/26以来の高値圏)まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.13
東京市場のドルは一時153円台まで上昇、12月利上げ見送りムードがやや強まる(24/12/13)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、12月の全国企業短期経済観測調査(短観)の結果後、12月利上げ見送りムードがやや強まり、153円台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.12.13
ドル円 ドル続伸期待するも、上値は重く上げ渋りか(12/13夕)
東京市場はドルが底堅く推移。しかし上値は重く、153円台にしっかり乗せることは出来ていない。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2020.02.22
来週の為替相場見通し:『ドル円一時112円台へ急伸も上値は重い。反落リスクに要警戒』(2/22朝)
ドル円は、2/3に記録した安値108.32をボトムに反発に転じると、今週後半(2/20)にかけて、約10ヶ月ぶり高値112.21まで急伸しました。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。