<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、「行って来い」。20ポイント強という小幅な値動きながら、ドルはじり安後に買い戻されるという展開をたどった。
ドル/円は109.85-90円で寄り付いたのち、109.65円レベルまでじり安推移。日経平均が大引けベースで300円以上下落するなど日米ともに株安が進行したほか、豪ドル/円の下落に連れた面もあり、ドル/円も一時値を下げている。
しかし、日中安値を示現後は逆にドルはじり高。夕方には109.80円レベルと、寄り付きに近い水準まで回復、16時時点では109.75-80円で推移し、欧米時間を迎えた。
材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルス」と「WSJ報道」について。
前者は、中国サイドの話として、李首相が「国内での新型コロナウイルスの感染拡大抑制が改善傾向を示している」と述べたと報じられるなど、昨日に続きやや楽観的なコメントが目立つなか、産経新聞は黒田日銀総裁がインタビューに応じ「新型ウイルスの拡大が国内経済にとって一番大きな不確実性」と指摘したと報じていた。中国だけでなく世界経済や政治的要因への影響という意味では、まだまだ紆余曲折があることは否定出来ない。なお、中国当局の発表で、新型ウイルスへの感染者数は中国本土だけで7万2436人、死者数は1868人になったという。
それに対して後者は、米紙WSJが報じた米中に関する2つの報道が思惑を呼ぶ。ひとつは、「米国が中国への航空機用エンジン供給禁止を検討」で、もうひとつは「米国、中国による米国産半導体チップ製造設備利用を制限することを検討」−−との内容。こうした複数の措置について、米中間の貿易紛争をエスカレートさせるおそれも一部で懸念された。
<< 欧米市場の見通し >>
新型コロナウイルス絡みの報道が依然として市場を席巻しているが、その影響を含めた景気問題については日本の状況がより懸念されている感も否めない。実際、昨日発表された昨年第4四半期GDPは大きな落ち込みを記録しただけでなく、以降も先の日銀総裁発言に加え西村経財相「消費落ち込みは一時的か構造的か見極めたい」、麻生財務相「経済環境きめ細かく分析し、財政運営に万全期す」−−といったコメントが発せられている。しばらくは、日中を中心に欧米についても、実体経済への影響を見極める動きになる、との指摘が少なくなかった。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など気掛かりな要因は引き続き目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは依然として「新型コロナウイルス」絡みの話題で、関連する要因として発表される米経済指標にも注意を払いたい。とくに、NY連銀製造業景況指数は、足もと2月分のデータとなるだけに、如何なる数値となるのか注視している向きも多いようだ。ちなみに、事前予想値は前月比改善のプラス5.0だが、果たして!?
テクニカルに見た場合、昨日はNYなどが休場となったこともあり、小動き。したがって、依然として109.53-110.14円という61ポイントレンジのなかにとどまっている。目先は、どのタイミングで、どちらの方向に抜けていくのか、その方向性に要注意。
仮に抜けた場合の次のテクニカルポイントは、上方向なら110.30円で、下方向は109.20-25円か。ただ、保ち合いの長期化からレンジを抜けたら、それらレベルでは止まらないとの指摘も聞かれる。
一方、材料的に見た場合、2月のNY連銀製造業景況指数や同NAHB住宅市場指数といった米経済指標が発表される予定となっている。過去1-2週間は良好な指標発表が多かっただけに、市場の期待感も高く、好数字であればドル買いの支援要因となる可能性も。
また欧州に関しても、1月の英雇用統計や2月の独ZEW景況感指数といった重要な経済指標が発表される見込みだ。ユーロ/ドルが2017年4月以来という安値圏で推移していることから、欧州関係のニュースにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.10円。ドル高・円安方向は、昨日高値である109.96円が最初の抵抗。超えれば、直近高値の110.14円や年初来高値110.30円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、足もとのレンジ下限である109.53円の攻防をまずは注目。割り込むようだと、移動平均の75日線などが位置する109.20-25円などが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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