先週は今年一番の小動き、レンジ脱却なるか(20/2/17)

先週のドル/円は、ドルが強保ち合い。一時110.14円まで続伸し、直近の戻り高値を更新する局面も観測されていた。

先週は今年一番の小動き、レンジ脱却なるか(20/2/17)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドルが強保ち合い。一時110.14円まで続伸し、直近の戻り高値を更新する局面も観測されていた。

引き続き週末は新型コロナウイルス絡みの話題が多い。たとえば、米中首脳が電話会談を行い、そのなかで習国家主席はトランプ氏に「厳格な措置を取っており、次第に効果が出ている」と述べ、新型ウイルス対応に自信を示していたほか、「中国サイドは新型ウイルスの影響により、『第1段階合意』に基づく米国産品の輸入が遅れる可能性に言及した」という。
そうしたなかオープンしたドル/円は109.65-70円と、前週末のNYクローズと比べ若干の安寄り。しかし、下値は堅く週間を通して109円半ばは一度も割れず。ただドルの上値も重く、110.14円まで続伸し直近高値を更新したものの、一週間を通した値幅はわずか57銭。今年一番の小動きだった。週末NYは109.75-80円レベルで取引を終え、越週している。
なお、小動きだったドル/円と対照的にユーロやNZドルなどはなかなかの変動をみせた。とくにユーロは対ドルで週末に1.0827ドルまで一時下落。これは2017年4月以来の安値だった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「新型コロナウイルス」について。
一部メディアなどが感染被害の縮小を取り沙汰するなか、13日、中国湖北省政府が「これまで含めていなかった臨床診断に基づく患者数を加えた」という基準変更をしたとはいえ、感染者数として前日よりも1.5万人以上多い数字を公表、市場の楽観論に冷や水を浴びせる結果に。なお、そうしたなか、WHOが11-12日に新型ウイルスに関する研究会合を開催、今回の疾病を「COVID−19」に正式命名したと発表している。
また、それとは別に先の米中首脳会談でも話題になったように、経済への影響や政治的停滞なども色々と話題に。たとえば、日経新聞は大和総研による予測をもとに「流行長期化なら2020年の日本経済はマイナス成長」と報じていたほか、ECBのレーン・チーフエコノミストからは「短期的には新型ウイルスで極めて深刻な打撃を被る」との発言が観測されていた。そうした状況を憂慮し、G20は22-23日に実施される財務相・中銀総裁会議で「新型ウイルスを主要議題にする」ことを決定したという。

<< 今週の見通し >>

前述したように、「基準変更」という理由があるにせよ、新型コロナウイルスの患者が急増したことに加え、中国をはじめとする経済への影響や政治的停滞なども続々明らかになってきた。市場で台頭していた楽観論は完全に後退した感を否めず、今週もドルの上値を抑制する一因となりそうだ。しかし、一方でドルを積極的に売り込むだけの要因にも欠ける。とくに新型ウイルスの話は、日本における患者数が中国に次いで2番目に多いということ、海外渡航歴のない人間、国内感染が広がりつつあることが嫌気されている面も一部で指摘されていた。上下とも積極的に攻めにくい状況がいましばらく続く可能性もありそうだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型ウイルス」、「米大統領選」など注意すべき要因は目白押し。そうしたなか、引き続きもっとも注意を要するものは「新型コロナウイルス」に絡むニュース。前述したように、今週末に開催されるG20財務相・中銀総裁会議では「新型ウイルスを主要議題にする」とされ、どういった議論がなされるのかに注意を払いたい。また、今週は数多くの米経済指標が発表されるうえ、地区連銀総裁ら当局者の講演など発言機会も目白押し。広義の米ファンダメンタルズ要因も気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、先週は一時110.14円までドルが上昇するも、結局は回帰。109.50-110.00円という従来のレンジを、上方向に15ポイントほど広げただけにとどまった。それもあり、週間を通した値動きも先週はわずか57銭に終わっている。
今週はまず、足もとの形成レンジをどちらに抜けていくのかその方向性に注目。ドル高方向であれば、年初来高値110.30円や110円半ばがターゲットとなる反面、レンジを下抜けした場合には109円前半や、移動平均の200日線も位置する108円半ばが意識されそうだ。

今週は2月のNY連銀製造業景況指数や同フィラデルフィア連銀景況指数といった複数の米経済指標が発表される予定となっている。先々週に発表された雇用統計などに続き、先週末に発表された「ミシガン大〜」もかなりの好数字となっていただけに、今週もそれらに続くものになるとの期待感も少なくないようだ。場合によっては、ドルの強力な下支え要因となる可能性もある。
また、米通貨当局者の発言機会も相次ぐほか、米大統領選・民主党候補の指名争いをかけた第3戦、西部ネバダ州党員集会などを注視している声も聞かれていた。

そんな今週のドル/円予想レンジは、108.80-110.50円。ドル高・円安については、先週記録したドルの戻り高値110.14円の攻防にまずは注目。抜ければ年初来高値の110.30円、そして昨年高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しに当たる110.50-55円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、過去1週間程度のレンジ下限である109円半ばが最初の下値メド。下回ると109.10-20円や、108円半ばが意識されそうだ。

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