パウエルFRB議長下院議会証言要旨(2020年2月11日開催)

昨日、パウエルFRBが半期金融政策に関しての下院の議会証言が行われました。

パウエルFRB議長下院議会証言要旨(2020年2月11日開催)

パウエルFRB議長下院議会証言要旨

昨日、パウエルFRBが半期金融政策に関しての下院の議会証言が行われました。下記はその要旨の一部分です。尚、本日も上院での議会証言が予定されています。

「証言要旨」
(現状の経済や見通し)
経済拡大は11年目を迎え、史上最長となっています。昨年の下半期は、経済活動が緩やかなペースで拡大し、夏に強まった世界的逆風を跳ね返し労働市場は一段と強くなりました。
インフレは低く安定していてFOMCの目標値である2%を下回っています。

雇用は下半期に月平均20万人の増加がありました。そして1月には22万5000人増になりました。先月の失業率は3.6%であり、1年以上にわたり過去50年間の最低水準となっています。低中所得層の人々は新たな雇用機会を探しています。賃金はとりわけ低賃金労働の賃金が上がっている。

GDPは下半期に緩やかなペースで拡大しました。消費の拡大は年初の強い状況から年末にかけては緩やかな伸びとなりました。しかし、家計支出を支える各種のファンダメンタルは引き続き底堅い状況です。下半期は、住宅投資は増加しましたが企業投資と輸出は弱い状況でした。これは海外の低成長と貿易に影響されたものです。2月の金融政策レポートでは、最近の製造業の弱さを議論がなされた。貿易を取り巻く幾つかの不確実性は最近減少していますが、見通しのリスクは残っています。とりわけ、我々はコロナウィルスの出現に関し注視しています。

インフレは2019年通してFOMC目標値の2%を下回りました。個人消費の物価指数に基づく全体的インフレは1.6%でした。変動の大きい食品やエネルギー価格を除いたコアインフレもまた1.6%でした。今後数か月間で、インフレが2%に近づくと我々は予想しています。
(労働参加率などの記述は一部略)

(金融政策)
2019年の下半期にFOMCは緩和的なスタンスに変わりました。世界の弱い成長と貿易の進展からインフレを目標値である2%に早期に近づけるためです。
我々は7月、9月、10月の各会議でFFレートの目標値を引き下げました。目標レンジは1.50〜1.75%です。その後に続いた会議では委員会は金利を据え置きました。
FOMCは現行の金融政策が持続的な経済成長、強い労働市場、そしてインフレを目標値の2%に近づけることを下支えすると信じています。経済が先々の見通しと一致してる限りは、現行のスタンスがおそらく適切であろうと思います。勿論、政策は予め設定されたものではなく、もし我々の見通しに再評価を引き起こすようなことが起きれば、それに従って対応します。
(状況変化が起きた場合の財政政策出動に関する記述は略)

昨年10月、FOMCは短期国債とレポ市場での債券購入計画を発表しました。これらは銀行に十分な準備金を提供し、FFレートを管理することで効果的でありました。債券購入が十分な状態を維持するための水準に向け、準備金の積み増しを継続することで、我々は活発なレポ取引から徐々に離れる予定です。また、準備金が十分な水準になれば、バランスシートに対応して購入ペースを緩める予定です。(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(上記出所:FRB HP)

昨日の議会証言後のCMEのFEDWatchを下記します。1月末のFOMC後には4月までの利上げ予想が完全になくなりましたが、今回も利上げ予想はゼロです。一方で、僅かながら、利下げ予想が増えています。最近までのISM製造業景況指数や雇用統計など、経済指標は改善傾向を続けており、議会証言内容も経済堅調と述べていますが、実勢金利が下がっているので、常に先行きの懸念内容(今回はコロナウィルス動向)に反応している様です。

パウエルFRB議長下院議会証言要旨

ドル円相場は先週金曜日の雇用統計前の見通しと全く変わらず、短期トレンドは108円20銭〜111円50銭のドル高トレンドで、このレンジ内では最初の抵抗線110円20銭〜25銭にも届かずにいます。もしこの抵抗線を抜ければ、110円50銭〜60銭が次のポイントで、ここから先は週足の抵抗線ゾーン110円60銭〜80銭に当たります。
下値は109円50銭〜60銭、109円00銭〜10銭のサポートは変わらず、後者抜ければ短期トレンドの108円20銭方向に流れ易くなりそうです。
(2020年2月12日 11:00、1ドル=109円88銭、1ユーロ=1.0918ドル)

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