<< 東京市場の動き >>
週明け10日の東京市場は、ドルが小高い。ただ、形成レンジそのものはわずか30ポイント程度、109円後半でのレンジ取引で明確な方向性は乏しかった。
引き続き週末は新型肺炎絡みの話題が多い。たとえば、米中首脳が電話会談を行い、そのなかで習国家主席はトランプ氏に「厳格な措置を取っており、次第に効果が出ている」と述べ、新型肺炎対応に自信を示していたという。
そうしたなかオープンしたドル/円は109.65-70円と、前週末のNYクローズと比べ若干の安寄り。そののち109.55円レベルへと小幅に続落したものの底堅く、反発に転じると日中高値の109.80-85円へ。日経平均株価は大引けベースで続落、142円安となったものの寄り付きからすると下げ幅を縮小させた格好で、むしろドルの買い要因に。16時時点では109.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、前述した米中首脳電話会談において、米国家経済会議(NEC)委員長が、「中国サイドは新型肺炎の影響により、『第1段階合意』に基づく米国産品の輸入が遅れる可能性に言及」したことを明らかにするなど、中国の政治や経済に対する悪影響もジワリと広がってきた。なお、当局の発表によると、中国本土の感染者はいよいよ4万人を突破しただけでなく、死者数は908人に達したという。
それに対する後者は、週末に日本の外務省が、北朝鮮船籍のタンカーが先月、東シナ海の公海上でいわゆる「瀬取り」を行った疑いがあるとして、国連安保理に通報したことを公表したものの、総じて落ち着いた商状。しかしタス通信は、在北朝鮮のマツェゴラ・ロシア大使が演説のなかで、「近日中に現在製造中の新しい戦略兵器の実験を行う」との見通しを示したとされ、物議を醸していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は目先109円半ばレベルがなかなか強いサポートになっているものの、上値も重い。110円をしっかり超えていくことが出来ていない状況だ。つまり、ザックリ109.50-110.00円といった非常に狭いレンジ取引で、次の方向性を探る展開となっている。抜けていくといすれば上方向という気もするが、ともかくまずは足もとのボックス圏をどちらに放れるのか、その方向性をしっかりと注視しておきたい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」、「米大統領選」など気掛かりな要因は依然として目白押し。そうしたなか、引き続きメインイシューとなるのは「新型肺炎」絡みの話題だが、かつてのような単なる感染の広がり云々ではなく、中国をはじめとする政治や経済への悪影響の方が注視されるようになってきた。日本がそうした被害をまったく影響を受けないなどと言うことはあり得ないものの、為替市場的にはリスク回避として円が買われる可能性も否定出来ない。
テクニカルに見た場合、ドルの下値は109円半ばレベルがかなり堅いが上値も重く110円台になかなか乗せることが出来ない。
ただ、しっかり超えれば年初来高値110.30円レベルや110円半ばなどがターゲットとなる反面、逆に底割れするようだと移動平均の75日線が位置する109.10-15円や109円前後などが意識されそうだ。
本日は、先週発表された米経済指標はこぞって好数字で、今週も米指標への関心は高いが残念ながら、本日これといった発表は予定されていない。しかし、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演が予定されており、そちらなどには注意を払いたい。今後の金融政策に対する考え方のほか、新型肺炎のダメージなどに如何なる見解を示すのか注目だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.30-110.20円。ドル高・円安方向は、引き続きしっかりと超えられない110円前後が最初の抵抗。超えれば、年初来高値110.30円などを目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線も近くに位置する109円半ばの攻防にまずは注目。ただ、割り込んでも底堅いイメージで、大きく崩れることは予想しにくいようだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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