FRB議長の発言注視、新型肺炎への言及も!?(週報2月第2週)

先週のドル/円は、一転してドル高・円安。定着まではできなかったが、一時110円台を回復し、年初来高値を視界内に捉えた動きも観測されていた。

FRB議長の発言注視、新型肺炎への言及も!?(週報2月第2週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、一転してドル高・円安。定着まではできなかったが、一時110円台を回復し、年初来高値を視界内に捉えた動きも観測されていた。

週末は依然として新型肺炎に関する報道が相次ぐ。たとえば、「中国における感染者数は1万人越え、死者は300人超」、「中国本土以外で初の死者発生」、「中国の民間シンクタンクが『GDP伸び率が大幅に落ち込む』との見通し発表」−−などになる。
そうしたなか寄り付いた週初のドル/円は、春節(旧正月)明けの中国株式市場の動きに対する警戒感などもあり冴えない。108.40円前後でオープンしたのち108.25-30円を示現したものの、結局同レベルが週間を通してのドル最安値となった。以降は、新型肺炎を警戒しつつ、発表された米経済指標がこぞって良好な内容となったこともあり、緩やかな右肩上がり。週末には先月22日以来の110円台を回復する局面も観測されていた。週末NYのクローズベースで110円台を維持することは出来なかったが、それでも109.75-80円のドル高値圏で大引けている。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「新型肺炎」と「英国情勢」について。
前者である「新型肺炎」に関する話は、前述したようにネガティブ材料も少なくなく、とくに感染者数は右肩上がり。8日段階では中国国内だけで3.7万人、死者も800人を超えたことが明らかになっている。ただ、「中国人民銀、連休明け初日の3日金融市場で1.2兆元を供給」、「中国証券監督管理委員会、証券会社に空売り禁止を口頭で指導」といった金融市場へのダメージ軽減を狙った中国サイドの動きが観測されたほか、タイ保健省が「新型肺炎はインフル・エイズ治療薬の投与で症状が改善した」と発表するなど特効薬への期待も市場のそこここで聞かれ、株価やドルの下支えに。

それに対して後者は、予定どおり1月31日をもち英国がEUを離脱。それにともないジョンソン英首相から「EU離脱は終わりでなく始まり」と希望を前面に出したコメントが聞かれていた。また、英国との貿易に関する話題も多く、そのなか欧州委が「英国にEU水準の規制を要求」の基本方針を公表する反面、英国サイドはジョンソン氏が「EUの規則を受け入れた自由貿易協定など要らない」とした発言があり、物議を醸していたもよう。なお、それらとは別に、英紙FTによる「トランプ米大統領がジョンソン氏との電話会談で、英国が次世代通信規格『5G』の通信網で中国ファーウェイ製品の使用を認める決定を下したことをめぐり激高した」との報道も一部で話題に。

<< 今週の見通し >>

前述したように、先週発表された米経済指標はこぞって良好な内容となり、為替市場においてはドル買い安心感を醸していた感がある。また、新型肺炎に関しては被害が依然として拡大しているものの、特効薬などについての期待もあり、それほど強いリスク要因とはなっていないようだ。市場のセンチメントとしてはドル高方向に引き続きバイアスがかかりそう。ただ、新型コロナウイルスによる世界経済への悪影響や、政治的イベントの中止や延期による停滞懸念などが徐々に顕在化。また、先週発表された米雇用統計が好数字だったにもかかわらず、日経新聞が指摘したような「労働市場の底堅さとは反対に、米利下げ催促相場が再来する可能性」−−が今週のリスク要因となりかねないのかもしれない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」、「米大統領選」など注意すべき要因は目白押しだが、引き続きもっとも注意を要するものは「新型肺炎」に絡むニュースだ。しかし、先でも取り上げたように、単なる感染者数の増加云々といったものよりも、「世界経済に対する影響」などに関する報道に注意を払いたい。そうした意味ではパウエルFRB議長による「半期に一度の議会証言(11日に下院、12日に上院)」などにも要注意。新型肺炎について、如何なる見解を示すのだろうか。

テクニカルに見た場合、先週は週末にかけ何度か110円台をつけるも、「しっかり」と乗せてくることは出来なかった。チャート的なメドという点では、年初来高値110.30円が当然次の上値メドなのだが、ここ最近の上値の重さを考えると、仮に110円レベルをしっかり上抜けた場合にはストップロスを巻き込みつつ、一気に値の飛ぶ展開も否定出来ないかもしれない。

一方、材料的に見た場合、1月の消費者物価指数や2月のミシガン大消費者信頼感指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。先でも指摘したように、先週発表された指標は良好な内容が多かっただけに、今週もそれに続くものになるとの期待感も少なくないようだ。
また、パウエルFRB議長の議会証言を中心に、米通貨当局者の発言機会も相次ぐだけに要人コメントにも一応の注意を払いたい。

そんな今週のドル/円予想レンジは、108.50-110.50円。ドル高・円安については、先週記録したドル高値110.04円の攻防にまずは注目。抜ければ年初来高値の110.30円、そして昨年高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%戻しに当たる110.50-55円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、今週初めに109円半ばまでレベルを切り上げてくる移動平均の25日線、109.10-20円に位置する同75日線などが最初の下値メド。下回ると少し遠いが月間安値である108.30-35円が意識されそうだ。

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