<< 東京市場の動き >>
7日の東京市場は、ドルが強保ち合い。終日を通し、ドルは高値圏で推移。一時110円をワンタッチするも、しっかり超えていくことは出来なかった。
ドル/円は、109.95-00円レベルで寄り付いたのち、しばらくは横這い。一連の過程で調整と思しき動きなどから109.80円程度まで小緩むも底堅く、結局「行って来い」の展開に。ザックリ言えば、109.80-110.00円のドル高値圏での一進一退にとどまっている。NY時間に予定されている米雇用統計発表待ちといった様相であり、積極的な売買は見送られていた。16時時点では109.95-00円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」について。
ロイターが「感染拡大を受け、中国が3月開催予定の全人代を延期する可能性」と報じたほか、環球時報は「中国、米中通商合意の『災害条項適用』を検討している可能性がある」と指摘、新型コロナウイルスの感染拡大が中国の政治や経済に大きな影響を及ぼしていることが改めて示された。そうしたなか、当局の発表によると、中国本土の感染者は3万人の大台を突破しただけでなく、死者数は632人に達したという。
なお、新型肺炎の蔓延が国家間の諍いも生みはじめてきた。中国が米国政府の対応を連日批判していることに加え、今度中国は英国が自国民に中国本土からの退避を勧告したことを「過剰反応」と指摘し、撤回を求めるなど新たな対立構造が明らかとなった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は110円をしっかり超えていくことが出来ないが、リスクは間違いなくドル高・円安方向。しっかり抜ければ、年初来高値110.30円を目指す展開が予想されている。新型インフルエンザについては、何故市場が楽観的なのか理解に苦しむところもあるのだが、ここ最近のドル高進行の背景には日経新聞が昨日報じた「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」の動意や、なにより今週に入り発表される米経済指標が非常に良好というファンダメンタルズ要因が存在している。後者からすれば、本日発表の米雇用統計が予想以上の好数字となった場合、さらにドル高・円安が進行する可能性も秘めている。
材料的に見た場合、「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」については、一応の決着を見たことで徐々に落ち着きを取り戻しそうだが、それでも依然として「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」、「米大統領選」など気掛かりな要因は多数存在している。そうしたなか、目先的には「新型肺炎」絡みの話題ともに注意を要するのは「米ファンダメンタルズ要因」。発表される米雇用統計をメインイシューとして、議会に提出されるFRB半期金融政策報告書についても注視している向きは少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、1月半ばには110円台を推移する局面も観測されていたが、今回はなかなか110円台にしっかり乗せることが出来ない。ドルの上値は予想以上に重いようだ。ただ逆に言えば、重いが故に抜けた場合にはストップロスを巻き込みつつ、一気に値の飛ぶ展開も否定出来ず、弾みが付くようだと年初来高値110.30円では止まらないかもしれない。
それに対するドルのサポートは、109.45円近くまで切り上がってきた移動平均の25日線になる。
本日は、1月の雇用統計や12月の卸売売上高といった米経済指標が発表される予定となっている。今週発表される指標はこぞって良好。なかでも、米雇用統計と相関性が高いとされる5日発表のADP雇用統計は事前予想値の2倍近いプラス29.1万人という驚異的な数字を記録していた。本日の米雇用統計についても、好数字への期待感はかなり高い。
ちなみに、市場がもっとも注視している非農業部門雇用者数はプラス16.5万人程度が見込まれているが、先で指摘したことからさらなる好数字を見込む向きも多いようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.40-110.60円。ドル高・円安方向は、東京市場でしっかりと超えられなかった110円レベルが最初の抵抗。超えれば、年初来高値110.30円、そして昨年5月高値110.68円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、連日じわじわと切り上がっている移動平均の25日線(109.45円レベル)の攻防にまずは注目。割り込んでも底堅いイメージだが、ポジション的にはかなり積み上がっていることが気掛かりではある。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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