ドル円見通し 株高背景に110円到達、1月17日高値110.28円に対してほぼイッテコイ(20/2/7)

2月6日時点では110円に到達寸前で足踏みしていたが、7日早朝には110円に到達している。

ドル円見通し 株高背景に110円到達、1月17日高値110.28円に対してほぼイッテコイ(20/2/7)

【概況】

ドル円は年初のイラン情勢緊張一服による上昇で1月17日高値110.28円まで上昇していたが、110円台到達で上値が重くなっていたところに新型コロナウイルスの感染拡大報道が始まり、1月21日に110円割れ、さらに連日の感染拡大報道過熱により2月1日未明安値108.30円まで大幅下落してきた。春節明けの中国市場動向への警戒感が最も強まったところであったが、2月3日に春節明けの上海総合株価指数が8%超の暴落で開始したものの早々に反騰に転じたこと、中国人民銀行による19兆円規模の資金供給等により暴落一巡後はバーゲンハントの買いが入った状況となった。NYダウも1月31日に603.341ドル安の大幅下落で年初来安値を更新していたが、上海株反騰を見ながら持ち直し、2月3日に143.78ドル高、4日に407.82ドル高、5日も483.22ドル高と連騰に入った。欧州株やアジア株も上海と米国株の反騰を好感して全面高に入り、金融市場全般がリスクオンの巻き返しとなってドル円も1月17日からの下落を解消するような揺れ返し上昇に入った。

2月6日時点では110円に到達寸前で足踏みしていたが、7日早朝には110円に到達している。1月17日高値110.28円を超えていないものの、110円到達によりほぼイッテコイの水準には達している。

中国政府は2月6日、対米報復関税の一部について2月14日に税率を半分に引き下げると発表した。米中貿易協議「第1段階合意」の発効により米国が対中制裁関税の一部を引き下げるのに合わせた措置であり、想定されていたことではあるが市場には好感された。
米労働省が発表した週間新規失業保険申請は季節調整済みで20万2000件となり前週比1万5000件減少して市場予想の21万5000件を下回った。市場の反応は限定的だった。

【株式市場の楽観的大反騰と比較して米10年債利回りの上昇は鈍い】

2月6日のNYダウは前日比88.92ドル高と4連騰して史上最高値を3週間ぶりに更新した。ナスダック総合指数は3日連続で史上最高値を更新した。直前2日間の大上昇により6日の上昇幅は限定的だったのは急反騰に対する利食い急ぎもあるかもしれない。
一方で米長期債利回りは株高債券安により上昇しているが、米10年債利回りは1月31日の1.51%から2月6日には1.65%へ上昇したものの1月24日の1.68%を下回っており、ドル円が高値をつけた1月17日の1.83%や昨年末の1.91%と比較すればかなり低水準に止まっている。株式市場の楽観的大上昇と比較すると債券・長期債利回りの動きは鈍い。また安全資産として債券とともに買われるゴールドは2月3日朝高値1593.23ドルから2月5日安値1547.44ドルまで凡そ3%の急落となったが1550ドル割れは買い戻され、2月6日も株高ドル高に圧迫されつつも上昇して年初に一段高した状態を維持している。

株式市場は目先の安心と先高期待を優先して買い急がれるが、新型コロナウイルスの感染拡大問題の初期的なパニック感は薄れているものの武漢市等の交通遮断や工場再開の目処が立たない状況等を踏まえれば、景気への悪影響はこれから本格化する懸念も続いている。そうした先行き不透明感と世界的な金融緩和状態の継続感が債券やゴールドといった安全資産を相対的に確りさせているのだろうと思われる。
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の死者は2月7日7時半時点で634人、感染者数は3万624人に拡大している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月27日朝安値から5日目となる2月1日早朝安値を直近のサイクルボトムとして上昇してきた。今回のトップ形成期は1月29日朝高値と30日未明高値によるダブルトップを基準として2月3日から6日未明までの間と想定されたが、既にトップ形成期を超えて続伸しているので反落警戒期にあるものの、2月5日夕安値ないしは2月6日夕安値を直近のサイクルボトムとして連続的な強気サイクルに入っている可能性もある。
2月6日夕安値109.76円を上回る内は連続的な強気サイクル入りの可能性も踏まえて上昇余地ありとするが、6日夕安値を割り込むところからはいったん弱気サイクル入りとして7日の日中から10日午前にかけての間への下落を想定する。またその際はサイクルトップ形成が延長されたためにボトム形成も延長入りする可能性があると注意するが、いったん弱気サイクル入りした後に2月1日以降の高値を更新する場合は新たな強気サイクル入りとして12日から14日にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では2月3日夜の反発で遅行スパンが好転し、4日の続伸で先行スパンを突破したが、その後も両スパン揃っての好転を維持している。ただし新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすい位置にあるので、遅行スパン悪化からは弱気サイクル入りとして安値試し優先とする。先行スパンに潜り込む場合はその下限試し、さらに転落する場合は下げがきつくなる可能性もあると注意する。ただし、遅行スパンがいったん悪化した後に再び好転して2月1日以降の高値を更新する場合は新たな強気サイクル入りとして遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月5日未明に80ポイントに到達した後は高値更新に対して指数のピークが切り下がる弱気逆行を続けているが50ポイント以上を維持している。70ポイント超えからは逆行破りによる一段高へ進む可能性があるが、50ポイント割れからはいったん調整安入りとみて30ポイント台への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、2月6日夕安値109.76円を下値支持線、2月7日早朝高値110.02円を上値抵抗線とする。
(2)109.76円以上での推移中は上昇余地ありとし、110.02円超えからは1月17日高値110.28円試しを想定する。110.20円以上は反落警戒とするが、2月6日夕安値を割り込まないで推移する内は週明けも高値を試しやすいとみる。またいったん2月6日安値を割り込んだあとにこの間の高値を更新する場合も週明けへの続伸を想定し、上値目処を110円台中盤へ引き上げる。
(3)2月6日夕安値割れからは弱気サイクル入りとして109.50円前後への下落を想定する。109.50円前後では押し目買いも入りやすいとみるが、109.75円以下での推移なら週明けも安値を試しやすいとみる。また7日夜に109.50円を割り込んで続落に入る場合は109.25円前後へ下値目処を引き下げ、週明けもさらに安値試しへ進みやすいと考える。

【当面の主な予定】

2/7(金)
未 定 (中) 1月 貿易収支・米ドル (12月 467.9億ドル)
未 定 (中) 1月 貿易収支・人民元 (12月 3292.7億元)
14:00 (日) 12月 景気先行指数(CI)速報値 (11月 90.8、予想 91.3)
14:00 (日) 12月 景気一致指数(CI)速報値 (11月 94.7、予想 94.7)
16:00 (独) 12月 貿易収支 (11月 183億ユーロ、予想 150億ユーロ)
16:00 (独) 12月 経常収支 (11月 249億ユーロ、予想 235億ユーロ)
16:00 (独) 12月 鉱工業生産 前月比 (11月 1.1%、予想 -0.2%)
16:00 (独) 12月 鉱工業生産 前年同月比 (11月 -2.6%、予想 -3.7%)

22:30 (米) 1月 非農業部門雇用者増加数 前月比 (12月 14.5万人、予想 16.0万人)
22:30 (米) 1月 失業率 (12月 3.5%、予想 3.5%)
22:30 (米) 1月 平均時給 前月比 (12月 0.1%、予想 0.3%)
22:30 (米) 1月 平均時給 前年同月比 (12月 3.0%)
24:00 (米) 12月 卸売在庫 前月比 (11月 -0.1%)
24:00 (米) 12月 卸売売上高  前月比 (11月 1.4%)
25:00 (米) 米連銀、半期金融政策報告書を議会に提出
29:00 (米) 12月 消費者信用残 前月比 (11月 150.0億ドル)

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