米株などにらみつつ、ドルは底堅い値動きか(2/5夕)

5日の東京市場は、レンジ取引。109円前半を中心とした20ポイントにもとどかない、横這い商状だった。

米株などにらみつつ、ドルは底堅い値動きか(2/5夕)

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5日の東京市場は、レンジ取引。109円前半を中心とした20ポイントにもとどかない、横這い商状だった。

ドル/円は、109.45-50円で寄り付いたものの、積極的な動意はうかがえず。ゴトー日ということでの仲値不足観測や、日経平均株価が終値ベースで234円もの大幅高をたどったことを囃す向きも見られたが、実際の価格変動には繋がらなかった。109.35-50円といった非常に狭いレンジ取引に終始し、16時時点でもオープンレベルと大差ない109.40-45円で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型肺炎」について。
感染者数の拡大などについては、世界保健機関(WHO)幹部が「新型肺炎は現時点で感染症の世界的な流行を示すパンデミックには当たらない」、「週内にも中国便の運航再開へ勧告検討」などと中国を擁護するコメントを連発し批判を浴びるなか、当の中国はブルームバーグが「中国政府、3月後半に予定していた複数の大型行事を延期や中止」と指摘し、長期化を視野に入れた取り組みに動いていると報じていた。なお、当局発表による中国本土の感染者数は2万3000千人超、死者は490人へと達している。
また、経済活動などへの影響が俎上にのぼりはじめ、一部で話題に。たとえば、米NEC委員長が「中国は新型肺炎の影響で、輸出が大幅に増えるには時間がかかるだろう」と述べたとされるうえ、ロイターはオックスフォード・エコノミクスの試算として、「中国人旅行者による米国での支出103億ドルが失われる」と指摘していた。

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新型肺炎の被害は国内外で依然として拡大中ながら、米国を中心に株価が堅調裡。それもあり、為替市場もドル買い安心感が根強い状況だ。ドル/円は予想以上の戻りで、年初来高値110.30円を起点とした直近下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにほぼ合致する109.54円まで達しており、まずは同レベルの攻防が注目されている。ただ、新型肺炎による米中経済へのダメージや、日中による中国国家主席来日準備会合が延期となるなど外交面での停滞も懸念され始めてきた。一本調子の円安が進行するとも思えない。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑(トランプ氏弾劾の動き)」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型肺炎」、「米大統領選」など気掛かりな要因は多数存在している。そうしたなか、引き続きもっとも警戒を要するものは「新型肺炎」絡みの話題だが、週初に「今週の隠れテーマ」とレポートした米ファンダメンタルズ要因、発表される米経済指標が少なからず相場の攪乱要因となっている。本日でいえば、1月のADP雇用統計や同ISM非製造業指数などの数値が注視されている。

テクニカルに見た場合、昨日東京段階では109円、あるいは先週末高値109.14円を前にやや上げ渋りの様相も見られたが、上抜けるとそのまま109.54円まで一気に続伸している。
ちなみに、そんな昨日高値は年初来高値110.30円を起点とした直近下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにほぼ合致するテクニカルポイント。しっかりと越えていけば、フィボナッチの観点では76.4%戻しの109.80-85円が次のターゲットに。

前述したように、1月のADP雇用統計や同ISM非製造業指数など幾つかの米経済指標が本日発表される予定で、まずはそれらに注目。週明けに発表された「ISM製造業景況指数」が予想以上の好数字になったのに続き、昨日発表の米製造業新規受注も事前予想を上回った。ともにドルの買い要因のひとつとなっていただけに、本日の米指標も、それに続く好数字となることに、期待を抱く向きも多い。とくに、週末発表の米雇用統計と相関性が高いとされる、ADP雇用統計の数値を注視している市場筋が多く、数字如何では発表前後の相場が一時的に荒れる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-109.80円。ドル高・円安方向は、昨日示現した戻り高値109.54円が最初の抵抗。超えれば、109.80-85円を目指す展開で、それも突破すればいよいよ110円台も。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗だった109.15円レベルの攻防にまずは注目。割り込めば109円割れも否定出来ないが、その場合でも取り敢えずは底堅そうだ。

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