ドル円、新型肺炎に絡む続報で下げ幅を広げるも、良好な米経済指標で急反発(1/29朝)

28日(火)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。

ドル円、新型肺炎に絡む続報で下げ幅を広げるも、良好な米経済指標で急反発(1/29朝)

ドル円、新型肺炎に絡む続報で下げ幅を広げるも、良好な米経済指標で急反発

海外時間の為替概況

28日(火)の外国為替市場でドル円は下落後に急反発。新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(中国経済及び、インバウンド効果剥落を受けた世界経済の減速懸念)や、加藤厚労相による「武漢への渡航歴がない人が新型肺炎に感染した」との発言が重石となり、欧州勢参入後には、一時108.76まで下げ幅を広げました。しかし、前日安値108.74をバックに下げ渋ると(押し目買いが強まると)、米・12月耐久財受注(結果2.4%、予想0.3%)や、米・1月リッチモンド連銀製造業指数(結果20、予想▲3)、米・1月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果131.6、予想128.0)の良好な結果が支援材料となり、米国時間には一時109.21まで反発しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では109.13近辺で推移しております。尚、この間、NYダウ平均株価は約250ドル高、米10年債利回りは1.57%から1.65%へ急上昇、恐怖指数と呼ばれるVIX指数は18.0%から一時15.7%付近へ急低下しております。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて広がったリスク回避ムードがひとまず後退する結果となっております。

ユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(ドル買い・円買い・スイス買い)や、A良好な米経済指標(米・12月耐久財受注米や、米・1月リッチモンド連銀製造業指数、米・1月コンファレンスボード消費者信頼感指数)を受けたドル買いが重石となり、米国時間には、一時1.0998まで下げ幅を広げました(11/29以来、約2ヶ月ぶりに心理的節目1.10台を割り込む展開)。しかし、1.10割れでは押し目買い意欲も根強く、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間5時30分現在)では1.1014近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、1/17に記録した高値110.29をトップに反落に転じると、1/27には一時108.74まで急落しました。この間、109.70近辺に控える支持帯(サポート水準)や、一目均衡表転換線、ボリンジャーミッドバンドや、一目均衡表雲上限及び基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、「上値の重さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。昨日は良好な米経済指標を受けて一時109.21まで持ち直しましたが、窓埋めに失敗するなど、109.20台では伸び悩む動きも見られました。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、B米国ファンダメンタルズの冴えない結果、C米中貿易摩擦の再燃リスク(第1段階合意署名は実現するも、第2段階合意は後ずれする公算大)、D朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、E新型コロナウィルスの感染拡大リスクなど、ドル売り・円買いを想起させる材料がたくさん残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が意識されます。新型コロナウィルスの感染拡大を受けて春節が延期されたことも、「春節延期→中国のサプライチェーンへの影響→対中依存度の高い国々の成長鈍化懸念→グローバルな株安」への連想からリスク回避の円買いが続く恐れがあります。本日開催される米FOMC(連邦公開市場委員会)では、「金融政策の現状維持」が見込まれており、相場への影響は限定的なものに留まると予想されているものの、会合後の記者会見でパウエルFRB議長がハト派的な発言を行った場合には、米利下げ観測再燃→米長期金利低下を通じてドル売りが強まる恐れもあり、注意が必要でしょう。事実昨日は、トランプ米大統領が「FRBは利下げして他国との競争力を強めるべき」と発言するなど、FRBに対する利下げ圧力(ドル安誘導)を再開させております。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:108.50ー109.50

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ドル円日足

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