イランと北朝鮮、地政学リスクに要注意(1/7夕)

7日の東京市場は、レンジ取引。108円前半を中心とした20ポイント強の小動きで、目立った方向性はうかがえなかった。

イランと北朝鮮、地政学リスクに要注意(1/7夕)

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7日の東京市場は、レンジ取引。108円前半を中心とした20ポイント強の小動きで、目立った方向性はうかがえなかった。

ドル/円は寄り付いた108.30-35円を日中安値に底堅いものの、上値も限定的。108円半ばレベルでは上げ渋りの様相をたどっている。日経平均株価が前日大幅安をたどった反動もあり370円の大幅高で大引けたが、為替市場の反応はいまひとつ。ポンド/円など、一部のクロス円が大きく下落したことが、ドル/円の上昇を阻んでいたとも指摘も聞かれていた。16時時点では108.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米イランの対立(中東リスク)」について。
先日の「米国によるイラン軍司令官の殺害」に端を発した両国の対立構造が引き続き思惑を呼ぶ。コンウェイ大統領顧問など米国の与党サイドからは、トランプ大統領の決断に対して擁護のコメントが相次ぐものの、ほかは国内外ともに批判するものばかり。そうしたなか、イランのザリフ外相から「米国は世界と米国をより危険にした」との発言が聞かれたうえ、現地報道として「イラン議会が米国防総省をテロ集団に指定する法案を承認」などといったニュースも観測されていた。

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昨日ドルは108円を割り込み、一時107.77円まで下落。ドルの下値余地が拡大した感も見られたが、下げ止まると108円半ばまで小反発に転じている。まだ予断を許さないが、取り敢えず下値トライは仕切り直しとなった。むしろ、移動平均の200日線が位置する108.60-70円をクリアに超えれば、下値トライそのものがダマシだった可能性も否定出来なくなる。そうなるとドルはさらなる戻りも考えられるだろう。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気掛かりな要因が目白押し。いずれも注意を要するが、目先的にとくに注意を要するのは引き続き「北朝鮮情勢」と「イラン情勢」だ。前者について、ある種のタイムリミットとされる8日を前に依然として緊迫感が漂う状況下、後者も先で取り上げたイラン外相発言を警戒する声などが少なくない。先週末には、「イランの米大使館付近にロケット弾が撃ち込まれた」といった報復を疑われるようなニュースが伝えられたが、もっとハッキリした動きが観測されないとも限らない。

テクニカルに見た場合、昨日107.77円まで下落したものの、ドルの下値トライは目先一服。むしろ、短期的にはいま一段の戻りを期待する声も聞かれていた。移動平均の200日線が位置する108.60-70円をめぐる攻防にまずは注意したい。超えれば108.85-90円がターゲットで、さらに109円台回復もみえてくる。

一方本日は、12月のISM非製造業総合指数や11月の製造業受注指数といった米経済指標が発表される予定となっている。今週は週末の米雇用統計がもっとも注視されているが、本日発表のISM指数への関心もなかなか高いようだ。発表前後の動きには一応要注意。
また、冬休み明けの英議会下院は、本日7日からEU離脱条件などを盛り込んだ関連法案の審議が再開される予定となっている。場合によっては、ポンドの動きがマーケットの主役となることもありそうだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.90-108.80円。ドル高・円安方向は、本日東京時間高値である108円半ばの攻防にまずは注視。超えても108.60-70円には200日線などが位置しており、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、再び108.20円レベルに弱いサポートが位置し、ドルの下支えに。下回ると昨日記録した安値107.77円などを目指す。

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