ドルの下値リスク継続か、続落要注意(週報1月1週)

先週のドル/円は、ドル安・円高。週末には108円を割り込み、昨年10月11日以来の安値を一時示現する局面も観測されていた。

ドルの下値リスク継続か、続落要注意(週報1月1週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドル安・円高。週末には108円を割り込み、昨年10月11日以来の安値を一時示現する局面も観測されていた。

クリスマスを過ぎたものの、市場では依然として北朝鮮による「クリスマスプレゼント」が警戒されるなか、同国の党中央委員会総会が開催され、金委員長が「積極的かつ攻撃的な措置をとる必要性を訴えた」と伝えられ話題に。そうした状況下、週明けの為替市場がオープンした。

ドル/円は寄り付いた109.40円前後を週間高値に、ドルは冴えない値動き。移動平均の200日線や月間安値108.43円など、下方向のサポートレベルを次々下回ると、週末にはついに107円台へ。ただ、さすがに下げ止まると、NYクローズは辛うじて108円台を回復し、越週している。
なお、為替市場はドル/円以外でも全般的に活発な動意を示し、なかでもポンドの積極的な動意が目につく。実際、対円では週間に3円を超える変動と、なかなかの値動きが観測されていた。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「北朝鮮情勢」と「米中情勢」について。
前者は、12月28日から北朝鮮で連日行われた党中央委員会総会が思惑を呼ぶ。異例ともいえる4日もの長期討議を行ったもようで、そのなかで金委員長は前述した発言に続き、「米国の敵視政策に変わりはないと非難」したうえで、「新たな戦略兵器を予告した」との報道も。ただ、対するトランプ米大統領は依然として我慢強いスタンスを継続。「北委員長は約束を守る男」などと擁護するようなコメントが聞かれていた。

それに対して後者は、香港紙が「中国の劉副首相が1月4日から米国を訪問し、第1段階合意に署名する予定」と報じるなか、トランプ米大統領も「1月15日に第1段階の米中通商協議合意に署名」と発言。貿易問題に対しての安心感が台頭した反面、「香港で大晦日や新年早々もデモ継続、警察は催涙弾発射」といった報道、あるいは台湾総統が新年談話で「一国二制度を断固拒否」と発言したことなどは、逆に両国間の緊張を高めていた感も否めない。
そのほか、昨年末突然台頭した「ゴーン被告の海外逃亡問題」について、様々な報道などが相次ぎ思惑を呼んだほか、週末には「米軍がイラクの空港を空爆、イラン軍司令官が殺害される」との報道があり、為替市場だけでなく原油や株式市場などの波乱要因となっていた。

<< 今週の見通し >>

昨年1月3日に記録した「フラッシュクラッシュ」と比べるまでもないが、それでも今年の年明けもドル/円相場は形成レンジを割り込み、ドル安・円高が進展するという展開をたどっている。ドル/円は週末3日に107.84円まで一時値を下げてきた。前述したように、第1段階とは言え「米中通商協議の妥結」観測がドル買いの安心感を醸しているものの、「イラン情勢」を受けた中東リスクは逆にドルの足かせになりそうだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気掛かりな案件は少なくない。そのいずれも要注意だが、とくにとなると「北朝鮮情勢」と「イラン情勢(中東リスク)」か。前者については、北朝鮮委員長が党中央委員会総会「新たな戦略兵器を予告した」と指摘されるなか、今週半ばにはかつて聯合ニュースなどが「米韓が重大な局面とみなし、北朝鮮の動向を注視していることが分かった」と報じていた1月8日、金正恩委員長の誕生日を迎えることになる。前後の日程でミサイル発射などの可能性も!?

テクニカルに見た場合、ドルは先週末に掛け一時108円割れまで下落するなど、下値リスクが高まってきた感がある。そんなドルの次の下値メドは、先週末に記録した直近安値の107.84円、そして昨年8月安値104.44円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる107.70円レベルなどとなる。
対するドルの抵抗は、先週しっかりと下回ってきた移動平均の200日線が位置する108.60-70円か。アッサリ上回れば109円台回復も。

一方、材料的に見た場合、12月のISM非製造業景況指数や同雇用統計といった重要な米経済指標の発表が相次ぐ。先週発表された米経済指標はおおむねまだら模様ながら、重要とされる指標の多くは悪化が目についていた。地合いがドル弱気へと傾斜していることもあり、悪い内容の指標が続くようだと、さらにドル売りが進展する可能性もある。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.00-109.00円。ドル高・円安については、先週下回ってきた200日線が位置する108.60-70円をめぐる攻防をまずは注視。回復すれば、109円レベルが次のターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末に記録した直近安値の107.84円、そして昨年8月安値104.44円を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しにあたる107.70円レベルなどが取り敢えずの下値メドとなる。ちなみに、前述フィボナッチの半値戻しは107.10円レベル。

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