<< 東京市場の動き >>
2日の東京市場は、ドルが小じっかり。東京休場もあってか動意が限られるなか、108円後半でドルは底堅く推移している。
年明け最初の取引、ドル/円は108.70-75円で寄り付いたのち、わずかに値を崩す展開。108.60円前後へと小緩むも底堅く、その後は108.75円レベルまで回復する局面も観測されていた。時間外で取引されているNYダウ先物が堅調裡、80-90ドルほど上昇して推移したことなどが好感されている面もあったという。16時時点では108.70-75円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ゴーン被告の海外逃亡問題」と「中国情勢」について。
前者は、昨年末突然台頭した「ゴーン被告の海外逃亡問題」について、様々な報道などが相次ぐ格好に。真偽不明のものも含め「ゴーン氏、楽器箱に隠れ地方空港から密出国」、「政府、潜伏先のレバノンにゴーン被告引き渡し要請も」、「東京地裁がゴーン被告の保釈取り消し、保釈金15億円は没収」、「ゴーン被告、8日に会見実施」−−などといったニュースが観測されている。今後、日本とレバノン両国間での国際問題化の懸念も。
それに対して後者は、昨年末にトランプ米大統領が「1月15日に第1段階の米中通商協議合意に署名」と発言。貿易問題に関する重石が取り除かれそうな反面、「香港で大晦日や新年早々もデモ継続、警察は催涙弾発射」といった報道、あるいは台湾総統が新年談話で「一国二制度を断固拒否」と発言したことも話題となっていた。そのほか、「中国人民銀が6日から預金準備率を引き下げる」と発表、「米国務省が中国に四川省で拘束されている『キリスト教牧師の無条件解放』を要求」などといった報道もあり、様々な中国関連ニュースがマーケットの主役になっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨年末、東京勢が休暇を取る間隙を突く格好で、ドル/円はレンジを下放れてきた。一時108.47円まで下落したものの、前述したトランプ発言などもあり下げ止まると、足もとは逆にドル底堅く推移している。かつてほどの「神通力」はなくなったとは言え、やはり米中通商協議の合意期待はドルの支援要因だろう。一方で、ドルの上値が重くなりつつあることは確かながら下値も堅く、しばらくは次の方向性を探る展開か。109円±50ポイント程度のレンジ取引をたどる可能性も否定出来ない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気掛かりな要因は少なくない。いずれも注意を要するが、とくにとなると「北朝鮮情勢」と「中国情勢」、そして「米株の動き」になる。うち「北朝鮮情勢」については、いまだ「クリスマスプレゼント」に関する余波を引きずる格好のなか、朝鮮中央通信は「北委員長が米国の敵視政策に変わりはないと非難」したうえで、「新たな戦略兵器を予告した」と報じていた。その反面、トランプ氏は「北委員長は約束を守る男」などと発言、擁護するようなコメントを発しているが、果たして信頼に足る人物なのか、しばらく状況を見極めたい。
テクニカルに見た場合、一時108.47円まで下落し、ドルの下値余地が広がった感もあったが、そこから切り返し。ドルの下値トライは取り敢えず仕切り直しとなった感がある。
ただ、108.70-80円に位置する移動平均の200日線をしっかりとクリアできず、108円台半ばから後半で上げ渋りとなっているところがやや気掛かりだ。NYダウなど米株の動き次第といった側面も否定出来ないが、再び崩れるようだとドルも前述安値108.47円を視界内に入れた値動きをたどる展開も。
一方、材料的に見た場合、12月の製造業PMI確報などの米経済指標が発表される予定となっている。ここ最近発表される指標は、全般的にまちまちながら、12月31日に発表された消費者信頼感指数など重要な米指標はやや冴えない内容のものが多い。次の方向性を探るような環境下、予想外の数字が出た際などには思わぬ価格変動を誘発する可能性もないではない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.10円。ドル高・円安方向は、オファーが徐々に蓄積されつつある109円レベルをめぐる攻防にまずは注視。また、ザラ場ではなくNYクローズベースの話としては、しっかりと回復できていない200日線をめぐる動きが注視されている。
対するドル安・円高方向は、昨年末に記録した108.47円がサポートとして意識されている。これは12月の月間安値(108.43円)にも近い。割り込むようだと108.23円、そして108円などがターゲットに。(了)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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