過去半月のレンジ下限割り込む、ドル続落も
<< 東京市場の動き >>
週明け30日の東京市場は、ドルが弱含み。過去半月程度下支えしていたレンジ下限109.20円を下回っての推移となっている。
先週末には、引き続き「香港でデモ実施、10人以上が逮捕される」といった報道が観測されたほか、「クリスマスプレゼント」が依然として警戒される北朝鮮情勢について、党中央委員会総会が開催され、金委員長が「積極的かつ攻撃的な措置をとる必要性を訴えた」と伝えられる状況下、週明けの為替市場がオープンしている。
ドル/円は109.40円前後と、前週のNYクローズと大差ないレベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。109.30-45円といったレンジで底堅さもうかがえたが、割り込むと、そのままズルズルと過去半月ほどドルの下値を支えてきた109.20円レベルも下回り、109.05-10円まで一時下落している。16時時点でも、ドルは安値圏である109.15円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米国情勢」について。
前者は、前述したように「クリスマスプレゼント」に対する警戒感が引き続き根強いなか、ABCテレビはオブライエン米大統領補佐官が「北朝鮮が挑発行動に出れば、米国は適切な対処を取る」と語ったとし、臨戦態勢を維持している旨を示唆。そうしたなか、北朝鮮では28日から党中央委員会総会が連日開催されているとされ、このあと米国との非核化交渉やミサイル開発について、新たな方針が示されるのかを注視している向きも少なくない。
それに対して後者は、トランプ米大統領が先週から冬休みに入っているものの、伝えられる発言や行動が市場で話題となっていた。一例を挙げると、「プーチン大統領と電話会談を行い、テロ対策での連携継続で合意」、自身のツイッターに「ウクライナ疑惑の内部告発者の実名とみられる情報をリツイート、これが法律違反にあたるとの批判相次ぐ」、「ポンペオ国務長官の上院選出馬に備え、次期長官の候補者リストの検討に入った」−−などとなる。
<< 欧米市場の見通し >>
東京勢は年末・年始の休暇に入る勢が多い反面、欧米勢はクリスマス休暇が明け、マーケットへと本格的に戻り始めている。つまり、日本人の感覚としてはまだ2019年だが、欧米筋にとっては実質2020年相場が始まった感があり、そうした状況下、ドル/円がザラ場ベースとは言え過去2週間ほどのレンジ下限109.20円を下回ってきたことは非常に興味深い。もちろん、いわゆる「ダマシ」の可能性なども否定出来ないものの、このあとドルが続落し、「しっかり」とレンジを下放れる展開にも要注意だ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意を要する案件は数多い。そうしたなか、市場でとくに警戒されているものが「北朝鮮情勢」と「米株の動き」。後者については、NYダウが先週末にまたもや史上最高値を更新、ザラ場ベースでは初の28700ドル台も示現している。NYダウなど米株の堅調さが、対円におけるドル高を支援していることに間違いはないため、さらなる続伸をたどるのか否か、動静をしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、過去半月程度続いていた109.20-70円という50ポイント程度のレンジを本日東京時間に下回ってきた。また、しっかりと割り込んできたわけではないが、ドル安リスクを感じさせる動きで注意を払いたい。ドルの続落にも一応要注意。
ちなみに、そんなドルの次の下値メドは移動平均の200日線が位置する108.70-80円か。ただ、ドルが大きく崩れるイメージは取り敢えず乏しい。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意を要する案件は数多い。そうしたなか、市場でとくに警戒されているものが「北朝鮮情勢」と「米株の動き」。後者については、NYダウが先週末にまたもや史上最高値を更新、ザラ場ベースでは初の28700ドル台も示現している。NYダウなど米株の堅調さが、対円におけるドル高を支援していることに間違いはないため、さらなる続伸をたどるのか否か、動静をしっかりと見極めたい。
テクニカルに見た場合、過去半月程度続いていた109.20-70円という50ポイント程度のレンジを本日東京時間に下回ってきた。また、しっかりと割り込んできたわけではないが、ドル安リスクを感じさせる動きで注意を払いたい。ドルの続落にも一応要注意。
ちなみに、そんなドルの次の下値メドは移動平均の200日線が位置する108.70-80円か。ただ、ドルが大きく崩れるイメージは取り敢えず乏しい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.60-109.60円。ドル高・円安方向は、本日東京高値にあたる109円半ばをめぐる攻防にまずは注視。上抜ければ月間高値にあたる109.73円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値にあたる109.05-10円が最初のサポート。割り込むようだと200日線が意識されそうだが、テクニカルとは裏腹に109円前後がかなり底堅く、下回ってしまうと予想以上の深押しが入ると予想される声も聞かれていた。(了)
*注;年末・年始のレポートですが、1月1日の「日報」のみ、お休みします。12月31日、1月2日、3日の「日報」はすべて発行します。よろしくお願いいたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.12.31
200日線も割り込む、ドルの下値余地拡大か(19/12/31夕)
31日の東京市場は、ドル続落。小幅ながら値を下げ、移動平均の200日線などが位置する108.70-80円を一時下回る局面も。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.12.30
Xマス週を過ぎ、レンジ放れへの期待感も(週報12月第5週)
先週のドル/円は、一時ドル高が進行するも「行って来い」。引き続き、月初に示現した月間高値109.73円が強い抵抗として寄与している感を否めない。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。