Xマス週を過ぎ、レンジ放れへの期待感も(週報12月第5週)

先週のドル/円は、一時ドル高が進行するも「行って来い」。引き続き、月初に示現した月間高値109.73円が強い抵抗として寄与している感を否めない。

Xマス週を過ぎ、レンジ放れへの期待感も(週報12月第5週)

Xマス週を過ぎ、レンジ放れへの期待感も

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、一時ドル高が進行するも「行って来い」。引き続き、月初に示現した月間高値109.73円が強い抵抗として寄与している感を否めない。

前週末には、「日英首脳」や「日米首脳」による電話会談が報じられ、様々な思惑を呼ぶ。また、北朝鮮の外務省報道官が、人権状況批判の米国に対し「痛い目に遭う」と警告を発したと報じられるなど米朝関係の緊迫化が指摘されるなか、週明けの為替市場が寄り付いた。
ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.40円前後で寄り付いたものの、クリスマス週ということで週間を通して積極的な動意は乏しい。ただ、クリスマスを終えたあとの26日、一時109.68円まで値を上げ、月間高値に接近するも越えられず。結局週末にかけては上げ幅のほぼすべてを吐き出す格好となり、109.45円レベルまで下落し、週間の取引を終えている。

ただ、為替市場全体を見ればドル全面安、円全面安の展開。弱者同士の組み合わせだったドル/円は週間を通してさほど大きく動かなかったが、ポンド/円やユーロ/円、ポンド/ドル、ユーロ/ドルなどはそれぞれ週間を通して緩やかな右肩上がり。実際、ポンド/円は週初の週間安値141.10円台から、週末には143.60円台を記録するなど、2.5円近い上昇を記録していた。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「北朝鮮情勢」と「米中情勢」について。
前者は、前述した北朝鮮高官発言が聞かれるなか、週間を通して以前に北朝鮮から発せられた「クリスマスプレゼント」をめぐり様々な思惑を呼ぶ。その反面、米国サイドからは国防長官が「もし必要なら戦い、勝つ準備は出来ている」と述べるなど、風雲急を告げる感も見られたが、結局、北朝鮮からの「クリスマスプレゼント」は不明のまま週を終えている。

それに対して後者は、トランプ米大統領から「米中第1段階合意文書、近いうちに署名する」との発言が聞かれるなど、通商問題に関しては引き続きポジティブな見通しが優勢。ただ、それ以外の要因では引き続き米中の対立が著しく予断は許さず。たとえば、習国家主席は名指しこそしなかったが、「香港やマカオ問題への外国の介入は容認しない」とコメント。暗に米国を批判したほか、中国国防省が米国による「宇宙軍発足」に強い反発の姿勢を示したうえ、中国商務省からは米国で成立した「国防権限法」について中国企業からの調達を制限しているとの批判が聞かれていた。

<< 今週の見通し >>

先週は一時109.73円の月間高値に迫るも抜けられず。また、週間を通した値幅は40ポイントにととかずに、今年の「週間最小変動幅」を記録した。懸念された「薄商い=荒れ模様」ではなく、「薄商い=小動き」でクリスマス週を終えている。ただ、今週からマーケットには徐々に欧米勢を中心とした参加者が戻ってくることもあり、レンジを本格的に放れ、次の方向性が示されるような動意をたどる展開を懸念する声も聞かれていた。そうでなくとも、今年の年明けには「フラッシュクラッシュ」と呼ばれるドルの暴落があったことは、いまだ記憶に新しいところだろう。東京勢が年末・年始で休みとなるなか、思わぬ価格変動にも一応注意しておきたい。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件が少なくない。そのいずれも要注意だが、とくにとなると依然として火種のくすぶる「米中情勢」と、クリスマス週を超えたとはいえ「北朝鮮情勢」が気掛かりだ。ちなみに、後者に関しては、先週末に聯合ニュースが「米韓は来年初め、金北委員長の誕生日である1月8日ごろまでが重大な局面とみなし、北朝鮮の動向を注視していることが分かった」と指摘していた。まだまだ予断は許さなかもしれない。

テクニカルに見た場合、前述したように先週月間高値に面合わせするも越えられず。これで109.20-70円という50ポイント程度のレンジ取引は半月をいよいよ超えてきた。もちろん、そんなレンジ取引がまだしばらく続く可能性も否定できないが、期待半分で週内に上下どちらかに抜けていく展開を予想したい。
ちなみに、仮に上抜けた場合には心理抵抗110円がターゲットとなる反面、下抜けると移動平均の200日線が位置する108.70-80円が意識されそうだ。

Xマス週を過ぎ、レンジ放れへの期待感も

一方、材料的に見た場合、12月のシカゴ購買部協会景気指数や同消費者信頼感指数、同ISM製造業景況指数といった重要な米経済指標の発表が相次ぐ。最新12月分のデータで、足もとの米景気状況を見極めるうえでも、注視している向きは少なくない。ただ、通常であれば「第1週の週末金曜日」に発表される米雇用統計は今週発表されず、来週10日の発表になる見込みだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、108.50-110.00円。ドル高・円安については、先週も含め過去に何度も上値をレジストされている109.70-75円をめぐる攻防にまずは注視。ただ、しっかり超えれば心理抵抗の110円を試す展開も。
対するドル安・円高方向は、過去半月程度のレンジ下限にあたる109.40円レベルが最初のサポートに。割り込んでも200日線などが意識され底堅そうだが、場合によっては月間安値108.43円までの下落を想定しておいて損はないかもしれない。(了)

*注;年末・年始のレポートですが、1月1日の「日報」のみ、お休みします。30日、31日、1月2日、3日の「日報」はすべて発行しますので、よろしくお願いいたします。

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