来週の為替相場見通し 『クリスマス休暇終了。年末年始のフラッシュクラッシュに要警戒』(12/28朝)

ドル円は、またしても109.70近辺に控える強力なレジスタンスを突破することが出来ず、週後半にかけて反落に転じました

来週の為替相場見通し 『クリスマス休暇終了。年末年始のフラッシュクラッシュに要警戒』(12/28朝)

クリスマス休暇終了。年末年始のフラッシュクラッシュに要警戒

今週のレビュー(12/23−12/27)

<ドル円相場>
今週のドル円相場は、週初109.46で寄り付いた後、@米・11月耐久財受注(結果▲2.0%、予想1.5%)や、A米・11月新築住宅販売件数(結果71.9万件、予想73.5万件)、B米・12月リッチモンド連銀製造業景気指数(結果▲5、予想1)の冴えない結果を背景に、翌12/24に週間安値109.32まで下げ幅を広げました。しかし、クリスマス休暇で市場参加者が激減する中、続落を阻まれると、Cスワップポイント狙いのドル買い・円売り(※年末年始でスポット取引の受渡日が伸びる関係上、多くのFX会社が12/26クローズ時点のポジション保有者に対して通常より多くのスワップポイントを支払った)が支援材料となり、12/26のNYクローズにかけては、週間高値109.68まで反発しました。もっとも、D12/26から12/27へ日付を跨いだ後は、上記スワップポイント獲得後の利食い売りに押される形で反落に転じ、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では109.44近辺で推移しております。

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週初1.1082で寄り付いた後、@英ポンドの下落(英合意なき離脱リスクの再燃→英ポンド下落→ユーロ連れ安)を背景に、翌12/24に週間安値1.1069まで下げ幅を広げました。しかし、A冴えない米経済指標や、B米長期金利の低下を受けたドル売りが続落を阻むと、CECB(欧州中央銀行)経済報告にて域内の成長判断が引き上げられたことに伴うユーロ買いが支援材料となり、週末にかけては、12/13以来、約2週間ぶり高値となる1.1187まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時00分現在)では1.1184近辺で推移しております。

来週の見通し(12/30−1/3)

<ドル円相場>
ドル円は、またしても109.70近辺に控える強力なレジスタンス(12/2高値109.73、12/13高値109.71、12/19高値109.67、12/26高値109.68)を突破することが出来ず、週後半にかけて反落に転じました(スワップポイント獲得後の利食い売りが背景)。テクニカル的に見て「上値の重さ」を意識させるチャート形状となりつつあります(一方、ダウンサイドには一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンド、200日移動平均線など支持帯が密集しており下値も堅い)。

ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違いや、Aトランプ米大統領の弾劾リスク、Bトランプ米大統領によるFRBへの利下げ圧力(ドル売り誘導懸念)、C冴えない米国ファンダメンタルズ(今週も全ての米経済指標が市場予想を下回る不冴えな結果に)、D世界的な貿易戦争再開リスク(含む米中貿易摩擦の再燃)、E英国を巡る不確実性(英合意なき離脱リスクの再燃)など、ドル売り・円買いを想起させる悪材料が増えつつあります。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が警戒されます。米経済指標(12/30に発表される米・12月シカゴ購買部協会景気指数や、12/31の米・12月消費者信頼感指数、1/2の米・12月製造業PMI、1/3の米・12月ISM製造業景気指数)や、トランプ米大統領弾劾を巡るヘッドライン、米中及び英国を巡る続報を睨みながらも、来週はドル円が下値余地を探る展開をメインシナリオとして予想いたします(今年の1/3のフラッシュクラッシュ時と同様、年末年始の低流動性を突いた急落リスクに要警戒)。

ドル円の予想レンジ:107.75ー110.25

<ユーロドル相場>
今週のユーロドル相場は、週末にかけて急伸し、約2週間ぶり高値1.1184まで上昇しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けした他、強い買いシグナルを表す三役好転や、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォーク(上限)が発生するなど、テクニカル的に見て「上昇リスク」を意識させるチャート形状となりつつあります。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@米中貿易摩擦が欧米貿易摩擦に波及するリスクや、Aユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感、Bイタリアの財政悪化問題、CECBによる追加緩和観測、D英国情勢の先行き不安など、ユーロ売りを意識させる材料は根強く残っています。今週はECB経済報告で域内経済の成長判断が引き上げられたことで、上記AとCの可能性が後退し、ユーロ買いに拍車がかかりましたが、週末・年末を前にした単なるポジション調整(ショートカバー)の可能性も否めず、欧州ファンダメンタルズが今後本格的に好転していくのか否かを現時点で判断することは難しいと考えられます。

以上を踏まえ、来週は欧州経済指標(1/2に発表されるドイツやユーロ圏の12月製造業PMIや、1/3のドイツ・12月消費者物価指数など)を睨みながらの神経質な展開を予想いたします(良好な欧州ファンダメンタルズが見られれば12/13高値1.1201を試す展開が想定されます。一方、冴えない結果となれば1.11の大台割れの反落リスクもあり得る状態)。年末年始で流動性が乏しくなる中、今年の1/2や1/3と同じようなフラッシュクラッシュの発生に注意が必要でしょう。

ユーロドルの予想レンジ:1.1025−1.1275

クリスマス休暇終了。年末年始のフラッシュクラッシュに要警戒

ドル円日足

今年も1年間ありがとうございました。来年もどうぞ宜しくお願い致します。
尚、本レポートは12/31から1/2まで休刊とさせて頂きます。次回は1/3より再開いたします。

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