ドル円見通し クリスマスで小動き、12月13日以降のボックス圏の中央できっかけ待ち(19/12/25)

クリスマス休場で国内FX業者も早終いとなるため、新たなきっかけとなるような要人発言やサプライズ感のある事件等なければ小動きのままで様子見というところだろうか。

ドル円見通し クリスマスで小動き、12月13日以降のボックス圏の中央できっかけ待ち(19/12/25)

【概況】

ドル円は12月20日未明安値109.15円から週明け12月23日朝高値109.53円まで戻した後はややジリ安となり、24日はクリスマスイブで手掛かりに乏しい中で109.40円を挟んでほぼ横ばいの小動きに留まった。12月25日朝も手掛かり難で動意付かない状況だ。12月25日は欧米がクリスマス休場で国内FX業者も早終いとなるため、新たなきっかけとなるような要人発言やサプライズ感のある事件等なければ小動きのままで様子見というところだろうか。

ただし、クリスマス明けには大きく動いた前例もある。昨年12月24日にNYダウは12月24日に前日比653.17ドル安の暴落となったが、クリスマス明けのNYダウは12月26日に前日比1086.25ドル高の暴騰となり10月からの下げ相場の底をつけて年明けへのV字反騰へ進むきかっけとなった。ドル円は昨年12月24日に前日比0.87円の下落となり12月13日からの大幅下落が続いていたが、12月26日には1.17円の反騰となった。しかしそこから一段安へ進んで年明け1月3日の104.82円への暴落へ進んだ。休場明けというのは新たな動きや加速のきっかけとなることも多いので12月26日は注意したい。

12月24日の米株式市場は短縮取引だったが、米中通商協議の第1段階合意により当面は米中対立問題が後退するとの楽観的ムードが継続している。NYダウは前日まで史上最高値を更新していたが休場前の利益確定売りに押されて前日比36.08ドル安と小幅下落。一方で、ナスダック総合指数は7.23ポイント高と上昇して9営業日連続で史上最高値を更新した。

しかし株高基調はドル円の下支えにはなっているが、一段高への機運を拡大することに関してはあまり貢献していない。米10年債利回りも前日比0.03%低下の1.90%となり、株高債券安がやや一服している。またメジャー通貨の加重平均であるドル指数は、12月12日安値96.79ポイントから反騰入りして12月23日に97.82ポイントまで戻り高値を更新したが、24日は終値ベースでは0.01ポイント上昇したものの、新たな高値更新には至らなかった。

【株式市場は楽観だが、安全資産のゴールドが上昇中】

全般的に小動きだった24日の取引で注目されるのはゴールドの上昇だ。ゴールドは米中貿易戦争による世界景気への悪影響懸念や米連銀の利下げ等を背景として安全資産買いで今年9月4日に1556.96ドルまで大上昇した。ここ数年は1400ドルに届かない程度だったがその壁を超えてきている。9月4日からは調整的な下げが続いてきたが、12月24日の上昇で9月4日以降の戻り高値を結んだ抵抗線を突破してきている。

米連銀の利下げが中断に入り、米中通商協議が第1段階の合意に至って市場が楽観ムードとなる中でも11月への下落は限定的で、その後はNYダウ等が史上最高値を更新する中で反騰してきている。株式市場が当面の米中問題における対立深刻化は無いとみて楽観を優先しているのに対して、ゴールドは第2段階以降の米中対立再燃への懸念や、米連銀が利下げを中断しても低金利状態が続き世界的な金融緩和基調は変わらないとして先読みから出直っている印象だ。
ドル円の上値が重く、110円台回復へ何度か挑戦しても実現できないことは、株式市場の楽観とはややかい離している印象だが、安全資産のゴールドが上昇していることとはつじつまが合うと言えるかもしれない。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは12月13日夜高値以降の三角持ち合いを下放れしたために12月23日朝時点では持ち合い下放れによる弱気サイクル入りとしたが、12月23日午前にいったん109.50円を超えるところまで戻したために24日朝時点では12月20日未明安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて12月13日深夜安値から4日目となる12月20日未明安値を直近のサイクルボトムとした。高値形成期は12月19日午前高値を基準として24日から26日にかけての間と想定されるとしたが、12月17日未明と12月19日午前の両高がダブルトップとなるため、17日未明高値から4日目となる12月23日朝高値でサイクルトップをつけた可能性があるとした。

23日朝高値の後はやや下げて横這い続きであり、20日未明安値からも3日を経過したため、23日朝高値を直近のサイクルトップとする。ボトム形成期は25日の日中から27日にかけての間とするが、23日朝高値を上抜くところからは新たな強気サイクル入りとして26日朝から30日朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では12月23日午後以降が横ばい推移のために遅行スパン及び先行スパンは実線と交錯して方向感に乏しい。このため12月23日午前高値109.53円超えからは上昇再開として遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、20日未明安値109.155円割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は相場が横ばいのために50ポイントを挟んだ横ばいに止まっている。60ポイント越えからの上昇再開とみるが、40ポイント割れからは下げ再開とみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、109.30円、次いで12月20日未明安値109.15円を下値支持線、12月23日午前高値109.53円を上値抵抗線とする。
(2)109.30円を上回る内は上昇余地ありとし、23日午前高値超えからは19日高値109.67円試しを想定するが、新たな押し上げ材料がなければ109.53円以上は戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)109.30円割れからは12月20日未明安値試しとし、底割れからは109円前後試しとする。109円前後は押し目買いも入りやすいとみるが、新たな弱気材料を伴って109円割れから続落に入る場合は26日へ向けて108.75円前後まで下値目処を引き下げる。

【当面の主な予定】

12/25(水)
休場、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール
休場 香港、英国、フランス、ドイツ、スイス、南ア、カナダ、米国
安倍首相、中国の李首相と二国間会談(成都)

12/26(木)
休場 オーストラリア、ニュージーランド、香港
休場 英国、フランス、ドイツ、スイス、南ア、カナダ
14:00 (日) 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 -7.4%、予想 -8.1%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.4万件、予想 22.4万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 172.2万人)

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