ドル円見通し 0.50円前後の幅で若干右肩下がりのボックス圏(19/12/24)

12月23日午前に109.53円まで戻した後はジリ安の推移に止まり、23日夜から24日朝にかけては小動きとなっている。

ドル円見通し 0.50円前後の幅で若干右肩下がりのボックス圏(19/12/24)

【概況】

ドル円は12月20日未明に109.15円まで下げてからはやや持ち直しているが、12月23日午前に109.53円まで戻した後はジリ安の推移に止まり、23日夜から24日朝にかけては小動きとなっている。
米中通商協議第1段階合意報道により12月12日夜に急伸して12月13日に109.70円の高値をつけたものの、その後は株高基調が続いているにもかかわらず円安へ進めずに109円台中盤での展開に止まっている。12月23日も米ナスダック総合株価指数は8日連続で、NYダウも3日連続で史上最高値を更新しているが、株高に対するドル円の反応は鈍い。

株式市場は米中通商協議の第1段階合意により、当面は米中対立問題が後退するとみて楽観的な反応を続けている。
中国政府は23日に食品や半導体製品など850品目の輸入関税を来年1月1日から一時的に引き下げる方針を発表した。またトランプ米大統領も21日に中国との第1段階合意の正式署名時期については「非常に近いうちに行う」と述べている。ムニューシン米財務長官は12月19日時点で1月初めに両国が署名する見通しだと述べているが、今のところは署名へ向けて順調な様だ。

12月23日の米経済指標はまちまちだった。 米商務省が発表した11月の耐久財受注は前月比2.0%減となり2カ月ぶりのマイナスで前月の0.2%増からも悪化し、市場予想の1.5%を下回った。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注は0.1%増となり前月に続いてプラスだったものの市場予想の0.2%を下回った。

米商務省が発表した11月の新築一戸建て住宅販売件数(年率換算)は71万9000戸で市場予想73万4000戸を下回った。米経済指標は製造業でやや悪化の目立つ処があるが、雇用や消費等はまだしっかりしており景気後退懸念もやや遠のいている印象だ。

【レンジ縮小型三角持合いからボックス型持ち合いへ変化】

ドル円は米中通商協議の第1段階合意報道から12月12日深夜へ急伸して12月13日夕刻には109.70円をつけて12月2日高値109.72円に迫ったが高値更新には至らず、12月13日深夜安値109.20円まで反落した後の反発でも戻り高値は109.67円に止まり、12月20日未明には109.15円まで下落した。12月13日深夜安値から12月18日安値へと安値ラインが切り上がっていたため、20日未明へ下落した時点ではレンジ縮小型の三角持合いから転落した印象だったが、20日未明安値からは持ち直して新たな安値更新を回避している。
12月13日夕刻高値から13日深夜安値への下げ幅は0.50円だったが、12月19日高値109.67円から20日未明安値109.15円までの下げ幅が0.52円であり、その後の持ち直しを踏まえれば、レンジ縮小型の三角持合いから転落したものの「やや右肩下がりの0.50円前後幅でのボックス型持ち合い」に様相を変えたという印象だ。

12月24日から25日はクリスマスムードで相場も動きづらくはなるため0.50円前後幅のボックス圏に止まっての推移と思われるが、取引参加者が少ない中ではテクニカルな流れ次第で大きく動いてしまうケースもあるので用心はしておきたい。

因みに昨年のクリスマスは株暴落、急激な円高の最中で、NYダウは12月24日に前日比653.17ドル安、休場明けの12月26日に前日比1086.25ドル高の暴騰で10月からの下落基調を終了して底打ち反騰に転じた。ドル円は12月20日に前日比1.38円の円高ドル安、12月24日には同0.87円の円高ドル安、26日は同1.17円の円安ドル高と急落から一旦反騰したが、その後に再び暴落となって年明け1月3日の安値へと崩れている。クリスマス前後も動き出すと大きな展開となりうる前例となっている。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

ドル円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは12月13日夜高値の後は新たな高値更新へ進めずにレンジ縮小型の三角持ち合いを形成し、12月20日未明への下落で三角持ち合いを下放れしたために12月23日朝時点では持ち合い下放れによる新たな弱気サイクル入りとし、持ち合い終盤の18日午前安値を基準として安値形成期が24日にかけての間へ延長される可能性があるとした。また109.50円を上抜き返せない内は一段安警戒とした。

12月23日午前に109.50円を超えてその後はジリ安だが、新たな底割れを回避していることと12月20日未明安値を割り込む場合は新たな弱気サイクル入りとするのを妥当とみて、12月13日深夜安値から4日目となる12月20日未明安値を直近のサイクルボトムとする。12月19日午前高値を基準としてトップ形成期は24日から26日にかけての間と想定するが、12月17日未明と12月19日午前の両高がダブルトップとなるため、17日未明高値から4日目となる12月23日朝高値でサイクルトップをつけた可能性もある。このため、12月20日未明安値割れ回避の内は上昇余地ありとするが、109.25円割れからは弱気転換注意とし、20日未明安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして25日から27日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では12月23日午前からのジリ安で先行スパンと交錯している。遅行スパンも実線と交錯しており方向感に欠ける。このため12月23日午前高値109.53円超えからは上昇再開として遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、20日未明安値109.155円割れからは遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイント台中心で小動きに止まり方向感に欠ける。40ポイント台を維持する内は60ポイント越えからの上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、109.25円、次いで12月20日未明安値109.15円を下値支持線、12月23日午前高値109.53円を上値抵抗線とする。
(2)109.25円を上回る内は上昇余地ありとし、23日午前高値超えからは19日高値109.67円試しを想定するが、新たな押し上げ材料がなければ109.67円前後は戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)109.25円割れからは弱気転換注意として20日未明安値試しとし、底割れからは109円前後試しとする。109円前後は押し目買いも入りやすいとみるが、材料を伴って109円割れから続落に入る場合は108.75円前後まで下値目処を引き下げる。

【当面の主な予定】

12/24(火)
休場、ドイツ、スイス
日中韓首脳会談(中国、成都)
08:50 (日) 日銀・金融政策決定会合議事要旨(10月30-31日分)
24:00 (米) 12月 リッチモンド連銀製造業指数 (11月 -1、予想 1 )

12/25(水)
休場、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール
休場 香港、英国、フランス、ドイツ、スイス、南ア、カナダ、米国
安倍首相、中国の李首相と二国間会談(成都)
08:50 (日) 11月 企業向けサービス価格指数 前年同月比 (10月 2.1%、予想 2.1%)

12/26(木)
休場 オーストラリア、ニュージーランド、香港
休場 英国、フランス、ドイツ、スイス、南ア、カナダ
14:00 (日) 11月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (10月 -7.4%、予想 -8.1%)
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.4万件、予想 22.4万件)
22:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 172.2万人)

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