<< 東京市場の動き >>
週明け23日の東京市場は、レンジ取引。クリスマス直前ということで動意が乏しい。朝方の早い時間帯こそ動きがあったが、徐々に収れんされている。
先週末には、「日英首脳」や「日米首脳」による電話会談が報じられ、様々な思惑を呼ぶ。また、北朝鮮の外務省報道官が、人権状況批判の米国に対し「痛い目に遭う」と警告を発したと報じられるなど米朝関係の緊迫化が指摘されるなか、週明けの為替市場が寄り付いている。
ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.40円前後で寄り付いたのち乱高下。109.35-55円といったなかでやや激しい動きとなったが、乱高下は続かず。短い時間で終息すると、その後は109.40円台を中心とした非常に狭いレンジ取引に終始した。結局16時現在では109.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米中情勢」について。
前者は、前述した北朝鮮高官発言が聞かれた反面、米国サイドからは国防長官が「もし必要なら戦い、勝つ準備は出来ている」と述べるなど、水面下で対立構造が強まっている感を否めない。また、そうしたなか米NBCテレビが「ICBM関連施設で動きあり、仮設施設などが設置されているのが確認された」と報じたほか、朝鮮中央通信は「金委員長出席のもと党中央軍事委員会拡大会議が開催され、『全般的武力』の強化が決定された」ことを明らかにしている。
それに対して後者は、トランプ米大統領から「米中第1段階合意文書、近いうちに署名する」との発言が聞かれるなど、通商問題に関しては引き続きポジティブな見通しが優勢。ただ、ブルームバーグが「中国国家主席、ダボス会議への出席見送り」と報じており、米中首脳による接触機会減を懸念する声が別途聞かれていた。また、その習国家主席が名指しこそしなかったが、「香港やマカオ問題への外国の介入は容認しない」とコメント、暗に米国を批判したという。
<< 欧米市場の見通し >>
先週のドル/円は1週間を通してわずか50ポイント程度のレンジ取引をたどったが、今週はクリスマス週で、ヒョッとするとそれ未満の変動にとどまるとの見方も聞かれている。また、仮に動意づいたとしても、基本的にはクリスマス明け。週末にかけての価格変動で、本日や明日などは非常に狭いレンジ取引を予想する向きが少なくない。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注意を要する案件は数多い。いずれも気になるものの、たとえば「ウクライナ疑惑(=大統領弾劾決議の動き)」は、トランプ氏自身が2週間ほどの冬休み入りしたうえ、米議会も休会となり、来年への持ち越しが確実となった。予断を許さないが、そうした意味でしばらくは小康か。とは言え、クリスマスとはあまり関係のない、「北朝鮮情勢」などを波乱要因として十分に注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、過去1週間程度形成している109.20-70円レンジをめぐる攻防が注視されている。市場参加者の取引減退を受けた予想外の値動き、いわゆる「フラッシュクラッシュ」などには要注意だが、基本的には上記50ポイントを中心としたレンジ取引が続きそう。
ただ、仮に上抜けた場合には心理抵抗110円がターゲットとなる反面、下抜けると移動平均の25日線や200日線が位置する108.80-90円が意識されそうだ。
一方、材料的に見た場合、11月のシカゴ連銀全米活動指数や同耐久財受注速報といった米経済指標が発表される予定となっている。何度もレポートしているように、クリスマスモードで参加者が乏しくなっているだけに、指標が予想外の数値になるようだと、一時的にせよ急激に値の飛ぶ危険性も。一応要注意。
そのほか、明日の日中韓首脳会談に向け、中国へと向かった安倍首相の動静を注視している声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-109.80円。ドル高・円安方向は、月間高値も近い109.70円レベルをめぐる攻防にまずは注視。超えれば、心理抵抗にあたる110円が名実ともにターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、先週示現したドル安値の109.18円が最初のサポート。割り込んでも底堅いイメージだが、25日線や200日線を下回ると、下げが加速する可能性もある。
*注;クリスマスイヴにあたる明日24日、クリスマス25日付の「日報」をお休みさせていただきますので、ご了承ください。
なお、それ以降は30日付の「週報」ならびに、30日、31日、1月2日、3日の「日報」などすべて通常通り発行します。よろしくお願いいたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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