<< 東京市場の動き >>
週明け2日の東京市場は、ドルが小じっかり。一時109.70円台まで上昇し、先週末に記録したドルの戻り高値を再び更新する局面も観測されている。
先週末には、「香港でデモが再び激化、警察は催涙弾を使用」などと報じられたうえ、「中国本土、広東省茂名市でも住民と警察が衝突。香港混乱飛び火か」と指摘されるなど、中国情勢をめぐる混乱は収まらず。また、朝鮮中央通信が「北朝鮮高官が安倍首相を名指しで批判、ミサイル再発射も示唆」−−と報じるなか、週明けの為替市場がオープンした。
ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.45-50円で寄り付いたものの、結局同レベルが日中を通してのドル最安値圏に。緩やかな上昇をたどると、先週高値を早くも超える109.70-75円まで一時値を上げた。その後はさすがに伸び悩んだものの、すでに下値も堅く、16時時点では109.60-65円で推移し、欧米市場を迎えている。
材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「米中情勢」について。
前者は、前述した朝鮮中央通信報道が物議を醸したほか、北朝鮮は日本だけでなく韓国に対しても対外宣伝サイト「わが民族同士」を通じて、「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効回避は、韓国国民に対する裏切りであり、民族の尊厳と利益を日本と米国に売り込む、容認できない反民族的犯罪である」などと非難していたという。また、そうしたなか朝日新聞は、「国内数十ヵ所でミサイル発射の土台を増設、新たな軍事挑発準備か」と指摘、一部で思惑を呼んでいた。
それに対して後者は、先で取り上げた香港情勢をめぐる混乱が取り沙汰されるなか、中国外務省が、米国で成立した「香港人権・民主主義法」をめぐり、法案の起草に関わった米議員に対する中国入国ビザ発給を制限することを示唆したとし、報復の可能性が指摘されていた。一方、ロイターが「米政府、中国ファーウェイへの販売制限を強化する可能性がある」などと指摘。また米ニュースサイトのアクシオスは「米中通商協議が香港人権・民主主義法が原因で行き詰まった」と報じており、進展期待の強い通商協議に対しての警戒感も再び聞かれた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルのじり高が続いており、本日東京市場で戻り高値を再び更新する展開となっている。上方向のテクニカルポイントを次々の上抜けており、リスクは間違いなくドル高方向にバイアス。また市場では、12月入りしたことで米国のリパトリエーション(対外投資資産の本国還流)など需給要因もドル高を支援しそう、との指摘があった。なお、テクニカルに見た場合、次のターゲットは心理抵抗である110円、それを超えると年初来高値112.40円を起点とした下げ幅のフィボナッチ76.4%にあたる110円半ばが視界内に捉えられそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など気になる継続案件は依然として少なくない。そうしたなか、目先的には香港や台湾、ウイグル問題などを含めた「米中情勢」、そして「米ファンダメンタルズ」にとくに要注意か。後者についてのハイライトは週末に発表される11月の米雇用統計になりそうだが、本日も同ISM製造業景況指数など重要な経済指標が発表されるだけに予断は禁物かもしれない。
テクニカルに見た場合、ドルは連日の高値更新で潮目は完全に変わった感がある。110円という心理抵抗も、現実の目標としてすぐ間近へと迫ってきた。5月23日以来、約半年ぶりの110円台回復はそう遠くないタイミングで実現することになりそうだ。
それに対するドルのサポートは、取り敢えず109.30-40円。これは先週末など、ここ最近のドル安値圏にあたる。割り込んでも109円前後から108円後半までの下げがせいぜいか。
一方、11月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数といった米経済指標の発表が予定されており、まずはその内容に要注意。とくに後者であるISMはここ最近低迷し、景気拡大・縮小の節目となる50を3ヵ月連続で下回っているだけに、マーケットの関心はことさら大きい。改善傾向を示し、50を再び上回ることができるのか否か、発表されるISM指数の内容をしっかりと見極めたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.20-110.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値109.70-75円が最初の抵抗。超えればいよいよ110円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値を含めた109.30-40円をめぐる攻防にまず注視したい。ただ、仮に割り込んでも底堅そう。移動平均の200日線などが位置する108.90-95円では取り敢えず下げ止まりそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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