トルコリラ円見通し 11月21日夜に続伸、さらに10月31日未明高値に迫る(19/11/22)

トルコリラ円はトルコリラの対ドルでの上昇に支えられ、ドル円の軟調さを超えて戻り高値を試す流れを継続している。

トルコリラ円見通し 11月21日夜に続伸、さらに10月31日未明高値に迫る(19/11/22)

【概況】

トルコリラ円は11月15日未明への円高局面で18.77円の安値を付けたが、その後は上昇基調を継続しており、11月21日深夜には19.07円の高値を付けて10月31日高値19.08円にさらに迫っている。ドル円は21日午前に108.26円まで下落して15日未明安値108.24円に迫り、底割れは回避しているものの戻り高値の切り下がる軟調な展開の範囲にあるが、トルコリラ円はトルコリラの対ドルでの上昇に支えられ、ドル円の軟調さを超えて戻り高値を試す流れを継続している。
10月31日高値の後は18.80円前後を下値支持線とし、19円台へ乗せても維持できずに持ち合い相場を形成しており、現在もその範囲にあるが、15日未明安値からの上昇で持ち合い上限に迫ってきたことで、10月31日高値とのダブルトップで終わるのか、10月31日高値を超えてダブルトップブレイクとなって一段高へ進むのかを試すところまで来ている。

【対ドルでのトルコリラ高続く】

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は11月4日から11月13日へ上昇していたが、14日から3日連続の日足陰線で下落、18日以降は下げ渋りつつ19日からは3日連続で小幅ながら上昇している。21日も米中協議関連での強弱まちまちの報道の中でリスク回避感がやや緩んだために米10年債利回りが上昇、ドル指数も続伸している。しかしメジャー通貨に対するドル高感とは別に、新興国通貨における対ドルの強弱はまちまちで、トルコリラは米国との対立問題が一息ついていることや、イスタンブール100株価指数が堅調推移していることに支えられて対ドルでの上昇基調が21日も継続している。

【概況】

11月21日夕刻にはトルコの11月消費者信頼感指数の発表があり、市場予想の58.2及び10月の57.0を上回る59.9へ上昇した。同指数は昨年7月の72.7から今年5月の55.3まで大幅低下してきたが、その後は底固さを示して10月と11月の2か月連続で上昇したために、トルコ景気への回復期待感が示されている印象だ。昨年8月の通貨危機的なリラ暴落が落ち着き、今年5月以降もしっかりしていることで通貨不安が後退して先行きへの楽観がやや勝ってきているのだろうと思われる。

【ダブルトップ破りの場合は?】

10月31日高値を上抜けないか、わずかに上抜いても再び19円割れから急落に入れば持ち合い相場の継続ないしは10月10日以降の上昇一巡による下落再開となる可能性を抱えているが、10月31日高値を超えて続伸し始める場合はダブルトップ破りによる一段高入りとして10月1日高値19.15円、さらに高値更新へ進む可能性も出てくると注目したい。
米中協議動向による金融市場全般的なリスクオンが進んでトルコも株高リラ高反応となれば、円安も加わって上昇に弾みがつきやすくなるだろう。逆にリスクオフ全開となる場合は円高に加えて対ドルでのリラ安再開で大崩れとなる可能性もある。12月15日の米国による対中制裁関税第4弾発動期限前に米中合意に至るかどうか、それまでシリア情勢が落ち着いていられるかどうかが重要になってくるだろう。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月19日深夜へ一段高してから再び19円を割り込んだため、20日午前時点では19日深夜高値でサイクルトップを付けた可能性があるとしたが、18.95円以上での推移中は19.00円超えから上昇再開・一段高へ進む可能性が残るとした。
21日早朝へ高値を切り上げたため、21日午前時点ではまだ上昇基調の範囲にあるとしたが、21日夜へ高値をさらに切り上げてきている。このため前回のサイクルボトムを19日朝安値へ改めて強気サイクル入りとし、18日夜高値を基準としてトップ形成期を21日夜から25日夜にかけての間とする。すでに21日夜高値でサイクルトップを付けた可能性もあるが、19円台を維持するかわずかに割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとする。ただし21日朝安値18.95円割れからは弱気サイクル入りと仮定して22日朝から26日朝にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では22日朝時点で遅行スパンは好転、先行スパンを上回っているので遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし両スパンそろって悪化するところからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は18日夜高値から19日深夜高値への高値切り上がりに対して指数のピークが切り下がる弱気逆行となり、その後の高値更新でも指数のピークが切り下がる逆行が続いているので徐々に上値抵抗感が強まってきている印象だ。このため50ポイントを割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下げ再開に進みやすいと注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、119.00円を下値支持線、11月21日夜高値19.07円を上値抵抗線とみておく。
(2)19円以上での推移かわずかに割り込んでも切り返すうちは上昇余地ありとし、21日夜高値超えからは10月31日高値19.08円試し、超えれば19.10円試しへ向かうとみる。また10月31日高値を超えた後も19円台を維持する場合はダブルトップ破りによりさらに一段高をうかがう展開で進みやすいとみる。
(3)19円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、21日朝安値18.95円割れから19日朝安値18.84円前後試しへ向かうとみる。18.90円以下は反発注意とするが、18.95円以下での推移が続くうちは週明けへ続落しやすいとみる。また10月31日高値を超えずに下落する場合はダブルトップ形成により10月末以降の持ち合い相場からの転落へ進む可能性も警戒する。

【当面の主な経済指標等の予定】

11月25日
16:00 11月景況感指数 (10月 100.9)

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