依然米中情勢に一喜一憂、日柄要因にも注意(週報11月第3週)

先週のドル/円は、レンジ取引。週間を通して1円強の値幅しかなく、そのなかでの乱高下となっている。一時ドルが下押すも、結局「行って来い」。

依然米中情勢に一喜一憂、日柄要因にも注意(週報11月第3週)

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先週のドル/円は、レンジ取引。週間を通して1円強の値幅しかなく、そのなかでの乱高下となっている。一時ドルが下押すも、結局「行って来い」。

前週末に、トランプ米大統領から米中通商問題について幾つかの発言が聞かれたうえ、週末に実施されたスペイン総選挙の出口調査や開票速報として「与党は過半数に届かない」との見通しを伝えられるなか、週明けの為替市場がオープンしている。

週末のニュースなどからすれば、リスク回避の動きが先行するかと思いきや、ドル/円は前週末のNYクローズと大差ない109.15-20円で寄り付いたが、やはりジワリとドル売り・円買いが優勢に。米中通商合意をめぐる動きなどをにらみつつ、一時は108.24円までドルは下落したものの、そのレベルでは底堅く週末にかけては反発に転じてきた。NYダウが堅調推移、連日のように史上最高値を更新したことなどが好感され、週末NYは108.75-80円で取引を終え越週している。

週間を通して注視されていた材料は、「米中貿易協議」と「香港情勢」について。
前者は、依然として好悪両サイドの発言や報道が相次ぎ、方向性を読みにくい。たとえば週末から週初には、トランプ大統領による「対中関税撤回では合意していない」、「中国は対応が遅すぎる」とのコメントが聞かれ、警戒感が台頭。その後も「中国との合意なければ、関税を引き上げる」とした発言、米紙WSJによる「米中通商協議は農産物の購入めぐり協議難航、暗礁に乗り上げた」と報道が観測された反面、クドロー米NEC委員長から「米中通商協議は合意に近づいている」、ロス米商務長官は「米中とも協議に熱心に取り組んでおり、詳細を詰めている」と発言、これらは逆に合意期待を喚起していた。

対して後者は、「香港デモで警察官が発砲、少なくとも1人がケガ」とした報道が観測され、物議を醸すなかデモそのものはさらに過激化の様相。週末には学校が実際に閉鎖されたほかマーケット閉鎖の噂も聞かれるなど生活に支障が出るまでに混乱が拡大している。

そうしたなか、トランプ米政権高官から、「米国は殺傷力の高い兵器の不当な使用を非難する」とした声明の発表や、米国務省のオルタガス報道官がデモの過激化について「深刻な懸念」を示すとコメントを発しているが、反面で中国サイドからは香港の警察官による実弾の発砲を支持した発言が聞かれたうえ、中国の習国家主席も「過激な暴力犯罪行為は、『一国二制度』の原則への重大な挑戦だ」と発言、デモを容認しない姿勢を改めて示していたという。

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英紙FTや米紙WSJの報道によると、「米中通商協議は難航」している感がうかがえるものの、前述したようにクドロー氏やロス氏、米政権サイドのコメントは逆に「楽観的」だ。どちらかが正しく、どちらかは間違っているのだろうが、市場は政権サイドの「楽観論」に寄りがちで、先週末にかけてのドル買戻しも、そんな「楽観論」を踏まえたものと見られている。個人的には、合意期待が何度も裏切られた経緯があり、あまり信じることが出来ないのだが、今週さらに「期待感」が強まることがあるようだと、109.49円の前回高値をトライする展開があっても不思議はないだろう。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注目すべき要因は目白押し。そのいずれも警戒を要するが、とくにとなると「米中情勢」と「ウクライナ疑惑」の行方が気掛かり。また、それとは別に、日柄的な側面から28日の米感謝祭(サンクスギビングデー)に向けたポジションの巻き戻しを懸念する声も少なくない。先でも指摘したようにNYダウが史上最高値を更新するような状況下だけに、仮に株高への調整が入るとすれば、為替市場においても調整の動きからドル安が進行する可能性もある。

テクニカルに見た場合、7日に109.49円のドル高値を示現したものの、ドルは上げ渋り。足もとは再び新たなレンジを形成しつつある感を否めない。米中情勢などをにらみつつも、109円を挟んで±50銭程度のレンジ取引が続いても不思議はない。
ただ、7日高値を超えれば心理抵抗にもあたる110円レベルがターゲットになる反面、直近安値の108.24円を下回った場合には108円割れ、107円半ばなどが意識されそうだ。

これから11月のフィラデルフィア連銀景況指数や同ミシガン大消費者信頼感指数など注目の米経済指標の発表が少なくない。また、米地区連銀総裁などの講演も多く、それらも引き続き要注意だ。
そのほか、先でも取り上げた「米中情勢」と「ウクライナ疑惑」の行方や、週末23日に失効予定となっているGSOMIAをめぐる日韓あるいは米韓の動きなども気掛かりだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、107.60-109.60円。ドル高・円安については、越えられそうで超えられない移動平均の200日線が位置する109円レベルの攻防にまずは注視。しっかり超えれば、直近高値の109.49円そして心理抵抗である110円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週安値108.24が最初のサポートで、割り込んだ場合には今月安値107.89円や、移動平均の90日線が位置する107円半ばなどが意識されそうだ。

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