ドル円 株高もありドル小高い、前回高値の攻防注視(11/12夕)

12日の東京市場は、ドルが小高い。夕方にかけて上値を伸ばす展開で、再び109.00-05円に位置する移動平均の200日線を超えてきた。

ドル円 株高もありドル小高い、前回高値の攻防注視(11/12夕)

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12日の東京市場は、ドルが小高い。夕方にかけて上値を伸ばす展開で、再び109.00-05円に位置する移動平均の200日線を超えてきた。

ドル/円は109.00-05円で寄り付いたものの、しばらくは冴えない。108.95-109.10円といったレンジ取引をたどるも、上抜けすると、その勢いを継ぎ日中高値である109.30円レベルまで値を上げている。日経平均が終盤にかけて急騰、一時200円以上も上昇したことなどがリスクオンの動きに繋がっていたという。16時時点では日中最高値圏である109.25-30円で推移、欧米市場を迎えていた。

材料的に注視されていたものは、「米中問題、とくに香港情勢」と「イラン情勢」について。
前者は、前日東京時間に「香港デモで警察官が発砲、少なくとも1人がケガ」とした報道が観測されていたが、その後も関連報道が相次ぐ。一例を挙げると「デモが再激化、警察が金融街で催涙弾」、「発砲事件を含め60人がケガをし、病院へ」−−などといった報道が観測されている。そうしたなか、トランプ米政権高官から、「米国は殺傷力の高い兵器の不当な使用を非難する」とした声明の発表があったほか、米国務省のオルタガス報道官もデモの過激化について「深刻な懸念」を示すとともに、中国政府に対し香港の自治を尊重するよう求めるコメントを発していた。

対して後者は、国際エネルギー機関(IEA)が「イランは地下核施設でウラン濃縮を実行に移したことが確認された」と明らかにしたほか、国際原子力機関(IAEA)も報告書で「イラン国内の未申告の場所から天然ウランの粒子を検知した」と発表し思惑を呼んでいた。そうした事態を受け、フランス、ドイツ、英国の外相およびEUの外交安全保障上級代表(外相)から、イランのウラン濃縮活動再開発表について「極めて懸念している」とした共同声明が出されていたようだ。

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一度は萎んだ感のあったドル上値トライ観測が再浮上している。実際、昨日は109.00-05円に位置する200日線がまたもや抵抗になった格好で上値も重かったが、本日東京時間には109.30円近くまで値を上げるなど、ドルは先週高値109.49円が再び視界内に捉えられてきた。ちなみに、先週高値を超えれば次のターゲットは110円レベル、そして110円半ばなどが意識されそうだ。


材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など注目要因は盛りだくさん。そのいずれも要注意だが、とくにとなると「米中情勢」が波乱要因か。依然として不透明感が払拭しきれない米中通商協議の行方に加え、再燃してきた香港デモの過激化がドルの重石となる可能性もある。ちなみに、後者である香港デモについて、米国務省は「重大な関心を持って注視」と発表、それについて中国が不快感を示していた。米中のつばぜり合いにも要注意だろう。

テクニカルに見た場合、109.00-05円に位置する移動平均の200日線に絡む動きをたどっているが、本日東京時間には再び上回っての推移となっている。あくまでザラ場ベースとはいえ、このまま同レベルがサポートとして機能すれば、ドルはさらなる上値をトライする可能性も否定できない。ドルの次の抵抗は109.49円、そして110円などとなる。
対するドルのサポートは、足もと上回って推移している200日線だが、移動平均の25日線も108.65円前後までとかなりレベルを切り上げてきた。反落に転じた場合、維持できるか否かが注視されている。

これから10月の中小企業楽観度指数など幾つかの米経済指標の発表が予定されているものの、市場の関心は低く、基本的に影響は限られそう。
それよりむしろ、本日は要人発言に要注意。バーキン・リッチモンド連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁による講演が予定されているだけでなく、トランプ大統領がNYのエコノミッククラブで講演を行う見込みだ。なお、トランプ氏の講演については株高についてのポジティブなコメントなどが見込まれているものの、FRBに対する利下げ圧力に言及するとの見方も一部で指摘されていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.90-109.70円。ドル高・円安方向は、先週高値の109.49円が最初の抵抗。抜ければ110円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日示現した安値108.90円、そして移動平均の25日線が位置する108.65円レベルをめぐる攻防にまずは注視。ただ、下値は依然として堅そうだ。

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