ドル円 米中協議への楽観論再び、リスクはドル高!?(11/5夕)

5日の東京市場は、ドルが小高い。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の近い展開で、変動以上にドルが強いイメージ。

ドル円 米中協議への楽観論再び、リスクはドル高!?(11/5夕)

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5日の東京市場は、ドルが小高い。値幅そのものは決して大きくなかったが、「寄り付き安・大引け高」の近い展開で、変動以上にドルが強いイメージ。

ドル/円は寄り付いた108円半ばを日中安値に、緩やかな右肩上がり。ゴトー日仲値不足観測などに加え、日経平均株価が終値ベースで400円以上も上昇したことが好感されていた。108.80-85円まで値を上げたのち、16時時点でも日中高値をキープしたまま、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、興味深い値動きをたどっていたのが南ア・ランド。対円では7.36円の目先抵抗を上抜け、7.38円レベルまで上値を伸ばしている。10月28日の前回高値7.50円が視界内に捉えられてきた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中通商協議」について。
過去の経緯をみると、どこまで信用してよいのかわからないが、引き続き「合意期待」を喚起させるような報道が相次いでいる。たとえば、ブルームバーグは「米中両国が、貿易交渉の事態打開に向けてさらなる進展があったことを示唆した」と報じていたほか、英紙FTが「米国は9月に発動した対中国製品への関税の一部撤回を検討している」と指摘、ドル買いの支援要因に。

その後も、トランプ米大統領から「我々は合意に非常に近い」、「中国が合意を強く望んでいる」、ロス米商務長官「中国との合意可能だとかなり楽観的」−−といった「ポジショントーク」が観測されている。
ただ、その一方で東アジアサミットを舞台に、南シナ海問題について、米国が中国の主張を真っ向から否定するなど激しい応酬をたどっていたとの報道もあり、貿易面とは別の側面から懸念する声も一部で聞かれていた。

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大きな意味ではレンジ内だが、ここ1週間ほどの値動きはなかなか活発。実際、前回のドル高値109.28円から107.89円まで下落したのち、本日東京時間に108.80円台まで、目先安値から1円近くドルは値を戻してきた。再びドル高リスクを指摘する声も聞かれるなか、前回「しっかり」とは越えられなかった移動平均の200日線が位置する109.00-05円の攻防にまず注視されている。抜ければ、前回ザラ場高値を含む109.30円前後がターゲットとなりそうだ。

材料的に見た場合、「米貿易問題」、「米金融政策」、「ウクライナ疑惑」、「トルコ・シリア情勢」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」−−など注目要因は多い。そうしたなか、目先とくに注意すべきは「米中情勢」と「米ファンダメンタルズ」か。

後者については、先週末に発表された米雇用統計が良好で、米紙WSJが「米雇用統計がFRB利下げ休止を正当化」と報じたほどだったが、昨日発表された9月の製造業受注指数や同耐久財受注はともに予想値を下回る失望を誘う内容だった。このあと発表される米指標において再び悪化が続くようだと米雇用統計の良好さは逆に「ダマシ」。為替市場においても、再びドル売りに傾斜する可能性を否定出来ないかもしれない。

テクニカルに見た場合、引き続き108円台での推移で、大局的にはレンジ内。ただ、先月末に失敗した109円抜け、ドルの上値トライの機運が再び高まりつつあり、ドルの続伸が期待されている。200日線も位置する109円レベルを上抜ければ109.30円前後がターゲットに。
それに対するサポートは、108.20-25円へとレベルを切り上げてきた25日線となる。

一方、これから9月の貿易収支や10月のISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。先で指摘したように、昨日発表された米経済指標は予想よりも悪かったこともあり、引き続き米ファンダメンタルズを注視したいとする市場参加者は少なくない。
また、米財務省による3年債の入札やカプラン・ダラス連銀総裁をはじめとする米当局者の講演にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.30-109.30円。ドル高・円安方向は、200日線も位置する109円レベルが最初の抵抗。抜ければ直近高値を含む109.30円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の108円半ばをめぐる攻防にまずは注目。割り込めば、移動平均の25日が位置する108.20-25円が意識されそうだ。

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