米中協議は情報錯綜、ドル円の乱高下続く可能性も(10/10夕)

10日の東京市場は、久しぶりの大相場。ただ、上下になかなか大きな値動きをみせるも、終わってみれば「行って来い」だった。

米中協議は情報錯綜、ドル円の乱高下続く可能性も(10/10夕)

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10日の東京市場は、久しぶりの大相場。ただ、上下になかなか大きな値動きをみせるも、終わってみれば「行って来い」だった。

ドル/円は107.45円レベルで寄り付いたのち、当初はドル売り先行。107円割れをうかがう107.00-05円まで下落している。しかし、そこから切り返すと今度は上値を試す展開に。日中高値である107.75-80円まで値を上げたが、勢いは続かず。そののちは、やや値を崩すと107.45-60円といったレンジ取引となり、16時時点では107円半ばで推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」について。
状況が二転三転し、為替や株式など金融市場もそれに合わせて右往左往。まずは、ブルームバーグが、条件付きではあるものの「中国は部分的な合意も受け入れる方針」と報道、トランプ米大統領も「米中が合意に至る公算は大きい」と楽観的な見方を示し、協議進展への期待感を高めていた。しかし、香港英字紙が「7-8日に実施した次官級貿易協議で進展はなかった」としたうえで、「閣僚級協議、2日ではなく1日のみ開催の可能性」と指摘し、これは逆に失望を誘うと為替市場でもドル売り要因に。また、トランプ氏より「閣僚級協議で中国に厳しく臨む」との発言も別途聞かれている。
ところが、再びブルームバーグが「米国は中国との部分的な合意の一環として通貨合意を検討」と前向きな報道。また、NYタイムズが「米企業にファーウェイ製品供給を近く認可」と報じたことに続き、とどめにロス米商務長官から「米国は中国との合意を望んでいる」とのコメントが聞かれたことで、最終的にはやや楽観論が優勢な状況となっていたようだ。

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前述したように、「米中貿易協議」に関する報道が二転三転するなか、ドルは本日東京時間に一時107.75-80円まで値を上げ、連日の戻り高値更新となった。過去1ヵ月程度推移している108円半ばを上限としたレンジ内にはとどまっているものの、ドルの上値余地が広がった。ちなみに、本日記録したドル高値は、レンジ上限108円半ばを起点にした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに近いテクニカルポイント。しっかり抜ければ、76.4%戻しの108円前後がターゲットとなる。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」のほか「トランプ氏のウクライナ疑惑」に対する関心も高い。引き続き、それぞれに注意を払いたいが、とくにとなるとやはり「米中情勢」。「貿易協議」については、足もとやや楽観論が優勢でドル高を支援しているものの、前述したように情報が錯綜、状況が二転三転する状況であり、予断を許さない気。いずれにしても、続報などには要注意で、いま少し情勢を見極めたい。

テクニカルに見た場合、ドルは連日の戻り高値更新ながら、その上値は107.75-80円と、過去1ヵ月程度推移している106.50-108.50円という大きなレンジのまだ中間点レベル。ドル高期待を指摘する声も聞かれているが、明確な方向性が示されるのは、いま少し先なのかもしれない。目先は前述した2円レンジを上下どちらに抜けていくのか、その方向に注目だ。それまではあまり予断を持たないようにしておきたい。

一方、材料的に見た場合、9月の消費者物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省による10年債の入札が実施される見込みとなっており、それらにまずは要注意。
また、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁をはじめ、複数の米地区連銀総裁が講演を実施するなど、本日も引き続き要人の発言機会は少なくない。その発言内容にもしっかりと注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.00-108.00円。ドル高・円安方向は、本日東京で記録した高値107.75-80円が最初の抵抗。上抜ければ108円レベル、そしてレンジ上限である108円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日早朝に記録した107.00-05円をめぐる攻防にまずは注目。割り込んでもドルは底堅いイメージだが、時間足など短期のチャートを見ると、ドルの下値は連日切り上がっていることが確認されるだけに、そのパターンが崩れるようならロスカットなど見切り売りがかさむ可能性もある。

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