ドル円 ドルの底堅い値動きは続く公算(9/30夕)

週明け30日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは決して大きくなかったが、夕方にかけてやや下げ幅を拡大させている。

ドル円 ドルの底堅い値動きは続く公算(9/30夕)

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週明け30日の東京市場は、ドルが小安い。値幅そのものは決して大きくなかったが、夕方にかけてやや下げ幅を拡大させている。

前週末に、ブルームバーグが「トランプ政権が米国の投資家による中国企業への投資制限を検討している」と報じ物議を醸す反面、中国の王商務次官が会見で、10月に米ワシントンで予定している米中の閣僚級貿易協議に「劉副首相が出席する」と明らかにしたことで、影響は相殺された形に。

そうした状況下、週明けのドル/円相場は先週末のNYクローズと大差ない107.90-95円で寄り付いたのち、おおむね揉み合い。107.85-108.05円といったレンジ取引をたどるなか、夕方にかけて底割れすると、107.75円レベルへと小幅に値を下げている。16時時点では107.80-85円で推移、欧米時間を迎えていた。

材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」と「トランプ氏のウクライナ疑惑」について。
前者は、先でも取り上げたように好悪両方の材料が飛び交うなか、ブルームバーグ報道については、その後米財務省のグローリー報道官が正式に否定したようだ。

したがって、市場は疑心暗鬼ながらも、やや協議進展期待にバイアスが掛かっている感を否めない。ただ、その一方で貿易面ではなく香港、そして台湾情勢について別途、米中による鍔迫り合いが観測されており、こちらは引き続きドル高の足かせ要因に。

それに対して後者は、「米下院委がポンペオ国務長官に召喚状、証言を求める予定」とされ話題に。トランプ氏は、強硬な米民主党に対し「我々は戦争をしている。やつらは異常だ」と激しく反発したうえで、バイデン氏と民主党を批判する動画を投稿するなど、まさに全面対決の様相も。

そうしたなかペロシ米下院議長が「ウクライナ疑惑にロシアが関与したと思う」と述べたことで、様相はさらに混とんとした面もあり、落としどころは困難を極めてきた。

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ドルは先週末に108.18円の直近戻り高値を示現するも、そののち小反落。本稿執筆時は107.80円台での推移となっている。先でも取り上げた「ハッキリしない米中情勢」や「トランプ氏のウクライナ疑惑」といった材料からすると、もう少しドル安が進行しても不思議はない気がするのだが、米株なども崩れることはなく、それを受けてドル/円も予想以上に底堅い。また、足もとについては、9月末最終日にあたることで、需給要因がドルの下支えとなる可能性も取り沙汰されていた。


材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などが注目されるところに新たに「トランプ氏のウクライナ疑惑」が加わった。そのいずれもが注視されるなか、マーケットが疑心暗鬼となっているのは、明日からの「中国国慶節」を受けた様々な影響について。

金融市場との直接的な関係でいえば「本日は駆け込み的な取引があるのかどうか」で、また「明日から取引が閑散となる可能性、イコール荒れた値動き」も懸念されている。それに対して、金融市場以外では記念日を迎えるなかの「香港デモの行方」や、「米中貿易協議の滞り」といった面になりそうだ。予断は許さないかもしれない。

テクニカルに見た場合、先週末に一時回復した108円台だが、定着は出来ず。ただ、リスクという意味では引き続き上方向へバイアスが掛かっているようだ。再びドルが108円台に乗せてくるような展開も否定出来ない。その場合のターゲットは先週末高値の108.18円、そして108.48円などとなる。
対するドルのサポートは移動平均の25日線が位置する107.20-30円。下回ると107円割れが視界内に。

材料的に見た場合、9月のシカゴ購買部協会景気指数や同ダラス連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。市場では、やや楽観的な見方が有力なようだが果たしてどの程度の数字となるのか、要注目だ。
そのほか、米国ファクターにも注目材料は多く、たとえばジョンソン首相の女性スキャンダルが台頭している英国情勢や、昨日実施された総選挙で第1党の中道右派・国民党が勝利を収めたオーストリア情勢といった欧州ファクターも気に掛かる。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.30-108.20円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である108円前後の攻防にまず注視。超えれば先週末高値108.18円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107.65円レベルに位置する弱いサポートをめぐる動きに注目。下回れば、移動平均の25日線など複数のテクニカルポイントが位置する107.20-30円を目指したドル続落も。

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