<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、ドルが小安い。おおむね107円台を中心とした動きで上値は重かったが、下値も昨日安値107.79円を抜けられないなど底堅かった。
ドル/円相場は107.95-00円で寄り付いたのち、当初はドルが小じっかり。一時108円台を回復する局面も観測されている。しかし、日中高値108.05-10円を示現後は逆に弱含みとなると、緩やかな右肩下がり。107.80円前後まで値を下げ、16時時点では107.85-90円で推移し、欧米時間を迎えていた。
そうしたなか、ポンドが対円やドルで堅調裡。対円では135.15-35円程度の取引をたどるも、上抜けすると夕方には135.70円台まで一気に上昇している。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、20日までの日程で「次官級協議」が実施されるなか、FOXテレビを通じてロス米商務長官から「対中貿易赤字に加え、構造的な不均衡も正す必要がある」との発言が観測されていた。また、香港英字紙が、トランプ氏に非公式に助言しているハドソン研究所の中国戦略専門家ピルズベリー氏は「貿易協定が迅速に合意されない場合、トランプ大統領には中国との貿易摩擦を激化させる用意がある」と述べたと報じ、こちらも一部で話題に。
それに対して後者は、北朝鮮の宋朝日国交正常化交渉担当大使が「安倍首相の『無条件』首脳会談に疑念」を示す発言をしたと報じられ、物議を醸す。一方、米朝に関しては米政治メディアのポリティコが、トランプ大統領に解任されたボルトン前大統領補佐官は「米朝交渉は失敗する運命」などとコメントとしたと指摘、対して韓国の北担当である李外交部朝鮮半島平和交渉本部長は「米朝協議は近く再開される可能性がある」と発言していたようだ。また別途、北朝鮮の分析サイトである38ノースは「北朝鮮、寧辺の核施設周辺に秘密の地下施設存在」と発表し、思惑を呼んでいる。
<< 欧米市場の見通し >>
週初に記録した107.40円台を週間安値に、一時108円半ばまで上昇したものの、その後は失速している。本稿執筆時は107.80円台で、週間レンジのほぼ中間地点だ。予断を許さないものの、ドルの上値トライも仕切り直しとなり、目先は107.40-108.50円といった約1円レンジのなかで次の方向性を探る展開をたどる可能性もある。
材料的に見た場合、継続案件として「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」など注目要因が目白押しの状況。そのなかでも「イラン情勢」や「サウジ情勢」がとくに注視されているほか、一時やや下火になった感のあった「米中貿易問題」が改めて脚光を浴びている。後者については、先で指摘したように、伝えられる要人発言からすると協議が難航しているようにも感じられ、米中ともに簡単に妥結・合意するとは思えない。ドルの上値を抑制する一因として注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、今週は先週記録したドルの戻り高値を一時更新するも、上値は重い。まだ終わったわけではないが、ザックリ1円レンジのなかでの推移となっている。上方向の抵抗を幾つも越えてきたことで、ドルの続伸期待がうかがえた流れもすでに色褪せ、再びレンジ取引の様相を呈しつつあるようだ。目先は108円を挟んだ上下50ポイント程度の範囲内で、一進一退を続ける公算が大きい。
一方、材料的に見た場合、本日はこれといった米経済指標の発表は予定されていない。そうした意味では、やや手掛かり材料難。しかし、ローゼングレン・ボストン連銀総裁による講演をはじめ、複数の連銀関係者による発言機会が予定されている。先日のFOMCでは利下げが実施されたものの、ボードメンバー間でも意見の相違がうかがえただけに、改めて当局者の発言を注視している向きは少なくない。
また、トランプ氏が一昨日「48時間以内に制裁発表」と発表したにもかかわらず、いまだ動きのないイラン情勢の続報、ならびに20日までに日程で実施される「米中次官級協議」の行方なども気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.40-108.30円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値も近い108.10-15円が最初の抵抗。抜ければ、直近のドル高値108.48円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースでは少なくとも直近だけで2度下げ止まっている107.75-80円の攻防にまずは注視。底堅いイメージだが、割り込んだ場合には週初のドル安値である107.44円、あるいは日足・一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する107.20円レベルが下値メドとして意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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