ドル円、BOJ追加緩和見送りを受けて失望売りが加速。一時107.79まで下落
海外時間の為替概況
19日(木)の外国為替市場でドル円は下落。アジア時間早朝に発表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)がややタカ派的と受け止められたことで、ドル円は一時108.48(約1ヶ月半ぶり高値)まで上値を伸ばす場面も見られましたが、米長期金利が伸び悩んだことや、トランプ米大統領より「パウエル議長とFRBは再び失敗した。根性も分別もビジョンもない」と批判されたこと等が重石となると、アジア勢参入後に反落する展開となりました。
注目された日銀金融政策決定会合(BOJ)では、「金融政策の現状維持」が決定され、一部で期待されていた追加緩和は見送られる結果となりました。失望売りが強まる中で、ドル円は一時107.79まで下げ幅を広げました。しかし、@公表文の最終パラグラフに、『日本銀行は、「物価安定の目標」に向けたモメンタムが損なわれる惧れについて、より注意が必要な情勢になりつつあると判断している。こうした情勢にあることを念頭に置きながら、日本銀行としては、経済・物価見通しを作成する次回の金融政策決定会合において、経済・物価動向を改めて点検していく考えである』との文言が付け加えられたこと、A黒田総裁が記者会見で「追加緩和に前回より前向き」と発言したこと等が、次回会合(10月開催)での追加緩和の布石と受け止められると、ドル円はその後値を戻す展開となりました。
海外勢参入後は、米・9月フィラデルフィア連銀景況指数(結果12.0、予想11.0)や、米・8月中古住宅販売件数(結果549万件、予想537万件)の好結果も支援材料となり、108台を回復する場面も見られましたが、サウスチャイナ・モーニングポストが「トランプ米大統領は中国との合意協定が迅速に合意されない場合、関税を50%から100%に引き上げる可能性がある」と報じると、伸び悩む展開となっております。
一方、ユーロドル相場は上値の重い展開。ノルウェー中銀が政策金利を引き上げたことで、ユーロドルも連れて1.1074まで上昇しましたが、良好な米経済指標を背景にドル買いが強まると、引けにかけて1.1040台まで軟化する展開となりました。新規材料に乏しい中、方向感に欠ける値動きが続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円はFOMC後に高値を更新するも維持できず、日銀金融政策決定会合後に大きく値を下げる展開となりました。テクニカル的に見ると、108円台半ばを突破できなかったことで、上値の重さが意識されるチャート形状です。もっとも、現時点では、90日移動平均線(107.76)や、一目均衡表転換線(107.62)が死守されるなど、下値の堅さも確認されます。同水準を下抜けられるか否かが本日のポイントとなりそうです。
本日は、米中次官級通商協議を巡るヘッドラインに注目が集まります。昨日はクドロー国家経済会議(NEC)委員長が「米中のムードが和らいだ」と楽観的な見方を示したものの、サウス・モーニングポストより「トランプ米大統領は中国との合意協定が迅速に合意されない場合、関税を50%から100%に引き上げる可能性がある」と報じられるなど、どちらに動くか分からない状況です。ネガティブな報道がなされれば、イベント通過後のポジション調整も相まってドル円が下げ幅を拡大する可能性もあり、ダウンサイドリスクに特に警戒が必要です。尚、本日は5・10日となりますので、公表相場決定にかけて底堅く推移する可能性がある点には留意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:107.50ー108.30
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.09.20
ドル円見通し 米利下げ織り込み済で上昇後、日銀現状維持失望で下落、あと横ばい(9/20)
日銀政策発表での下落も短期的な売りが一巡した後は落ち着き、夜間は米経済指標が概ね確りしていたことで108円を挟んだ揉み合い推移にとどまっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.09.19
ドル円は東京で小反落も、根強いドル高期待(9/19夕)
19日の東京市場は、ドルが下落。前日108円半ば近くまで上昇する局面も観測された動きから一転、一時108円を割り込む展開となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。