ドル円、高値更新も米FOMC(連邦公開市場委員会)を前に伸び悩む展開
海外時間の為替概況
17日(火)の海外市場でドル円は伸び悩む展開。米・8月鉱工業生産(結果0.6%、予想0.2% ※約1年ぶり水準)や、米・8月設備稼働率(結果77.9%、予想77.6%)、米・9月NAHB住宅市場指数(結果68、予想66)が市場予想を上回ったことで、ドル円は一時108.36(※東京時間に記録した日通し高値と同水準)まで上値を伸ばすも、サウジアラビアの原油生産が予想より早く通常稼働に戻るとの見方から「原油反落→物価上昇リスク後退→米利下げ打ち止め観測後退→米長期金利低下(10年債利回りは1.847%→1.798%)」の経路が意識されると、FOMC(連邦公開市場委員会)を前にしたポジション調整の動きも重なり、引けにかけて108.06まで軟化しました。
一方、ユーロドルは急上昇。欧州時間序盤にかけて一時1.0991まで下げ幅を広げるも、前日同様、1.10割れの「押し目買い」に続落を阻まれると、ドイツ・9月ZEW景況感調査(結果▲22.5、予想▲37.0)が市場予想を上回ったことや、サウジアラビアの原油生産が予想より早く通常稼働に戻るとの見方から「原油反落→物価上昇リスク後退→米利下げ打ち止め観測後退→米長期金利低下(10年債利回りは1.847%→1.798%)」の経路が支援材料となり、ユーロドルは引けにかけて、1.1075まで反発しました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は高値更新も、米FOMCや、日銀金融政策決定会合、米中次官級通商協議を前に伸び悩む展開となりました。本日アジア時間も、今晩のFOMC(政策金利やドットチャートの発表は日本時間9/19の午前3時、パウエルFRB議長記者会見は同午前3時30分)を前に方向感を見出し辛い展開が続くと予想されます。政策金利の25bpの引き下げは既に織り込まれており、焦点は、FOMC参加者の予想分布図(ドットチャート)に移っております。予想通り年内あと1回(今回とは別に)の利下げの道筋が示されれば、株高を通じてドル円はもう一段上昇する可能性が高いと言えます(メインシナリオ)。
一方、今回を以って利下げの打ち止めが示される場合は、「米長期金利上昇→ドル高」の経路と、「株安→リスク回避の円買い」の綱引きが生じる為、やや動きづらい展開となりそうです。また、来年末にかけて2回以上の利下げ(今回とは別に)が示される場合には、「株高→リスク選好の円売り」の経路より、「米長期金利低下→ドル売り」の経路が勝ると見られ、ドル円には幾分下落圧力が加わると予想いたします。いずれにせよ、今晩のFOMC及びパウエルFRB議長記者会見を経てボラティリティが拡大すると予測されることから、想定外の値幅拡大に注意が必要でしょう。(本日の予想レンジ:107.40ー108.60)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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