ドル円 ドルの続伸期待強い、ただ一段高に違和感も(9/11夕)

引き続き、米中情勢についての話も要注意だが、カレンダー的にはそろそろ「米金融政策」への注目度が高まる可能性も否定出来ないだろう。

ドル円 ドルの続伸期待強い、ただ一段高に違和感も(9/11夕)

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11日の東京市場は、ドル堅調裡。終盤にかけて107.80円台まで上昇するなど、ドルは一段高の展開に。

ドル/円相場は寄り付いた107円半ばを日中安値にドルが強含み。値幅は40ポイントにもとどかないなど決して大きくなかったが、それでも「寄り付き安・大引け高」の値動きで、価格以上にドルの強さが際立っている。共産党機関紙・人民日報系の日刊紙「環球時報」編集長がツイッターに投稿した「中国は貿易戦争の影響を和らげるための措置を講じる」との内容が好感されていたという。ドルは107.85円レベルまで値を上げ、16時時点でもほぼ同レベル、日中最高値圏で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易問題」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、香港紙が「中国、対米通商協議で農産品購入の拡大合意も」などと報じた反面、CNBCは、ナバロ米大統領補佐官の発言として、「差し当たっては中国との交渉に忍耐強くなる必要がある」と指摘するなど、好悪マチマチの論調が観測され当初は材料視しにくい。しかし、その後前述した「環球時報」編集長のツイッター投稿が話題になるなか、中国が「関税賦課の対象から除外する米製品の第一次リスト」を公表している。

それに対して後者は、10日の北ミサイル発射について、「外務省の滝崎アジア大洋州局長と米国のビーガン北朝鮮担当特別代表が初めて電話協議を実施」と伝えられたほか、トランプ氏が対北などで強固な姿勢を貫いてきた「ボルトン補佐官を解任」したと報じられ、様々な物議を醸していた。なお、朝鮮中央通信によると、北朝鮮の金委員長は「超大型多連装ロケット砲の試射を再び指導した」という。

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米FOMC前にもかかわらず、市場動意の要因は相も変わらず米中貿易協議に関するものばかり。しかも、前述したナバロ氏の発言のように、やや厳しめの論調もなくはないものの、マーケットは楽観論ばかりに目を向け、一本調子に近いドル高が進むという状況だ。テクニカルには、フィボナッチでも一目均衡表でも目先の抵抗を上抜いてきたことから、ドルの続伸を見込むしかないが、個人的には現在の動きにかなりの違和感を抱いている。高値掴みだけはしないよう、十分な注意を払いたい。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などを注視。様々な重要材料があるなか、本来であれば先で指摘したように、来週17-18日の米FOMCをにらんだ格好での「米金融政策」にもっと関心が高くても不思議はないが、週明け以降、話題となるのは「米中貿易協議」に関する話ばかりだ。引き続き、米中情勢についての話も要注意だが、カレンダー的にはそろそろ「米金融政策」への注目度が高まる可能性も否定出来ないだろう。トランプ氏からの発言を含め、関連報道などをしっかりと注視したい。

テクニカルに見た場合、8月高値109.32円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる107.45-50円に加え、一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する107.70-75円も一時上抜けてきた。後者については、「しっかり抜けた」というには若干早いものの、ともかく上方向の展望が広がったと言って間違いない。
ちなみに、前述したフィボナッチでは76.4%戻しは108.15-20円となり、それを超えるといよいよ100%戻し、8月高値109.32円が名実とも視界内に。

一方、材料的に見た場合、8月の生産者物価指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっているほか、米財務省による10年債の入札が実施される見込みだ。それらにも一応要注意。
また、米国ファクター以外では、英国情勢を中心とした欧州ファクターも気掛かり。たとえば、コンテ新政権が正式に誕生したイタリア情勢なども、場合によってはユーロの波乱要因となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.10-108.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である107.85円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ108円、あるいは108.15円などがターゲットに。

対するドル安・円高方向は、これまで抵抗として寄与してきた107.20円レベルが逆にサポートとなっており、現状は最初の下値メド。また、割り込んでも次は107円レベルと、サポートはだいぶ切り上がっており、ドルはかなり底堅い雰囲気だ。

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