リスク選好ムード継続で高値更新。次回BOJでの追加緩和期待もドル円を下支え
海外時間の為替概況
10日の外国為替市場でドル円は続伸。@来週(9/19)開催される「日銀金融政策決定会合で金融緩和の是非が議論される」との一部報道や、Aトランプ米大統領による「米中通商協議を来週再開する」との発言、Bグローバルなリスク選好ムードを背景に株高・債券安の動きが加速したこと(米10年債利回りは1.620%→1.737%へ急上昇)などが支援材料となり、ドル円は、米国時間にかけて、約1ヶ月ぶり高値となる107.58まで上昇しました。しかし、一目均衡表雲下限(107.55)や、8/2高値(107.58)をバックに戻り売り意欲が強まると、伸び悩み、結局、107.50付近まで小反落してのクローズとなっております。トランプ米大統領が外交及び安全保障を担当するジョン・ボルトン大統領補佐官を 更迭したことも、政局不透明感の高まりを通じてドル円の上値を抑制した格好です。
一方、ユーロドルは方向感に欠ける展開。欧州時間序盤に一時1.1060まで上昇するも、ボリンジャー・ミッドバンドに続伸を阻まれると、明日(9/12)開催されるECB理事会での根強い追加緩和期待や、米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間午後にかけて1.1030まで下落する展開となりました。もっとも、ECB理事会を前に様子見ムードも根強く、下げ渋ると、引けにかけては再び反発。結局、1.1040台でクローズするなど、方向感を見出しづらい時間帯が続いております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、107円ミドルを突破するなど底堅い動きが続いております。@トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを5営業日連続で上回っていること、A強い上昇トレンドを示唆するバンドウォーク(上限)が発生していること、B8/12安値(105.05)と8/26安値(104.45)を起点とするダブルボトムの上放れが完成したこと、C一目均衡表・三役逆転が終焉したことなどを考慮すれば、更なる上昇が期待されます。但し、一目均衡表雲(下限107.55、上限107.86)や、8/2高値(107.58)付近では戻り売りが強まる可能性もあり、ここからの上値は追いには注意が必要でしょう。
ファンダメンタルズ的には、先週発表されたISM製造業景況指数や非農業部門雇用者数が冴えなかった一方、ISM非製造業景況指数は強めの数字が示されました。また、パウエルFRB議長は9/6のスイスでの講演にて、25bpの追加利下げを滲ませつつも、50bpの利下げを示唆する発言は行いませんでした。この結果、米長期金利上昇→ドル買いの流れが確認されます(米10年債利回りは9/3のボトム1.429%からわずか1週間で1.737%へ急上昇)。過度に織り込まれた追加利下げ期待の修正が入っている状況です。但し、急ピッチでポジション調整が進んだ後なだけに、反落リスクも増えつつあります。本日発表される米・8月生産者物価指数が市場予想を下回れば、米長期金利低下→ドル売りの流れが再開する恐れもありそうです。トランプ米大統領によるジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障担当)の更迭も今後尾をひく可能性があり、本日はひとまずドル円の反落リスクを予想いたします。(本日の予想レンジ:107.00ー107.75)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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