<< 東京市場の動き >>
ドル/円相場は107.20-25円で寄り付いたのち、上値を試す展開。じり高推移をたどると、日中高値の107円半ばまでドル高が進行している。途中で聞かれたトランプ発言が材料視されていたという。
しかし、堅調に推移していた株価が崩れ、時間外のNYダウ先物もプラス圏からマイナス圏に転落したことなどを嫌気し、目先高値からドルは軟落。ただ下値も堅く、ドルは大きく崩れず。16時時点では106.35-40円で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米中関係」と「北朝鮮情勢」について。
前者については、FOXニュースが米財務長官の発言として「米中貿易協議の再開は中国側の誠意の表れだと受け止めている」と報じるなか、トランプ米大統領から「中国は協議を望んでいる」、「来週にも中国側と協議する」との発言が聞かれ、市場では再び進展期待が膨らむ格好となった。
それに対して後者は、朝鮮中央通信が、北朝鮮の崔第1外務次官の発言として「今月下旬に米国との非核化協議を再開する意向がある」と報じたことに対し、トランプ氏は「会合を開くことは良いことだ」と応じ、事態の好転を期待する声が一時高まる。ところが、本日早朝に突然、「北朝鮮が2発の飛翔体を再び発射した」とのニュースが飛び込むと、情勢は再び混とんとしてしまった感も否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
今週の相場は、来週実施される米FOMC待ち。つまりは、「米金融政策」を意識した展開になると予想していたのだが、ここまではむしろ「米貿易問題」に注目が集中しているようだ。ただ、米中を中心とした「貿易問題」については、これまでも期待先行で買われるものの、結果は悲観で元の木阿弥になるケースばかり。短期的には、いま少し上値を伸ばす可能性も否定出来ないが、追い掛けてドンドン買い進めたくない気もしないではない。
材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」などを注視。様々な重要材料があるなか、本来であれば先で指摘したように、来週17-18日の米FOMCをにらんだ格好での「米金融政策」にもっと関心が高くても不思議はない。これから徐々に、市場の注目度が高まる展開か。いずれにしても、金融当局者がコメントを基本的に発することのできない「ブラックアウト期間」も、自身にはまったく関係のないトランプ氏の発言には一応要注意。
テクニカルに見た場合、「米中貿易協議の進展期待」という一念だけで、107円半ばまでドルは上値を伸ばしてきた。やや微妙なところだが、8月高値109.32円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる107.45-50円で、ちょうど上げ止まった感も否めない。このあとの欧米時間も、まずは同レベルの攻防に注目だ。
また、日足の一目均衡表では、本日から数日、先行帯の雲はザックリ言って107.40-70円程度で横ばい推移となる。下限だけでなく上限についても、しっかりと上抜けることが出来るのか、こちらについても動静を注視したい。
一方、材料的に見た場合、7月の雇用動態調査などの米経済指標が発表されるものの、マーケットの関心は正直高くない。基本的に影響は限られそうだ。ただ、米財務省による3年債の入札が実施される見込みで、こちらには注意を払いたい。
また、米国ファクター以外では、英国情勢には引き続き要注意。「10月14日まで議会閉会」、「バーコウ下院議長が10月末で議長職退任を表明」−−など全般的に不透明が強いなか、ジョンソン首相による局面打開に向けた次の一手が注視されている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.90-107.80円。ドル高・円安方向は、フィボナッチのテクニカルポイントにもあたる本日の東京高値107円半ばの攻防にまずは注目。抜ければ一目の雲の上限が位置する107.70-75円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、107.20円レベルがすでに弱いサポートとなっており、割り込んでも次は107円レベルと、サポートはだいぶ切り上がってきている感。足もとのドルはかなり底堅い雰囲気だ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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