ドル円、一進一退。製造業PMIは約10年ぶりに50割れ。市場の関心は今晩のジャクソンホールへ(8/23朝)

22日の海外市場でドル円は反落。

ドル円、一進一退。製造業PMIは約10年ぶりに50割れ。市場の関心は今晩のジャクソンホールへ(8/23朝)

ドル円、一進一退。製造業PMIは約10年ぶりに50割れ。

海外時間の為替概況

22日の海外市場でドル円は反落。106.70近辺に控えるレジスタンスに4営業日連続で上値を抑えられると、米国債利回りの長短金利差逆転を受けたリセッション懸念の高まりや、韓国が日本との軍事情報協定(GSOMIA)を破棄するとの報道などが重石となり、欧州勢参入後には、一時106.25まで下げ幅を広げる場面も見られました。しかし。その後発表された、米新規失業保険申請件数(結果20.9万件、予想21.6万件)や、米・8月製造業PMI速報値(結果49.9、予想50.5)、米・7月景気先行指数(結果0.5%、予想0.2%)など一連の米経済指標が強弱まちまちの結果となると、ジャクソンホールを翌日に控えた様子見ムードも重なり、NY時間にかけて、ドル円は幾分持ち直す展開に。106円台半ばで方向感無く推移した後、結局106.40付近でクローズしております。

一方、ユーロドルは方向感に欠ける展開。欧州時間朝方に発表されたドイツ・8月製造業PMI速報値(結果43.2、予想43.0)、ドイツ・8月非製造業PMI速報値(結果54.5、予想54.0)、ユーロ圏・8月製造業PMI速報値(結果46.5、予想46.2)、ユーロ圏・8月非製造業PMI速報値(結果53.2、予想53.0)が軒並み市場予想を上回る結果となると、ユーロドルは一時1.1113まで急伸しました。しかし、直近高値1.1115(8/19高値)を前に戻り売りが強まると、イタリアを巡る政局不透明感の高まりや、ややハト派的なECB議事要旨が重石となり、ECBによる追加緩和観測→欧州債利回り低下→ユーロ売りの経路で再び反落。米国時間朝方には、一時1.1063まで下げ幅を広げる場面も見られました。もっとも、その後は英ポンドの急伸に連れる形で持ち直し、結局1.1080近辺まで小反発してのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円はこの4日間、106.20ー106.70レンジが継続するなど、ジャクソンホールを前に方向感を見出しづらい時間帯が続いております。但し、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)や、A強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」、Bトレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを16営業日連続で下回っていることなどを考慮すれば、「下落リスク」に警戒が必要と判断できます。


ファンダメンタルズ的に見ても、@世界的な貿易戦争が世界的な通貨安戦争(利下げドミノ)に波及するリスクや、A米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感、Bイランやトルコ、香港や朝鮮半島、インドやパキスタンを巡る地政学的リスクの高まり、C世界経済の不安定化、Dドイツ経済のマイナス成長(リセッションリスク)、Eアルゼンチンを巡る政局不透明感の高まりなど、ネガティブ材料は山積みです。F追加緩和の手札に乏しい日銀と、9月の追加利下げが織り込まれている米国との金融政策格差は明らかであり、ドル円にはテクニカル面、ファンダメンタルズ面双方の影響から下落圧力が加わり易い状況が続くと考えられます。トランプ米大統領による連日のFRB批判(FRBに対する利下げ圧力)もドル円の上値余地を阻む一因となっております。

本日は、米カンザスシティー連銀主催の年次経済シンポジウム(ジャクソンホール)におけるパウエルFRB議長・講演(日本時間23時)に注目が集まります。昨日公表されたFOMC議事要旨では、「今回の利下げを長期的な利下げサイクルの一環とは捉えていないこと」が再確認されましたが、その後の米経済指標やマーケットの動き、トランプ米大統領の圧力、米中貿易摩擦の激化などを踏まえて、こうした見解に変化が見られるか否かがポイントとなりそうです。ハト派色を強めれば、年内大幅利下げ観測を織り込む形で米利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売りの流れに拍車がかかり、ドル円にも下押し圧力を加えると予想されます。一方、追加利下げの可能性を否定するような発言が見られれば、既に9割近く織り込んでいる米9月利下げ観測が後退し、米主要株価指数の急落を通じて、リスク回避的な「円高」をもたらすと考えられます。つまり、どちらに転んでもドル円には「下落圧力」を加えそうです。

以上を踏まえ、当方ではジャクソンホール通過後の「ドル安・円高」をメインシナリオとして予想いたします。(予想レンジ:105.00ー107.00)

ドル円、一進一退。製造業PMIは約10年ぶりに50割れ。

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る