ドル円、ファーウェイに対する猶予延長で底堅く推移するも、イベント前に方向感を見出し辛い展開(8/20朝)

ドル円は3日連続で陽線を記録するなど、底堅さが目立ち始めしたが、週央以降に予定されている重要イベントを前にしたポジション調整に過ぎないと考えられます。

ドル円、ファーウェイに対する猶予延長で底堅く推移するも、イベント前に方向感を見出し辛い展開(8/20朝)

ドル円、底堅く推移するも、イベント前に方向感を見出し辛い展開

海外時間の為替概況

19日の海外市場でドル円は「じり高」推移。@ロス米商務長官が「ファーウェイに対する禁輸措置の執行猶予を11/18まで90日間延長する」と発表したこと、A欧米の主要株価指数が堅調に推移したこと、B米長期金利が上昇したこと、C2年債と10年債の長短金利差逆転現象(リセッション入りを示唆する逆イールド)が解消されたこと等を背景に、ドル円は、米国時間序盤にかけて、高値となる106.69まで上昇しました。しかし、トランプ米大統領による「FRBは100bpの利下げが必要」「幾分かの量的緩和も必要な可能性」との発言や、ロス米商務長官による「FRBの金融政策に起因したドル高政策について非常に気分を害している」との発言が重石となると伸び悩み、結局106.60近辺まで押し戻されてのクローズとなりました。尚、米10年債利回りは先週木曜日(8/15)に付けた1.475%をボトムに切り返し、昨日は一時1.625%まで上昇しております。

一方、ユーロドル相場は終始上値の重い展開。@ユーロ圏・7月消費者物価指数(結果1.0%、予想1.1%)が市場予想を下回ったことや、A独連銀月報にて「ドイツ経済の2四半期連続のマイナス成長の可能性=リセッション入り」が示唆されたこと、Bエストニア中銀ミュラー総裁より「ECBは9月に追加緩和を決定する可能性がある」と報じられたこと、C米長期金利の上昇を背景にドル高圧力が強まったこと等が重石となり、ユーロドルは一時1.1076まで軟化しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局1.1080近辺でのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は3日連続で陽線を記録するなど、底堅さが目立ち始めしたが、週央以降に予定されている重要イベント(FOMC議事要旨や日米閣僚級通商協議、ジャクソンホール)を前にしたポジション調整に過ぎないと考えられます。一目均衡表基準線が控える107円付近では戻り売り圧力が強まると見られ、ドル円の続伸余地は乏しいでしょう。@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)や、A強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」、Bトレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを13営業日連続で下回っていることなどを考慮すれば、ドル円はテクニカル的に見て、一巡後の下落リスクが警戒されます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、@世界的な貿易戦争が世界的な通貨安戦争(利下げドミノ)に波及するリスクや、A米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感の高まり、Bイランやトルコ、朝鮮半島、インドやパキスタンを巡る地政学的リスクの高まり、C英国を巡る合意なき離脱リスクの危険性、D世界経済の不安定化、E香港を巡る緊張の継続、Fドイツ経済のマイナス成長、Gイタリアやアルゼンチンを巡る政局不透明感の高まりなど、ネガティブ材料は山積みです。H追加緩和の手札に乏しい日銀と、9月の大幅追加利下げ(50bp)を織り込みつつある米国との金融政策格差は明らかであり、ドル円にはテクニカル面、ファンダメンタルズ面双方の影響から下落圧力が加わり易い状況が続くと考えられます。

本日も、週央以降の重要イベント(FOMC議事要旨や日米閣僚級通商協議、ジャクソンホール)を前に手控えムードが広がると見られ、ドル円は狭いレンジ内で方向感を見出しづらい時間帯が続きそうです。米中貿易摩擦に絡むヘッドラインや、トランプ米大統領のツイート、米株や米長期金利の動向を睨みながらも、106円台半ばを中心とした「小動き」を予想いたします。(予想レンジ:106.20ー107.00)

ドル円、底堅く推移するも、イベント前に方向感を見出し辛い展開

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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