ドル円、人民元基準値の元高設定を背景にショートカバー強まるも106円台後半では戻り売りが優勢に(8/7朝)

6日の為替市場でドル円は急落後に急反発。

ドル円、人民元基準値の元高設定を背景にショートカバー強まるも106円台後半では戻り売りが優勢に(8/7朝)

人民元の元高設定を背景にショートカバー強まるも106円台後半では戻り売りが優勢に

海外時間の為替概況

6日の為替市場でドル円は急落後に急反発。@中国商務省による「米国産農産物の購入を一時停止する」との報復装置や、A米財務省による「中国を制裁対象とする為替操作国」への認定(※1994年以降で初めて)、Bグローバルな株安・債券高(金利は低下)の流れが重石となり、アジア時間朝方にかけて、1/3のフラッシュクラッシュ以来、約7ヶ月ぶり安値となる105.53まで下げ幅を広げました。

しかし、急激に下げ過ぎた反動から反発に転じると、C本邦財務省による「為替市場、緊張感を持って見続ける」との介入を示唆する発言や、D中国人民銀行(PBOC)が基準値を6.9683と7元より元高方向に設定したことで中国当局による元安誘導懸念が幾分和らいだこと、Eアジア株が急落後にやや反発に転じたこと等が支援材料となり、ドル円はショートカバー及びショートスクィーズ主導で急反発。106円台半ばより上のストップを誘発すると、一時107.08まで上値を伸ばしました。

もっとも、米利下げ観測を背景とした「米債利回り低下→ドル売り」、米中貿易摩擦を嫌気した「株安→円高」といった大きな2つの流れは不変との見方が強まると、海外勢参入後は上値重く推移。結局106.50付近まで押し戻されてのクローズとなっております。

一方、ユーロドル相場は急落。@一目均衡表雲下限をバックに戻り売りが強まったことや、Aショートカバー主導で米ドルの買い戻しが強まったこと、B対英ポンドでのユーロ売りが強まったことなどが下落の背景。注目されたドイツの6月製造業新規受注(結果2.5%、予想0.5%)は市場予想を上回ったものの、上記@ABを背景としたユーロ売り圧力は根強く、NY時間朝方には、一時1.1169まで下げ幅を広げました。もっとも米債利回りが小幅上昇に転じると、「ドル売り→ユーロ買い」の流れが強まり、引けにかけては1.12前後まで値を戻してのクローズとなっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、ショートカバー及びショートスクィーズ主導で一時107円台前半へと急伸するも、結局106円台半ばへと押し戻されました。106円台後半から107円台前半のストップをつけたことで、短期筋の俄かショートが一掃された可能性が高く、ポジション的には一段とドル安・円高に傾斜し易くなったと考えられます。

また、テクニカル的には、@6/25安値106.78→7/10高値108.98→7/18安値107.20→8/1高値109.32→8/5安値105.53を結んだダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)や、A強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」、B強い下落トレンド入りを示唆するボリンジャーバンド下限に沿った「バンドウォーク」の発生など、「続落リスク」が強く意識される他、

ファンダメンタルズ的に見ても、米中貿易摩擦の深刻化(報復合戦)や、世界的な貿易戦争が世界的な通貨安戦争へと波及するリスク、イランやトルコを巡る地政学的リスクの高まり、英国での合意なき離脱リスク、世界経済の不安定化など、ネガティブ材料は山積みです。追加緩和の手札に乏しい日銀と、2008年以来の利下げに踏み切った米国との金融政策格差は明らかであり、ドル円にはテクニカル面、ファンダメンタルズ面双方の影響から下落圧力が加わり易い状況にあると考えられます。

本日も米中貿易摩擦に関連したヘッジラインや、中国の基準値発表(日本時間午前10時15分)を睨みながらの神経質な値動きが警戒されます。当方では、米利下げ観測を背景とした「ドル売り」と、リスク回避ムードを背景とした「円買い」の大きな流れは不変と見ており、ドル円は一巡後に再び下落に転じるシナリオを予想しております。(予想レンジ:105.50ー107.00)

人民元の元高設定を背景にショートカバー強まるも106円台後半では戻り売りが優勢に

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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