米中関係にらみつつ、荒っぽい変動続く公算(8/6夕)

6日の東京市場は、ドルが急騰。ザラ場ベースでは直近安値を下回る局面もあったが、その後は強烈な打ち返しが観測されている。安値から1.5円以上も一時値を戻した。

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米中関係にらみつつ、荒っぽい変動続く公算(8/6夕)

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場は、ドルが急騰。ザラ場ベースでは直近安値を下回る局面もあったが、その後は強烈な打ち返しが観測されている。安値から1.5円以上も一時値を戻した。

ドル/円は105.90-95円で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。日中安値である105円半ばまで値を崩したものの、一時500ドルを超える下落をたどっていたNYダウ先物がプラス圏を回復したり、米金利が上昇に転じたりしたことを材料に、ドル/円も急反発をたどっている。往復で2円もの価格変動を記録しており、久しぶりの大相場だった。
しかし、107円台まで戻したのちは、再びドルが小緩む展開となり、106円台へ軟落。16時時点では106.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、前日に続き「荒れ模様の金融市場と、それにともなう要人発言」などについて。
前日のNY時間終盤から、本日早朝にかけて注目報道が相次ぎ、それらが相場の波乱要因に。一例を挙げると、新華社通信が米国による対中制裁関税第4弾への報復として、「中国企業が米農産品の購入を停止した」と報じるなか、北朝鮮がまたもや「2発の飛翔体を発射」したことが薄商いの時間帯だけに、相場を混乱に陥れた。それに続き、今度は米財務省が「中国を為替操作国に認定した」と発表、オフショア市場の人民元が一時過去最安値を更新するなど、様相がさらに混とんとした感を否めない。

なお、東京時間にドル/円が105円半ばへと下落する過程には、武内財務官から再び「緊張感を持って市場を見続ける」との口先介入が観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

為替だけでなく、株価や金相場など多くの金融市場が引き続き荒っぽい変動をたどっている。いまだ落ち着きどころを探っている状況だ。ただ、ドル/円でいえば今月1日に記録した109.32円を起点に本日一時105円半ばまで下げたのち、1.5円を超える反発をたどっており、フィボナッチでいうところの38.2%程度の戻りを達成してきた。戻りの第一波としては、なかなか良い水準まで戻ってきたと言えるかもしれない。ただ、107円前後をしっかり超えれば、前述フィボナッチの半値戻しに当たる107.40-45円が次の上値メド。さらなるドルの戻りも否定出来なくなりそうだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然として注目されている。本日も早朝に事実上のミサイル発射、これで2週間足らずのあいだに4回という急ピッチの発射が観測されている「北朝鮮情勢」なども気掛かりだが、最たるものと言えばやはり「米中貿易戦争激化」懸念か。報復合戦、ノーガードの打ち合いといった様相を呈しつつあり、ある種のチキンゲームの色合いもうかがえる。足もとの為替市場はドルがやや買い戻されているものの、しっかりとした落とし所を見極められないかぎり、やはりドルを積極的には買いにくいとの指摘も少なくない。

テクニカルに見た場合、目先高値109円台から、わずか4日足らずでドルは4円近い下落をたどっていたが、ようやく下げ止まった感がある。それどころか、直近下げ幅のフィボナッチ38.2%戻し(106.95-00円)を一時超える戻りを、そののち記録しており、少なくともドルの下値リスクはかなり軽減されたと言えそうだ。
むしろ、滞空時間が極めて短かった107円台にしっかりと乗せてきた場合、さらなる戻りも予想されることになる。

一方、材料的に見た場合、6月の雇用動態調査など幾つかの米経済指標が発表されるが、それほど注目度は高くない。ただ、米財務省による3年債の入札や、ブラード・セントルイス連銀総裁の講演などが実施される見込みで、そちらについては一応要注意。
また、とくに目立った予定はないものの、前述したように「米中貿易戦争激化」観測が高まっているだけに、本日も関連発言やニュースが相場の波乱要因となりかねない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.80-107.30円。ドル高・円安方向は、東京に記録した戻り高値の107.05-10円が最初の抵抗。上抜けば、一目均衡表の基準線、フィボナッチポイントなどが位置する107円半ば前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、106.30-40円に弱いサポートが位置しており、まずはその攻防を注視。割り込んだ場合には再び106円割れも。ただ、基本的に底堅く、大崩れするイメージには乏しい。

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