ドル円は一転ドルに下落リスク、米貿易問題を注視(8/2夕)

2日の東京市場は、ドルが続落。前日割り込めなかった107円を下回ると、6月安値106.78円に急接近する局面も観測されていた。

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ドル円は一転ドルに下落リスク、米貿易問題を注視(8/2夕)

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2日の東京市場は、ドルが続落。前日割り込めなかった107円を下回ると、6月安値106.78円に急接近する局面も観測されていた。

ドル円は107.30円前後で寄り付いたのち、当初は円売り優勢。クロスを含め全般的に円は売られると、ドル円も107.55-60円へとじり高推移に。
しかし、上値追いは続かず、軟落に転じると107円では止まらずに106円台へと突入。その後、6月安値に近い106.85円まで一時値を崩している。その後は107円挟み、低いレベルでの揉み合いをたどると、16時時点では107.00-05円で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易協議」について。
昨日報じたように、2日間でトータル5時間程度の「米中閣僚級協議」が終わって間もないうちに、中国外務省の華報道局長から「貿易協議で米国はもっと誠意をみせるべき」という異例の非難コメントが聞かれ、その段階で亀裂は垣間見えた。ただ、欧米時間に入ると今度は米国サイド、トランプ大統領から「米国は合意に至るまで課税する」、「中国は自国通貨を下落誘導している」−−などといったかなり強固な反論が聞かれ、円全面高のトリガーになっていた感。そうしたなか、日米の閣僚級協議が現在実施されており、こちらにも伝播すると様々な思惑が飛び交う事態に。
そのほか単発モノとしては、未明に「北朝鮮が再び2発の飛翔体を発射した」との報道が話題に。ここ1週間で3回目となるが、今回もトランプ氏は「問題視しない」姿勢を表明していた。また、日本が韓国を、いわゆる「ホワイト国」から除外すると発表したことも思惑を呼ぶ。ちなみに、この件について、文韓国大統領は「事態を一層悪化させる極めて無謀な決定だ」など述べ非難したうえで、対抗措置の検討を示唆している。

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7月中はあれほど重かった109円レベルだが、8月の声を聞いた途端に上抜け。それもあり、ドル高方向への展望が開けたと思われたのだが、結果はまさかの「ダマシ」。かつ、そののち強烈な打ち返しが入ると、106円台後半まで2円を超える下げを記録している。6月安値106.78円をまだ抜けてはいないものの、下方向のリスクを考えざるを得ないだろう。6月安値をしっかり割り込めば、106円前半が次のターゲット。長い目で見た場合、105円台突入もいよいよ否定出来なくなりそうだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米金融政策」などが依然注目されている。先で取り上げたように、1週間で3回もの事実上のミサイル発射を行った「北朝鮮情勢」なども当然気掛かりだが、もっとも注意を払いたいのは「米貿易問題」か。ちなみに、対中ではなく対EUについてだが、日本時間3日午前2時45分からトランプ氏が貿易に関する表明を行うとされている。デジタル関税への報復など、発表内容次第ではユーロ/ドルを中心に相場が荒っぽい変動をたどる可能性もある。


テクニカルに見た場合、7月相場の上限である109円を一時上抜けたが結局ダマシ。むしろ、そののちドルは急反落に転じると、今度は6月安値106.78円割れを視界内に捉えた動きとなっている。まずは東京で割り込めなかった同レベルをめぐる攻防が注視されそうだ。
なお、再三再四指摘してきたように、7月相場は月間レンジが1.8円ほどにとどまったが、8月相場は開始からわずか2日足らずですでに2円以上動いている計算。値動きは非常に荒っぽいが、いましばらく落ち着きどころを探る展開が続くとの見方も少なくない。

一方、材料的に見た場合、7月の雇用統計や同ミシガン大学消費者信頼感指数確報といった重要な米経済指標が発表される予定となっている。ちなみに前者のうち、市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数はプラス16.5万人程度で、前回(プラス22.4万人)よりは伸びが鈍化する見込みだ。
もちろん、雇用統計を中心とした米経済指標には当然要注意なのだが、昨日NYからの流れを継いで米貿易問題の動きにより注意などとする声も聞かれていた。


そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、106.20-107.50円。ドル高・円安方向は、107.10-20円に位置する弱い抵抗をめぐる攻防にまずは注視。上抜ければ107円半ば、そして108円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値や6月安値を含めた106.80円前後が最初のサポートか。割り込んだ場合には、目立った下値メドはなく106円前半まで一気に続落しても不思議はないかもしれない。

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