BOJのフォワードガイダンス見送りを受けて再び反落。市場の関心は今晩のFOMCへ
海外時間の為替概況
30日の海外市場でドル円は反落。アジア時間朝方に一時108.94まで上値を伸ばすも、心理的節目109円を前に戻り売りが強まると、その後は、日銀金融政策決定会合でのフォワードガイダンスの変更・見送り(=日銀の緩和カードの乏しさを嫌気する形での失望的な円買い)が重石となり、NY時間朝方にかけて108.46まで下げ幅を広げました。米6月中古住宅販売成約指数(結果2.8%、予想0.5%)や、米7月CB消費者信頼感指数(結果135.7、予想125.0)の好結果を受けて一時的に反発する場面も見られましたが、トランプ米大統領による「中国は米国産農産物購入の予兆なし」との批判ツイートが重石となると、引けにかけて再び反落。結局、108.60台でのクローズとなっております。
一方、ユーロドルは1.11トライ失敗で、ショートカバーが先行する展開に。欧州時間に発表されたドイツ7月CPI(結果0.5%、予想0.3%)、ドイツ7月HICP(結果0.4%、予想0.3%)が共に市場予想を上回る結果となったことや、対英ポンドでのユーロ買い圧力が、「ユーロ高・ドル安」の背景。1.11ミドルを上抜けると、先週のECB理事会以来となる1.1161 まで上値を伸ばす場面も見られました。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、海外時間にかけて108円台半ばへと値を落とすも、一目均衡表雲下限(108.38)割れは阻止されました。米FOMC(連邦公開市場委員会)前に、上も下もやり辛い展開となっております。ダウンサイドには、右肩上がりのボリンジャー・ミッドバンド(108.23)や、一目均衡表転換線(108.07)、一目均衡表基準線(107.88)など主要チャートポイントが並んでいることから、テクニカル的に見て、108円前後は底堅いと判断できます。
市場の関心は、明日日本時間早朝3時に発表される米FOMCに移っております。25bpの利下げが市場コンセンサスとなってはいますが、50bpの利下げの可能性も消失してはおらず、本日の米FOMCはどちらに転んでも為替市場に大きなインパクトを与えそうです。ここ最近の米経済指標が力強い結果を示したことで、米大幅利下げ観測は幾分後退しつつあるものの、トランプ米大統領は連日でFRB批判を行うなど利下げ圧力を緩めていません。ネガティブサプライズ(50bpの利下げ)を念頭に置いたポジショニングが必要となりそうです。25bpの利下げに留まった場合、ドル円は一時的に109円を再トライする展開が見込まれますが、この場合は、パウエルFRB議長が記者会見で連続利下げの可能性を滲ませる可能性が高い上、米主要株価指数が下落に転じる恐れもあるため、ドル円は一巡後に反落する展開が予想されます。
一方、50bpの利下げが行われた場合は(或いはパウエルFRB議長が記者会見で連続利下げの可能性を強く示唆する場合)、107円台への再突入(場合によっては107円割れの可能性も)が想定されます。結果として、今晩のFOMCは利下げ幅が25bpであっても50bpであっても、最終的にドル円の下落に繋がりそうです。当方では、「25bpの利下げ→ドル円が一時的に上昇→米主要株価指数が下落→パウエルFRB議長が記者会見で連続利下げの可能性を示唆→ドル円反落」の経路で、ドル円が上昇後に再び売り込まれる展開をメインシナリオとして予想しております。(予想レンジ:107.25ー109.25)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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