米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)
昨日(17日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容になっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は7月8日以前までとなっています。
(全般的は経済活動)
経済活動は5月中旬から7月初めの間、全般的に緩やかなペースで拡大した。これは前回の報告期間とほとんど変わりなかった。ほとんどの地区で、小売販売は少し上昇した。但し、自動車販売は横這いだった。非金融サービス部門の活動は一段と上昇した。観光業は幅広く堅調であり、アトランタやリッチモンドではこの部門で記録的な拡大を示した。幾つかの地域では輸送業部門の健全な拡大が報告されたが、その他の地域では活動が緩やかに下がった。住宅販売は幾分上がったが、居住用建設活動は横這いだった。非居住用建設活動は増加か、ほとんどの地区で堅調なままであった。そして商業用賃貸物件も上昇した。製造業の生産は全般的に横這いだった。
しかし、2・3の地域は前回報告以降の活動は緩やかな上昇に留まったとしている。農業生産については緩やかに減少している。これは幾つかの地域で豪雨の影響があった。原油やガス生産は幾分下落した。ローンに対する需要は幅広く伸びた。これは2地区以外の全ての地域で金融活動の伸びがあったとしている。一般的に、先行き概観は今後もポジティブであり、引き続き緩やかな伸びが予想されている。但し、貿易関連の不確実性に対するネガティブな影響の可能性についての関心が広まった。
(雇用と賃金)
あらゆることを考慮すると、雇用の伸びは緩やかなペースで拡大した。伸びは前回の報告よりは幾分鈍化した。雇用市場は依然タイトであり、国中を通し、求人を満たすのに困難な経験をしている。報告では、ほとんどの部門で労働者不足が続き、とりわけ建設、情報テクノロジー、ヘルケア部門で起きている。しかしながら、東北地域の幾つかの製造業や情報テクノロジー部門は求人を減らしている。2・3の報告では、労働査証の更新について関心が高まっていることを指摘している。これは雇用の伸びが継続するのか不確実な状況にあることを知らせている。未熟練労働者の著しい賃金上昇が見られるけれども、前回の報告同様に、報酬は緩やかなペースでの伸びになった。ほとんどの地区で、タイトな労働市場の状況を反映し、労働者の福利厚生が拡大していると報告している。
(物価)
報告では、物価インフレ率が前回期間の報告から幾分下がり、安定していると指摘している。全般的な地区で仕入れコストは上昇している。これは高い関税や労働コストの上昇に起因している。しかしながら、最終価格へのコスト上昇を肩代わりする企業努力が活発な競争力を抑制している。供給減少が幾つかの農業品の価格を上げている。輸送コストに関する報告はまちまちで、幾つかの地域では価格上昇圧力が大きくなっていることを指摘している。一方で、その他地域では買い物サービスの需要低下で物価が下がっていることを指摘している。専門や企業サービス価格は幾分下がった。鉄鋼や木材価格は需要低下で下がっている。
(以下、地区毎の詳細は略)
(上記出所:FRB HP)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
内容的には前回6月初のベージュブックと大差なく、経済はまだ拡大していることを示した内容になっています。一部地区で、先行き経済は貿易に起因する不確実性があることは前回も指摘しており、特段新しい内容ではありません。また一部労働市場でこのまま好調さが続くかは不透明との指摘がありました。米国では、経済がこれまでと同じペースで拡大しているとの見方はしていますが、先行きの不確実性に対応した7月末のFOMCでの利下げ見通しに対する特段の変更(利下げ見送り)内容は見当たらないと分析している様です。
昨日のドル円相場は、ベージュブック発表前後は動きませんでした。内容的にFOMCでの利下げを阻害するものが無かったとして、ドルが小幅に緩み108円割れでNY市場が終了しています。
しかしながら、今日の東京市場では107円70銭にあるサポートを下抜こうとするトライをしています。ここを完全に切ってくると107円40銭、107円10銭をこなしながら6月安値の106円80銭〜90銭ゾーンが見えてきます。逆に108円台を回復するようだと、まだドルはレンジ推移となりそうです。上値抵抗線としては108円30銭、108円60銭にあります。
(2019年7月18日10:30、1ドル=107円70銭、1ユーロ=1.1236ドル)
オーダー/ポジション状況
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