ドル円見通し 3か月サイクルでのリバウンド続く(7/9)

週明けは日経平均や上海株が下落する中で利食い先行となって108.27円まで下げたが、欧州市場時間から反騰入りして6日未明高値を上抜いた。

ドル円見通し 3か月サイクルでのリバウンド続く(7/9)

【概況】

7月5日の米6月雇用統計において非農業部門就業者数が市場予想を上回ったことでドル全面高となり、ドル円は6日未明に108.63円まで上昇して7月1日高値108.53円を上抜いた。週明けは日経平均や上海株が下落する中で利食い先行となって108.27円まで下げたが、欧州市場時間から反騰入りして6日未明高値を上抜き、9日未明には108.80円まで戻り高値を切り上げ、6月11日高値108.79円をわずかに超えた。

6月20日未明の前回FOMCにおいて早期大幅利下げ期待が膨らんだために108円台の持ち合いから転落し、6月25日には106.75円まで続落した。しかしその後、セントルイス連銀のブラード総裁やパウエル米連銀議長の発言等から7月末のFOMCにおける大幅利下げ期待がトーンダウンしたために持ち直しに入った。6月29日の米中首脳会談での貿易戦争休戦入りにより7月1日には108.53円まで上昇、いったん材料消化で7月3日安値107.53円まで下げたが上記の通り雇用統計をきっかけに一段高入りしている。
米連銀の利下げ姿勢については7月末のFOMCにおける0.50%の利下げ期待は過剰だったと市場も受け止めているが、利下げ姿勢はまだ変わらないとみているようだ。ただ今後の状況によっては7月末の利下げ開始が先送りされる可能性もあるため、目先はもう少しドル高が進む可能性を優先して戻り高値の切り上げを試している印象だ。

【足許のポイント】

日足レベルでは概ね3か月前後の底打ちサイクルにおいて3月25日安値から3か月目となる6月25日安値でサイクルボトムをつけて戻しに入っている印象だ。
6月11日高値をわずかに超えてきているため、109円台序盤、さらに4月24日高値からの下げ幅に対する半値戻し109.57円を目指す可能性もあるが、上昇基調を継続できるかどうかは7月10日のパウエル米連銀議長による議会証言を見定める必要があると思われる。利下げ姿勢がさらにトーンダウンするならドル高円安も継続しやすくなるが、利下げ姿勢が強い印象なら7月30-31日のFOMCにおける利下げが小幅なものに止まっても10月から12月までにもう1回の利下げへ進む可能性が高まり、ドル安円高がぶり返すきっかけになると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月3日午前安値をサイクルボトムとして上昇したが、6日未明高値から8日午後へいったん下げてから一段高しているため、7月3日午前安値から3日目となる8日午後安値で直近のサイクルボトムをつけて新たな強気サイクルに入ったと思われる。今回の高値形成期は6日未明高値を基準として11日未明から15日朝にかけての間と想定される。8日午後安値を割り込まない内は上昇余地ありとするが、サイクルトップ形成は短縮される可能性もあるので8日午後安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして11日の日中から15日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では7月5日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも突破した。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、遅行スパン悪化からは弱気転換注意として安値試し優先とする。先行スパンが下値支持帯と思われるが千古宇スパンから転落する場合は6月25日からの戻り一巡による下げ再開となる可能性が高まるとみる。

60分足の相対力指数は7月6日未明高値を9日未明高値で上抜いた際に指数のピークが切り下がる弱気逆行の気配が見られる。50ポイント以上を維持する内は上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは弱気逆行による下落再開感が強まると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、108.50円を下値支持線、109円を上値抵抗線とする。
(2)108.50円を上回るか一時的に割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとし、109円前後を試す流れとみる。9日の日中では109円到達で戻り売りにつかまりやすいとみるが、夜間にドル全面高で109円を超える場合は4月からの下げ幅に対する半値戻し109.57円試しまで上値目処が切り上がってゆく可能性もあるとみる。
(3)108.50円前後では押し目買いが入りやすいとみるが、108.50円割れから続落の場合は弱気転換注意とし、8日午後安値108.27円割れの場合は弱気サイクル入りにより107円台後半へ続落しやすくなるとみる。108円割れはいったん買い戻しも入りやすいところだが、108円割れからは7月3日安値107.53円試しへ向かう流れとみる。

【当面の主な予定】

7/9(火)
休 場 ブラジル(サンパウロ州革命記念日)
10:30 (豪) 6月 NAB企業景況感指数 (5月 1)
21:45 (米) パウエルFRB議長、講演(ボストン)
23:10 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、フォーラムでの開会挨拶(セントルイス)
27:00 (米) クオールズFRB副議長、講演(ボストン)
27:00 クオールズFRB副議長、講演
27:00 ボスティック・アトランタ連銀総裁、講演(セントルイス)

7/10(水)
08:50 (日) 6月 国内企業物価指数 前月比 (5月 -0.1%、予想 -0.1%)
08:50 (日) 6月 国内企業物価指数 前年同月比 (5月 0.7%、予想 0.4%)
09:30 (豪) 7月 ウエストパック消費者信頼感指数 (6月 100.7)
10:30 (中) 6月 消費者物価指数 前年同月比 (5月 2.7%、予想 2.7%)
10:30 (中) 6月 生産者物価指数 前年同月比 (5月 0.6%、予想 0.3%)

17:30 (英) 5月 月次GDP 前月比 (4月 -0.4%、予想 0.3%)
17:30 (英) 5月 鉱工業生産指数 前月比 (4月 -2.7%、予想 1.5%)
17:30 (英) 5月 鉱工業生産指数 前年同月比 (4月 -1.0%、予想 1.2%)
17:30 (英) 5月 製造業生産指数 前月比 (4月 -3.9%、予想 2.2%%)
17:30 (英) 5月 商品貿易収支 (4月 -121.13億ポンド、予想 -125.50億ポンド)
17:30 (英) 5月 貿易収支(物、サービス) (4月 -27.40億ポンド、-32.00億ポンド)

23:00 (米) パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、議会証言(上院)
23:00 (加) カナダ銀行(BOC)政策金利 (現行 1.75%、予想 1.75%)
23:00 (米) 5月 卸売在庫 前月比 (4月 0.8%、予想 0.4%)
23:00 (米) 5月 卸売売上高 前月比 (4月 -0.4%)
24:15 (加) カナダ中銀ポロズ総裁、ウィルキンス上級副総裁、会見
26:30 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、フォーラムで質疑応答セッション参加
27:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨 6月18-19日会合分

オーダー/ポジション状況

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