ドルの続伸を期待、ただ懐疑派も少なくない(週報7月第2週)

先週のドル円は、引き続きドルが小高い。週のザラ場ベースでは冴えない時間帯も観測されたが、週末にかけて買い戻され、週足は2週続けての陽線に。

ドルの続伸を期待、ただ懐疑派も少なくない(週報7月第2週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル円は、引き続きドルが小高い。週のザラ場ベースでは冴えない時間帯も観測されたが、週末にかけて買い戻され、週足は2週続けての陽線に。

前週末に実施された米中首脳会談を受け、トランプ米大統領は「貿易協議再開合意」、そして「関税第4弾の先送り」を示し、一時的な休戦状態に。また、電撃的なトランプ氏と金北朝鮮委員長の会談が開催されるなか、週明けの為替市場が寄り付いた。ドル円は、前述した2つの材料などを好感した格好で、ドル買い先行。先週末のNYクローズが107.90円レベルだったのに対し、108.10-15円とギャップを空ける形でオープンしている。
その後ドルは108円半ばまで値を上げるも続かず、逆に売りに押されると107円半ばまで1円程度の反落となった。ただ、週末に発表された注目の米雇用統計が予想以上の好数字となったことを材料にドルが急騰。週初に記録した高値108円半ばを超え、一時108.64円を示現している。結局、週末NYも108円半ばのドル高値圏を維持したまま、越週となった。

一方、週間を通して注目された材料は、週間を通して数多く報じられた「トランプ米大統領発言」について。
週の初めから「米国は対中貿易協議で勝利を収めつつある」、「北の短距離ミサイルは問題視しない」、「対北制裁維持するが見直す可能性も」、「日米安保条約、不公平性見直す必要を安倍首相に伝達」−−などといったコメントを連発。その後も「米中通商合意は米国に幾分有利となる必要がある」、「シェルトン氏とウォラー氏をFRB理事に指名へ」、「中国や欧州は為替操縦ゲームを派手に楽しんでおり、我々も『対抗』すべき」、「より良い未来に向かって闘争を続ければ米国に不可能はない」−−など週間を通してトランプ発言に振り回された感も。

そのほか単発モノとして、「経産省、韓国への半導体3品目の『禁輸』を発表」、米紙「トランプ氏は北朝鮮の核凍結で決着の方針」、「難航していた次期欧州委員長人事はドイツ国防相のフォンデアライエン氏を指名、同ECB総裁人事は国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事選出」、安倍首相「今後10年間は消費増税が必要ない」、「英領ジブラルタルが『EU制裁違反でイランの石油タンカーを拿捕』」−−などといった発言やニュースが報じられている。

<< 今週の見通し >>

過去1週間あまり上値を抑制してきた108円半ばを先週末に上抜けたものの、6月高値108.80円にはとどかず。リスクという意味ではドル高方向にバイアスがかかるものの、さらなるドルの続伸には疑問を抱く向きも少なくない。とは言え、108.80円や109円レベルをしっかりと超えれば、週末にかけて109.30-40円までレベルを切り下げてくる日足・一目均衡表の先行帯の雲の下限がターゲットとなりそうだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン情勢」のほか「米貿易問題」、「米利下げ観測」−−など継続案件は多いものの、そのなかでも今週もっとも注視されそうなのは「米利下げ観測」について。先週末に発表された6月の米雇用統計はポジティブサプライズ、予想以上の好数字となり、市場で取り沙汰されていた「7月の米利下げ」観測を大幅に後退させた感を否めない。ただし、それが今後の米国を中心とした株安を招いたりする危険性も否定出来ないうえ、今週はパウエルFRB議長による半期に一度の議会証言など、別通貨当局者による発言機会の多いことも要注意材料として取り沙汰されていた。これまでの「トランプ米大統領からの横槍」を考えれば、基本的な利下げバイアスに変化はないのではないか、と予想する参加者の声も聞かれている。

テクニカルに見た場合、次の方向性はなかなか微妙。敢えて言えば、ドル高・円安方向にバイアスはかかりそうだが、先でも指摘したように6月高値の108.80円そして109円を超えていないことは若干気掛かりだ。
ただし、それらレベルを抜けたあとのターゲットをフィボナッチの観点で考えると、年初来高値112.40円を起点とした下げ幅の38.2%は108.90-95円、半値戻しは109.60円、61.8%戻し110.25円などとなる。

一方、材料的に見た場合、6月の消費者物価指数など幾つかの米経済指標が発表される予定となっている。先週に比べれば総じて小粒だが、米雇用統計が予想以上の好数字だっただけに、それに続く好数字となるのか期待されている指標も少なくないようだ。
そのほか、米財務省による10年債などの入札や、6月FOMCの議事録要旨公開、パウエルFRB議長による半期に一度の議会証言をはじめ当局者の講演も多いなど、要人発言にもしっかりと注意を払いたい。

そんな今週のドル円予想レンジは、107.50-109.70円。ドル高・円安については、先週越えられなかった6月高値108.80円が最初の抵抗。抜けると、109円や日足・一目均衡表の雲の下限、そして109.60円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末に上抜けた移動平均の25日線も位置する108円前後のレベルの攻防にまずは注視。しっかり割り込むと、107円半ばの先週安値が視界内に捉えられそうだ。

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